子会社や別会社の設立は節税になる?
- トルコ料理店と羊肉貿易を行っている会社です。全く事業は異なるので別会社で管理したいのですがこれは節税にもなるのでしょうか?
節税目的での別会社はよくないですね
★子会社を作るのはなぜか?
●最近、節税指南の情報が世の中に溢れているため、実際の現場でも簡単に 子会社を設立して節税しようとするケースが目立っています。 そんなにお得なのでしょうか?? ●まず一番大事なのは、子会社を作る客観的必要性です。 勿論、税金対策目的での別会社設立は税務調査で根本から否認される場合も あったりしますので、まずは「なぜ別会社を作るのか」を明確にしましょう。 今は20万円程あれば簡単に株式会社が設立できる時代ですので、税務署も かなり細かく見てくるはずです。 ↓ ひとつの会社で全く異質の事業を展開しており、会社を分ける方が ビジネスメリットを享受できるような明確な理由があればいいですね。 ↓ 当然ですが、2つの会社にすると事業別の損益が区別されるので事業効率の アップにつながる可能性もあります。しかし、税理士報酬アップ等の管理コスト が上昇するリスクも含んでいます。 ↓ 両社間の取引がある場合、その金額の妥当性はかなりチェックされます。 社会常識に照らした妥当性が厳しく求められると思います。★別会社設立のメリット(資本金の小さい場合)
①消費税納税義務の免除(資本金1,000万円未満) 前々期が存在するまでは、消費税は免税です。 ②法人税率が低くなる可能性(資本金1億円未満) 法人税率は、課税所得が800万円超で30%、800万円以下で18%です。 つまり、両社で利益が出ているときは利益分散により低い税率適用が可能になります。 ③オーナー給与課税の適用(今後制度変更あり) 一定の同族会社の社長給与の一部が会社の経費にできない制度です。 ↓ 基準所得金額(前年以前の3年内の会社の所得金額+オーナーへの役員給与の平均額)が 年間1,600万円以下であれば対象にはなりません。 ↓ 会社を二つにすれば、1,600万円→3,200万円にできるということです。 ④交際費の損金計上計上可能額(資本金1億円未満) 1社ベースで600万円まで損金計上可能です。当然ですが、2社になればこの金額が 2倍になるわけです。 ⑤リスク分散 万一トラブルに会社が巻き込まれ損害を受けても、別会社への被害波及が防げます。 ⑥少額減価償却資産の取得価額の損金算入の特例(資本金1億円未満) 30万円未満の消耗品を一括経費計上できる制度ですが、1社あたり年間300万円までです。 2社になれば当然600万円まで可能額が膨らみます。 ⑦新会社へ役員や従業員を転籍させる手法 これにより元の会社で退職金を計上することができます。
決算前にやる節税対策の注意点!
- ipodやiphone等の卸会社を経営しています。利益がすごく出てしまって何とか節税したいのですが、決算直前での節税のテクニックはありますか?
節税する際の間違いやすいポイント!
★会社案内やパンフレットを作成する節税
●決算日現在で使用されずに残っていたら貯蔵品(資産)に振り替える必要が ありますね。 ●形として残っているものは、決算の際に貯蔵品勘定に振り替える ことを忘れるとヤラレます。 広告宣伝費の図書カードも、決算日までに得意先に配れず残ってしまうと それは貯蔵品勘定ですね。★社員旅行でお金を使って節税
●決算までに旅行に行ったという事実が必要です。決算日後に行く旅行の 未払いは認められません!★30万円のパソコンを買う節税
●支払が決算日までに行われていてもいなくても関係ありません。 納品が決算前であること及び決算前に使用開始したことの証明が必要ですね。★決算賞与・社会保険料で節税する!
●決算賞与は要件満たせばOKです。 大事なのは「決算月の翌月までに支給」あたりでしょうか。 ●社会保険料は前月分保険料を当月末に支払います。 ↓ 決算処理において「決算月の社会保険料」の会社負担分を未払計上できます。 ●決算賞与の社会保険料は未払計上できません。 ↓ 社会保険料は「支払月の末日で支払義務が確定」するので、賞与の場合は決算月の 翌月になって初めて義務が確定ですね。 つまり、支払った月でなければ、未払計上はできません!!
従業員のための保険は給料になる?
- ボーリング専門の小さい会社です。従業員のために労災的な保険に入りたいなと思っていますがこれは従業員にとっては給与として認定されますか?
小額保険料という概念もあります!
★一人当たり毎月300円以下になるかどうかがポイント
●毎月の保険料が「300円/人」以下であれば給与課税はない! ↓ 従業員のために保険に加入するとなると、給与課税の問題が生じますが、 月300円以下は小額保険料となるので、課税はないんですね。 ↓ 健康保険料、雇用保険料、厚生年金保険料など公的保険だけではなく、 民間の生命保険、損害保険に関する保険料でもOKです!★意外に使えます!
●小さな会社や肉体労働系の会社であれば、万が一に備えて、保険に入れて あげたいと思う経営者も少なからずいます。 でも、コストの面を考えて踏み込めていないケースも意外に多いです。 ↓ 月300円以下であれば負担も小さいですし、従業員への給料課税の問題に もなりません。 ↓ 民間の保険会社に、労災保険に近い性格の保険の見積もり依頼をして みて下さい。意外においしいこともあると思いますよ。 いずれにしても保険会社及び顧問税理士との綿密ね計画のもとに 加入すべき事項と思われます。