がん保険は節税効果があると聞いたのですが本当?

質問日:2009/06/03
中小企業の2代目社長です。先日保険代理店の人からがん保険は節税効果があると聞きました。これは本当なのでしょうか?

がん保険の節税効果は他の保険に比べても高いです!

回答日:2009/06/08

★がん保険、入られてますか?

がん保険は、がんによる生存中の入院、手術費用に備えることが可能な保険です。 経営者や役員が、がんの生存中の事業保障資金を準備することが可能なので、法人契約も非常に増えてきているようですね。 がん保険の最大の特徴は、全額損金計上できる点にあります。つまり、節税効果が非常に高い保険なのです。

★がん保険の特徴をまとめてみました

●がん保険は保険料全額を経費計上できるので、節税効果抜群です! また、解約返戻率は初年度から解約返戻率は高めで、その後ゆるやかに上昇する場合が多いのです。解約返戻率が90%近い商品も出てきています。 具体的にいきましょう。 毎月の保険料が10万円のがん保険に加入した場合、年間の保険料は120万円。10年間継続すると保険料は1200万円になります。仮に、解約返戻率を90%とすると、1000万円程度は戻ってきます。つまり、保険料を全額経費で落としながら、1000万円の貯蓄があったのと同じ効果が得られるのです! さらに、経費計上による節税効果(4割程度)がありますので、実質的には1200万円以上の戻りがあるわけですね。節税対策として使わない手はありません! ●しかし、解約返戻金が1000万円戻ってきたとしてもこれは「収入」になります。つまり利益が計上されてしまうのです。 しかし、そのための対策として良い方法があります。 それは、解約返戻金を財源として退職金を支給する規定を設けておくのです。これによって、解約返戻金に対応した経費(退職金)計上が可能になります。計画第一ですね!

役員報酬は1年間定額?絶対に変更できない?

質問日:2009/06/10
通信関係の中小企業です。今年は下半期になってから特に業績が悪くなり、非常に危機感を感じています。役員報酬を減らして備えたいのですが可能ですか?

役員報酬額を変更するには相当の理由が必要です!

回答日:2009/06/16

★役員の定期同額給与って何なんだ!!

定期同額給与とは・・・ その支給時期が1月以内の一定期間毎の給与で、各支給時期における支給額が同額。 但し、以下は認められます。 ①会計期間開始の日から3ヶ月経過日までにされた定期給与の額の改定 ②職制上の地位変更、職務の内容の重大な変更その他これらに類するやむを得ない事情(臨時改定理由)による定期給与の額の改定 ③経営の状況が著しく悪化したことその他これに類する理由(業績悪化改定事由)による定期給与の額の改定(減額のみ)

★業績悪化改定事由とは・・?

役員給与を減額せざるを得ない客観的な事情があるかどうかで判定します。 財務諸表の数値が相当程度悪化したことや倒産の危機に瀕したことだけではなく、経営状況の悪化に伴い、利害関係者(株主、債権者、取引先等)との関係において、役員給与の額を減額せざるを得ない事情が生じていれば、これも含まれます。 <例> ① 株主との関係上、業績や財務状況の悪化の経営上の責任から減額せざるを得ない場合 ②銀行との関係で、借入金返済のリスケジュールの協議において減額せざるを得ない場合 ③取引先等の利害関係者からの信用を維持・確保する必要性から、経営状況の改善を図るための計画が策定され、これに役員給与の額の減額が盛り込まれた場合 <注意!> 株主が少数の者で占められる場合、役員の一部が株主の場合、株主と役員が親族関係の場合等のよくある中小企業のパターンでは、①が認められる可能性は低くなります。減額せざるを得ない客観的かつ特別の事情を具体的に説明できる必要があるでしょう。 ②③についても、減額せざるを得ない客観的かつ特別の事情を具体的に説明できる必要性はありますね。節税とか利益調整は絶対に認められません。 ちなみに、事前確定届出給与に係る業績悪化改定事由についても上記と同様の扱いです。

生命保険・損害保険で節税ってよく聞くけど本当??

質問日:2009/06/10
中小企業の2代目社長に就任した33歳の男です。よく保険会社の人から生命保険に入って節税しませんか?というお誘いを受けるのですが、これって将来にも役立ちますか?

生命保険は保険によって処理が異なるのでよく考えましょう!

回答日:2009/06/27


★定期保険と法人税

●定期保険とは・・・・ 保障期間を契約時に定めた期間に限定し、掛金全額が契約終了時に掛捨となるもの。
契約者 被保険者 受取人
法人 役員・従業員 法人
法人 役員・従業員 役員・従業員の遺族
 ◆定期保険料・特約保険料ともに損金計上可能です!   但し、受取人が従業員や役員の遺族の場合で、   特定の使用人のみを被保険者とする場合は給与となります。

★終身保険と法人税

●終身保険とは・・・・  契約期間の終了がなく、死亡時に所定の保険金が支払われる保険。
契約者 被保険者 受取人
法人 役員・従業員 法人
 ◆終身保険料は資産計上、 特約保険料は損金!
契約者 被保険者 受取人
法人 役員・従業員 役員・従業員の遺族
 ◆終身保険料は給与・報酬、特約保険料は損金!

★定期保険特約付終身保険と法人税

●定期保険特約付終身保険とは・・・・  終身保険契約をベースとして定期保険を特約の形で付加した保険。  
契約者 被保険者 受取人
法人 役員・従業員 法人
 ◆終身保険料は資産計上、 定期保険料・特約保険料は損金!
契約者 被保険者 受取人
法人 役員・従業員 役員・従業員の遺族
 ◆終身保険料は給与・報酬、 定期保険料・特約保険料は損金!

★養老保険と法人税

●養老保険とは・・・・  保障期間を一定に定め、満期時に死亡保険金と同額の満期保険金が支払われる保険。  
契約者 被保険者 死亡時 満期
法人 役員・従業員 法人 法人
 ◆養老保険料は全額資産計上、 特約保険料は損金!
契約者 被保険者 死亡時 満期
法人 役員・従業員 役員・従業員の遺族 法人
 ◆養老保険料の1/2は資産計上、養老保険料の1/2は福利厚生費(損金)。   特約保険料は損金!
契約者 被保険者 死亡時 満期
法人 役員・従業員 役員・従業員の遺族 役員・従業員
 ◆養老保険料は給与・報酬、定期保険料・特約保険料は損金! <注意!> 定期付養老保険の場合でも考え方は同じです! 定期保険料部分と養老保険料部分が区別できる場合は、それぞれの処理を行います。 区別できない場合は、養老保険の処理を全額に対して行います。 1/2損金計上の場合、、特定の使用人のみを被保険者とする場合は給与となります。

★個人年金保険と法人税

●個人年金保険とは・・・・  保険の仕組みを使い、保険料の拠出が前提となっている年金制度。  
契約者 被保険者 死亡時 年金
法人 役員・従業員 法人 法人
 ◆個人年金保険料は資産計上、 特約保険料は損金!
契約者 被保険者 死亡時 年金
法人 役員・従業員 役員・従業員の遺族 法人
 ◆個人年金保険料の9/10は資産計上、個人年金保険料の1/10は福利厚生費(損金)。   特約保険料は損金!
契約者 被保険者 死亡時 年金
法人 役員・従業員 役員・従業員の遺族 役員・従業員
 ◆個人年金保険料は給与・報酬、特約保険料は損金! 他にも、役員退職金用に使われたりする長期平準定期保険と呼ばれる保険があります。 これは長期平準定期保険のページで紹介しましょう!