社長!税務調査の流れって知ってますか?
- 牡丹鍋を主にする大阪の飲食店。先日税務署がいきなり来ました。税理士に連絡したけど電話に出ず、調べられてかなりの追徴税を要求されました。どうにかなりません?
知ってると得することが多いですよ!
★税務調査のスタート方法
●税務署が会社に電話をするところから始まります。 ↓ 顧問税理士がいる場合には税務署が税理士に電話するケースが多いです。 そして、税理士・会社間で日程調整して、それを税務署に連絡して決定。これが一般的な流れでしょうか。 ↓ 但し、事前告知なしでいきなり訪問のパターンも稀にあります。 現金商売の場合が多いです。いきなり来て現金の確認から行う場合ですね。この場合はまず顧問税理士に連絡しましょう。 「はいどうぞ。全部見て下さい」っていう税理士もいれば、「税理士の許可なく入るな。出直して来い!」っていう税理士もいるようです。 全ては交渉になる感じですね。★税務調査のスパンはどれぐらいか?
●よほどの狙いがない限り3年に1回以上の頻度で来ることはないと思います。 理由は簡単で、1回の調査で3年前まで遡ることができるからです。ただ、最近は5年、10年、税務調査が入っていないというケースも多々あるようです。 ↓ 前回の調査で指摘事項が多かった会社や修正申告額が大きかった会社の場合は頻度が高くなるケースもあります。これは単にもう1回行けばトレルと思ってのことかもしれませんね。★税務調査官は何人で来るか?
●会社の規模によるので何ともいえませんが、1人or2人のケースが多いでしょう。 情報関連の会社では取引フローを知っている人間ということで情報専門官という肩書きの人が加わったりします。 ↓ それほど会社の規模が大きくないのに3人超の調査官が来る場合は、結構本気です。何かを掴んでいる可能性がありますね。★税務調査の日数
●会社の規模にもよるので何ともいえませんが従業員が数名~数十名のいわゆる中小企業であれば2日が平均かと思います。 ↓ これを大幅に超えてくると、何かしらの問題を発見しそうな予感があるというケースが多いですね。 ↓ ちなみ大抵の調査官は朝10時頃来て夕方16時には帰ります。結構時間にルーズなイメージがあります。★税務調査はどうすれば終わりになるの?
●結論からいくと、税務調査官・税理士・会社の3社が納得すれば終わりですね。 ↓ 指摘事項がない場合は何もなく終わりです。 指摘事項があって修正申告する場合も、修正申告をすれば終わりです。 ↓ しかし、稀に税務署の指摘事項に大して会社や税理士が納得しない場合もあります。 このときズルズルいくと、税務署から更正を受ける場合があります。 要は、税務署が修正税額を一方的に決定して会社に払えと言う権限的なものです。 (更正になるケースはかなり稀だと思いますが・・・)
税務調査の結果に納得できない時はどうするの?
- 温泉旅館への備品卸を行う兵庫県神戸市の会社です。税務調査が入ってどうしても納得できない指摘事項が出てきました。どうしたらいいでしょうか?
可能な手続はあります!
★税務調査の結果に納得できないケース
●税務調査の結果に納得できない場合も稀にあったりします。この場合にも道はないわけではありません。 ただ、一つ注意すべき点は修正申告書に押印して提出しないことです。提出すると、指摘事項を認めたことになるからです。 ●税務調査に不服の場合の処置 ↓ ①税務署長に対して異議申し立てを行なう。 (もちろん修正申告書を提出してはダメです!) ↓ ②これでもダメなら国税不服審判所への不服申し立てを行います。 (不服申し立てをして納税者の主張が認められるのは5%~20%程度) ↓ ③これでもダメなら、裁判を起こします。 (費用・時間がかかります)★納税者は実際のところ、どこまでやるか?
●税務調査に不服があって、どこまで国とやり合うかというのは非常に微妙な問題です。心理的には命を懸けてでもやるべきと感じることも多々ありますが、実際の戦績は芳しくありません。理由は簡単で税務署の言い分が法律に沿って判断しているケースが多いからです。 ↓ 「どうしてもこれはおかしい」と思う以外のケースについては、負ける場合が多いという事実は認識すべきですね。 ↓ 税務調査でどこまで戦っても、売上には貢献しません。勝ったとしても持って行かれるものが持って行かれなかったという話であって、売上を獲得したとは次元が異なる話です。時間も相当使います。勿論労力もお金も使います。 ↓ これを意識した上で、どこで折り合うかという着地点だけは最初から持っておかれるべきだと思います。
粉飾決算したら税務署が来ないの?
- 宝塚市で豚骨ラーメン屋をやっています。銀行からの融資が絶対に必要なので粉飾決算気味になっています。この場合は税務署が来ても税金はとりにくいと思うのですが、それでも税務署は調査に来るのでしょうか?
一般的に来る可能性は低くなります!
★粉飾決算と中小企業
●粉飾決算といえば大企業だったのは今や昔。 最近は中小企業でも粉飾決算は結構実在したりします。その理由は至って簡単。銀行からの融資を引っ張るためには、決算書をよく見せる必要があるということ。 少々の税金を払ったとしても、融資が止められるよりはマシということですね。 ●粉飾決算の会社には税務調査が入らない傾向があります。これは今でも続いています。 理由は簡単で、法人税の追徴課税を引き出すことが難しいから。もし粉飾をしている会社に調査が入るとしたら、それは消費税狙いということが考えられます。★中小企業の粉飾決算の見抜き方
●中小企業の粉飾決算において見極めるポイント例として以下の事項が挙げられます。 これらに当てはまっている会社は粉飾率が高くなっています。 □固定資産税を払っているのに減価償却費ゼロ。 □毎年少ないけれど法人税を払っている。 □役員報酬額が比較的小さい。 □役員から借入金がある。 ●粉飾を後で後悔する例もあります。 粉飾決算をやっちまった後で修正したくなる場合もあるようです。この場合は、法人税等の還付に繋がります。 ↓ 申告期限から1年以内の場合、更正の請求と確定申告書の2つを提出。 1年以上経過している場合は、更正の請求は無理です。但し5年以内の場合は、税務署長へ嘆願を行うことになります。 ↓ 単純な税金還付には繋がらない場合が多いです。 あくまで決算書の虚偽記載を行っていることになるので、過料処分等の罰則が課せられる可能性も含んでおかなくてはダメです。