飲食店の税務調査では「まかない」の処理に要注意?

質問日:2009/07/12
タイ料理を提供している西宮の飲食店です。先日税務署が税務調査に来て、やたらと「まかない」の処理を指摘されました。社内消費の処理ができてないので追徴課税になったのですがいまいち意味が分かりません。どうして「まかない」の会計処理が必要なのですか?

飲食店の税務調査は「売上計上漏れ」と「まかない」がキー!

回答日:2009/07/19


★自家消費・社内消費・まかない。ほっておくととんでもないことに・・・・

現金商売である飲食店の税務調査といえば、何をチェックされると思いますか? 現金商売の場合は、現金で売上が入りますね。BtoBビジネスであればほとんどが預金入金となるので、そこに操作の余地はありません。 しかし現金であれば、その売上金をポケットに入れてしまえば簡単に売上金額を調整できたりするのですね。 ですので、現金商売の税務調査における王道は「売上計上漏れ」になります。 ところが、この売上計上漏れを調査で発見するのは結構難しい。事前連絡なしの調査で突撃して、現金実査あたりを行わなければ、ポケットに入った売上金を見つけるのはかなり難しいのです。

★自家消費・社内消費・まかないは「穴」です!要注意です!

もう一つの大きなポイントは「まかない」ですね。 「自家消費」「社内消費」「まかない」。 これらの処理は適切に行わなければなりません。そして、多くの飲食店が「まかない」の処理を行っていないのです。 「まかない」の材料はどうやって処理していますか? 普通のしっかりした飲食店ならば、「仕入」等で処理をしているはずです。 そして、「まかない」で消費した場合に、何も処理をしていないケースが多いのではないでしょうか? コレがポイントです。経費で計上してるのに、売上ゼロ!? これはおかしい。 一般販売価格での売上計上は必要ないとしても、その70%程度での売上計上は必須になります。現実として、多くの飲食店が税務調査でこの「自家消費」を指摘され、多額の修正申告を余儀なくされていますので注意が必要ですね。

税務調査に強弱はあるのですか??

質問日:2009/07/30
チョコレートの原材料を製造している中小メーカーです。先日税務調査が入りました。3箇所指摘されましたが、なぜか税務調査官は1箇所にこだわりました。なぜでしょうか?

税務署にとって美味しい指摘事項を重視します!

回答日:2009/08/10

★税務署にとっての重要性とは・・・・

税務調査では複数の問題が指摘され、交渉に入った際には重要性の原則が出てきます。重要性といっても、それは税務署にとっての重要性です。 でもこれは知っておくと便利です。 結論からいうとポイントは二つ。 ●複数の税金に関わる指摘事項は獲得したいのが税務調査です。 ●次期以降に影響されない永遠の指摘事項を獲得したいのが税務調査です。

★事例で見ていきましょう

①社長のプライベート飲食(会議費で処理)が役員賞与とみなされた! ②会議費が交際費とみなされた! ③当期に計上すべき売上が翌期になっていると指摘された! <結論> 結論からいうと、重要性の高さは①→②→③の順になります。 なぜなら、①は、法人税・源泉所得税・消費税をひっくり返せる可能性があります。 しかもひっくり返せたら永遠にそのままです。 ②は法人税の影響しかありませんが、ひっくり返せたら効果は永遠です。 ③は法人税の影響しかない上に、翌期に逆効果になります。 税務署としては①をゲットしたいのです。逆を言うと、会社は②、③よりも①を防ぐ交渉をしなければならないのですね。

相手先を明かせない交際費は40%の追加税金?

質問日:2009/07/30
ミサイルの部品を作っている神戸の中小メーカー。仕事上どうしても相手先をオープンにできない支出や接待があります。この場合、全額損金不算入+追加で40%の税金がかかりますか?

接待なのか支出なのかで大きな差になります!要注意!

回答日:2009/08/11


★相手先が明かせない交際費の実態!!

業務上、どうしても相手先が明かせない交際費が生じることがあります。業界にもよりますが、金額が大きくなってしまうケースも多いようですね。 この場合に、損金算入が全額できないとしても、これに加えてプラス40%の法人税負担というのは酷ですね。 相手先が明かせない場合の処理は大きく二つに分かれます。

★接待をしたのか、それとも、支出したのか、が大事です

●相手先が明かせない交際費のうち   ①500万円で先方を飲食接待した場合   ②500万円を先方に現金で支出した場合 ●この場合、取扱いに大きく差が出ます。  なぜなら②の場合のみ「使途秘匿金」になるからです。    ①の処理   単純に全額損金不算入です(交際費枠の余裕があっても)。    ②の処理   全額損金不算入だけではありません。さらに別途で「支出額の40%」の法人税が課せられます。 ●相手先が明かせないお金については、出来る限り「接待の事実」がある方がいいんです。税務調査で指摘されても、きちんと説明すれば問題ないと思われます。