クレジットカードを使うと節税にならないと聞きましたが本当?

質問日:2009/05/15
飲食業の店舗を6つ展開している株式会社です。クレジットカードでの売上も多いのですがクレジットカードを使うと税金が増えると聞きました。本当ですか?

クレジットカードの手数料があるので、払う消費税は増えます

回答日:2009/05/26


★クレジットカードの手数料

クレジットカードで代金を受け取った飲食店等のお店は、その代金の債権をクレジット会社に譲渡し、クレジット会社は消費者から代金を回収し、回収手数料を差し引いて一括してお店に支払います。 クレジット会社は購入した請求権の代金としてお店にお金を一定期間分まとめて支払うわけですが、この時、クレジット会社からは手数料を引かれて入金されます。 この、「債権買い取りにおける手数料」は消費税は非課税です。 (つまり、飲食店がクレジット会社に支払う回収手数料は、消費税の仕入税額控除はできないということですね)

★クレジットカードの年会費

クレジットカード年会費は、カード会社から様々なサービスを受けることの対価といえるので、消費税の対象取引です。(消費税はかかります) また、年会費には海外旅行保険の保険料も含まれているようですが(通常の保険料は非課税)、この契約はカード会社と保険会社との契約で、カード利用者と保険会社との直接の契約ではないので、年会費全額に消費税がかかることに変わりはないでしょう。

★クレジットカードからポイントをもらった!

クレジットカード会社からポイント還元という事で現金がキャッシュバックされた場合、消費税は不課税になります。 消費税課税取引の要件である「資産の譲渡、資産の貸付け又は役務の提供であること」を満たさないからですね。 何かの物を譲渡したわけでもなく、何らかのサービスをしたわけでもありません。だから「不課税」となるわけです。

★クレジット会社からの請求書について

クレジット会社を利用した消費者には「請求明細書」が送られてきますよね。消費税と関連して、是非知っておくべき事項を記述します。 クレジット会社からのの請求明細書には利用した相手先は記載されているが、内容までは書かれていません。つまり、この「請求明細書」は消費税法上の「請求書等」には該当しないということになるんです!もっというと、税務調査が来て、この明細を提出しても効果なし! 「飲食等に係る消費税」を仕入税額控除するための要件を満たさないことになるんです!これは大注意です! ●対策としては・・・・・  クレジットカード利用の際にお店が発行した「ご利用明細書」等がありますね。  これが消費税法の請求書等に該当します。  仕入税額控除するためには、この「ご利用明細書」等を保管しておく必要があります。  留意が必要です。   ●ちなみに・・・・・  クレジットカードで支払った3万円以上の領収書でも、カード利用と明記されていれば、印紙は不要ですよ。

甲子園球場・浜崎あゆみのチケットの消費税の扱いは?

質問日:2009/05/15
株式会社の経営者です。会社の経費で、阪神タイガースの甲子園チケット・スマップのコンサートチケットを買いました。この場合、消費税の扱いはどうなるのでしょうか?

商品券・ビール券と基本的発想は同じです!

回答日:2009/05/27


★チケットを会社で買った場合・・・

東京ドームの巨人戦、阪神甲子園球場の阪神タイガース戦、サッカー日本代表の試合、嵐や宇多田ひかるのコンサートチケット等、会社名義で購入する場合も結構あるかと思います。この場合の消費税の扱いはどうなるのでしょうか? ●基本的発想は商品券やビール券などの「物品切手」と同じです。 物品切手の消費税の扱いはこちらのページに詳しいです。 このときの結論は、買った時は非課税、売ったとき(消費したとき)に課税扱いでした。但し、贈答用にプレゼントするような場合は、消費してないので非課税のままフィニッシュになりましたね。 ●コンサート等のチケットの場合も同じ発想です。 自社(社外の人と一緒でも可)でそのコンサートを見た場合には、課税仕入れになります。 社外の人にプレゼントした場合には、非課税仕入れ、になります。 ●サービスの提供を受けているかどうかで判断します。(受けた時点で課税!) コンサートチケット購入時点では、サービスの提供を受けていないので、非課税です。 接待目的等で、第三者に贈答した場合は非課税が決定します。 逆に、従業員の福利厚生等の目的で自社で使用(消費)したら(つまりコンサートに行ったら) サービスの提供を受けたことになりますので課税仕入れとります。 (商品券ならこの券を使って何かを買ったとき、ビール券ならこの券でビールを買った時、 課税仕入れとなりますね) ●金券ショップ等のチケット業者で売ってる商品券チケット業者が商品券などが売っている場合も、商品券などの販売は非課税取引です。 購入者も当然に商品券購入時点では非課税取引で、実際に商品又はサービスの提供 を受けた時に仕入税額の控除を行うことになります。

消費税の具体的イメージがありません。概略を知りたいです!

