個人事業主が家族に家賃払って経費にする事はできる?

質問日:2009/06/18
エステを営む個人事業主です。実家を事務所にしようと思って両親に家賃を払おうと考えています。この家賃を経費にすることって可能ですよね?

生計を一にする親族・家族間での取引には要注意!

回答日:2009/07/12


★生計を一にする親族への経費

「所得税」では生計を一にする親族へ支払う家賃等の支払は経費になりません。 <所得税法56条> 居住者と生計を一にする配偶者その他の親族がその居住者の営む不動産所得、事業所得 又は山林所得を生ずべき事業に従事したことその他の事由により 当該事業から対価の支払を受ける場合には、その対価に相当する金額は、 その居住者の当該事業に係る不動産所得の金額、事業所得の金額又は山林所得の金額 の計算上、必要経費に算入しない。

★親に払う家賃も経費にならない?

●例えば、両親と同居している方が、親名義の実家を借りて事業をした場合、  この家賃部分は経費計上できないことになります。  <注意!>  ①逆にいえば、生計が一でない場合=生計が別であれば大丈夫なんです。     ②当然ですが、個人事業主の場合は、自分の持ち家を使って事業をして   家賃計上はできません。同一人物の中で家賃が発生するのはどう考えても   理屈としては矛盾していますよね。    ●生計を一にする親族間においては  青色申告者の青色事業専従者給与だけが経費計上可能です!(税務署への届出が必要)  それ以外の経費はすべて損金計上ができないことになるんですね。

共働きの場合は子供の扶養控除は夫から???

  • 着物販売の会社に勤めています。夫婦共働きで子供が二人います。夫の方から子供の扶養控除を行っていますが、変更することはできるのでしょうか?

できます!所得の高い方から扶養控除した方がいいです!

    


★扶養控除を知っておきましょう!

●扶養控除  何にも考えずに夫の所得から子供を扶養控除しているケースが意外に多いです。  でもちょっと考えると節税ができたりします。 ●扶養控除できる範囲  ◆所得税、住民税の扶養控除の範囲はかなり広いです。   同一生計の親族(6親等内の血族および3親等内の姻族)で、その年分の所得が38万円   以下の人が控除の対象です。(但し、個人事業主の専従者は除かれます)    ◆同一生計は同居の必要はありません。   別居してても生活費や学費の送金が行われている等の事実があれば扶養控除可能です。   奥さんの祖父母に仕送りしていたら旦那さんから控除できたり、なんてことも。   意外な大穴です。     ◆当たり前ですが、重複して複数の人の扶養親族になることはできないので要注意です。  

★子供アリの夫婦共働きのケース

●よくあるケース  夫婦共働きで子供がいる場合、何も考えずに子供全員を夫の扶養に入れているケース  が本当に多いです。でもこれだと損していることがあります。   ●子供の扶養を夫婦で分散することを考える!  所得税は超過累進税率です。つまり収入が多くなると税率が高くなります。  ですので、ポイントは夫婦の所得が均等になるように控除対象を考えることです。  子供1人だと、単純に収入の多いほうの扶養に入れます。  子供2人だと、夫婦の収入が近づくように子供を分散して扶養に入れます。  これが節税のポイントですね。   ●この理論は色んなケースに適用されます。  例えば、親子三代の家で、父、本人、娘にそれぞれ所得がある場合、  「所得38万円以下の他の家族」は、この3人のうち、誰の扶養親族になってもOK。  節税するなら、最も所得の高い人の扶養控除になるべきですね。  


20万円以下のちょっとした収入は税務署に申告不要?

  • 漫画関係の出版社に勤めています。給料以外にちょっと収入がありました。20万円以下なら申告は不要なのでしょうか?

基本的には不要ですが同族会社関連等は要注意!

    

★20万円の原則

●サラリーマンの人で、給与以外の所得が20万円以下なら確定申告は不要です。  もう少し詳しく言うと、、、、    ◆1か所から給与を貰ってる人で、   給与所得及び退職所得以外の所得が20万円を超えない場合    ◆2か所以上から給与を貰ってる人で、   給与所得及び退職所得以外の所得が20万円を超えない場合

★しかし20万円以下でも申告が必要な場合もあります

●それは同族会社の役員、親族等の場合です。  以下のような事例の場合には20万円以下でも申告が必要になりますね。  <例>  ◆不動産を同族会社に貸して賃料収入がある  ◆同族会社にお金を貸付して、利子収入がある     ●同族会社の役員、親族の範囲に注意が必要です。  法人税法上の役員に加えて、役員の親族や親族だった人を含みます。  さらには、役員と内縁関係にある、あった人までも含みます。