質問日:2009/05/15
先月、株式会社を設立した者です。税金のことは全く無知で消費税も言葉ぐらいしか知りません。会社を運営していく上での簡単な消費税のポイントを教えてもらっていいですか?

消費税は奥深いですが、注意点はいくつかに絞れます

回答日:2009/05/30


★いつから消費税の課税事業者となるのか?

基準期間:前々事業年度の課税売上高が1000万円を超えていれば、『課税事業者』。 その課税期間について計算した消費税を納付しなければなりません。 例えば、事業年度(4月1日から3月31日)の会社で、 第16期(平成16年4月1日から17年3月31日)の課税売上高が1100万円、 第18期(平成18年4月1日から19年3月31日)の課税売上高が900万円とします。 当期は18期だったとします。 基準期間は第16期でその課税売上高が1000万円を超えていますので、第18期は課税事業者となります。 でも、第20期は免税事業者となりますね。 基準期間が1年未満の場合は、12ヶ月換算した課税売上高によって判断します。 また、基準期間が課税事業者であれば、基準期間の課税売上高を税抜きで判断します。 なお、課税売上高は損益計算書の「売上高」そのままというわけではありません。 「雑収入」などに課税資産の譲渡等が含まれている場合もありますし、損益計算書が税込で表示されている場合もありますし、売上高の中にも非課税分が含まれている等の 場合もあります。この場合は調整が必要になるからです。 ちなみに、「資本金1000万円以上の会社」は、基準期間がない第1事業年度から課税事業者となります。

★消費税はいつ納付するの?

法人の場合には「事業年度ごと」、個人事業者は暦年ごと」に納付します。 納付の期限は、法人の場合は「事業年度末日の翌日から2ヶ月以内」、個人事業者の場合は「暦年の翌日から3ヶ月以内」です。(納付期限までに申告書の提出の必要あり!) 一定の条件に該当する場合には中間申告がありますし、事業者の選択によっては事業年度や暦年の途中に納付することもできます(課税期間の短縮)。

★簡易課税って何だろう?

消費税の原則は、受取った消費税から実際に支払った消費税を差引いた額を納付します。 簡易課税とは、簡単に言うと、「支払った消費税」をみなし計算」する方法です。 (受け取った消費税に対する比率として「みなし仕入率」が業種毎に定められています)。 このみなし計算(簡易課税)が有利ならばこれを選択すべきですよね。 <ただし、条件があります> ●簡易課税が選択できるのは、  その「課税期間の基準期間」における課税売上高が5000万円以下の事業者に限られます。 ●簡易課税を選択するには、その「課税期間開始の前日」までに  「消費税簡易課税制度選択届出書」を税務署に提出しなければななりません。 ●一度、簡易課税を選択すれば2課税期間は簡易課税を選択しなければなりません。   ★簡易課税が有利となる場合って・・・  自宅で課税仕入が内容な事業をしている場合(WEBデザイン等)  簡易課税ならば、「みなし仕入率が50%(第5種サービス業)です。  ずーーと前に購入したビルを賃貸しているような場合も同様ですね。 ★簡易課税が不利となる場合って・・・  多額の設備投資をすることが確実な場合、実際に多額の消費税を支払うことになります。  みなし仕入率で計算した金額以上になる可能性が高くなります。  またデザイン業者が外注先を使っている場合、みなし仕入率は50%ですが、外注は消費税の課税対象なので、実際に支払った消費税の方が多い可能性が高くなりますね。

★消費税計算のキーポイント

消費税の計算は、はっきり言ってかなり細かいです。誤った処理を長期間続けて、 払わなくてもよかった消費税を納付していることが結構あります。よくやるミスは以下の通りです。 ●通勤手当を非課税処理。  給与関係は消費税の課税対象外なので、通勤手当も課税対象外としているケースです。  通勤手当は課税対象! ●印紙と切手を同時に購入した場合、全てを非課税処理。  印紙は非課税ですが、切手は課税対象(タイミングは注意!)ですね!

★消費税が還付されることもあります

多額の設備投資や業績不振の場合等では、消費税の還付の可能性があります。 ちなみに、基準期間の課税売上高が1000万円以下であっても、課税事業者になることができます!消費税が還付となりそうな場合には、「自主的に課税事業者となる」 ことも一手ですよ!

★事業の全てが非課税取引の場合って・・・

事業のすべてが非課税(例えば住宅貸付のみの法人)となる資産の譲渡等に該当する場合には、消費税自体を受け取っていませんね。この場合は課税事業者とはなりません。 事業の一部分が非課税資産の譲渡等であっても同じです。この場合は、支払った消費税のうち課税資産の譲渡等に対応する部分のみしか差し引くことができません!