医療費のお知らせは領収書の代替になる?

  • カツ丼をスーパーに卸している個人事業主です。医療費控除の際に毎年郵送されてくる「医療費のお知らせ」を領収書代わりにできますでしょうか?

なりません!医療費控除には領収書が必要!

    

★組合が発行する「医療費のお知らせ」が領収書の代わり?

●通常、定期的に組合から「医療費のお知らせ」が郵送されてきますが、  これは領収書の代替にはなりません。  つまり、これを添付書類としてはダメです。  ↓  領収書を紛失したら再発行してもらうしかありませんね。  それがダメなら税務署に相談するしか方法はないと思われます。  

★海外駐在中の医療費

●医療費控除は、居住者が、自己又は自己と生計を一にする配偶者その他の親族  に係る医療費を支払った場合に、所得額から控除できる制度です。  ↓  つまり海外駐在中=非居住者が、日本に住む子供の医療費を払っていたとしても、  非居住者である以上、医療費控除対象になりません。  ↓  海外旅行の場合は医療費控除OKです。なぜなら、居住者のままだからです。  支払額は支払日の外国為替の電信売相場(TTS)によって円換算します。    

★借金をして医療費を払った場合

●多額の入院代(100万円)がかかりましたが自己資金では払えず、5年ローン  で借入をした場合。  ↓  医療機関に100万円を払った時点で医療費控除OKです。  借入機関への返済のタイミングがいつになっても関係ありません。  他人(個人)から借りたお金であっても同じ発想です。  「いつ病院に支払ったか」のポイントだけです。

★去年の医療費

●去年支払った医療費は今年の控除対象にすることはできません。  ↓  逆に言うと、病院には去年行っていたけれど、支払いが今年であれば  今年の医療費控除対象OKです!  

★消費税も請求されているけれど・・・

●領収書に消費税が記載されている場合、消費税額も医療費控除対象です。  ↓  各年毎にその年に払った医療費の全額が対象となります。  (もちろん、消費税も含みます)  

医療費をローンや分割で払う場合はどうなる?

  • ビスケットやマーガリンを加工する専門の個人事業主です。今年は病院代が高くなりローンや分割を利用しました。どうなるんでしょうか?

各々で扱いが異なるので要注意!

    

★医療費を分割で支払った場合

●単純な分割払いの場合は今年支払った分だけが控除対象です。  ↓  いわゆる支払日基準ということですね。  ↓  「100万円の治療費がかかって、今年中になんとか20万円払いました」  というような場合は、20万円だけが対象になります。    

★医療費をローンで支払った場合

●ローン払いの場合は治療費全額が医療費控除対象になります。  ↓  少しずつ返済するという意味では上記と同じですが全く扱いは異なります。  ↓  信販会社は病院に対して全額を支払い、患者から分割で入金を得ています。  つまり、病院はもう治療費全額をもらってるんですね。  支払基準で考えると、病院への支払いは完了しているので控除対象です。  ↓  カードやローンの場合では病院が領収書をくれないケースもあります。  この場合は、信販会社との契約書等の添付は必要でしょう。  ↓  ちなみに、利息部分は医療費ではないので控除対象外です!  

★車に乗って病院に行った場合のガソリン代や駐車場代

●医療費控除対象外と考えるべきです。  ↓  病院等へ収容されるための人的役務の提供の対価は、  一般的水準(公共交通機関)内で認められています。  ↓  これは結構注意です。

★非居住者の医療費の扱い!!

●1年以上海外駐在している人は「非居住者」になりますね。  海外滞在中に病院に行った場合には医療費控除対象にはなりません。  (非居住者ですので)  ↓  しかし、海外で病院に行ったものの、日本に帰国した後(居住者になった後)に  日本から支払いを行ったような場合は医療費控除対象になります。  非居住者期間の医療費ですが支払った時は居住者という場合ですね。  (支払額=支払日の外国為替の電信売相場、つまりTTS)

離婚して実家に戻った場合の医療費控除って?

  • 壁紙張替えの会社に勤めている30代女性です。先日離婚して実家に戻り父親に面倒を見てもらってます。父親が払ってくれた医療費は父親の医療費控除にできますか?

支払時に生計を一にしているかどうかです!

    

★生計を一にしていない親族の場合の医療費負担

●例えば、男兄弟二人いて両親は兄家族と同居して兄が養っているとしましょう。  弟は別で家庭を築いている場合には、弟は両親の医療費をいくらか  負担していたとしても、控除対象にはなりません。  ↓  自己or自己と生計を一にする配偶者その他の親族に係る医療費  の場合のみです。この場合は生計を一にしていないので無理ですね。  (医療費支出のタイミングで生計を一にしているかどうかが検討材料です)  ↓  同じようなケースとしては出産の場合があげられます。  女性は出産前によく実家に戻りますが、女性の両親が医療費を払ったと  しても両親の医療費控除の対象にはなりません。  女性はあくまでも、受診時には、女性の旦那さんと生計を一にしている  わけで、両親とは生計を一にしているとはいえないですからね。  ↓  最近多いケースとして離婚があります。  例えば、旦那さんと離婚して7月に奥さんが実家に戻って奥さんの両親と  住み始めたようなケース。  奥さんは仕事をしばらくしてなくて両親に養ってもらってるような場合だと  両親と娘である奥さんは生計を一にしています。  この期間に女性の医療費をお父さんが払ったような場合には医療費控除対象です。  しかし、離婚前は旦那さんと生計を一にしているので、この時にお父さんが  支払った医療費は無理です。

★青色専従者のための医療費負担は?

●夫婦で営む個人事業で奥さんやお子さんを事業専従者とするのはかなり多いです。  でもみんな家族なので、奥さんやお子さんの医療費を旦那さんが負担するのも  まあよくある話です。  ↓  事業専従者であっても、医療費控除に問題はありません!  自己or自己と生計を一にする配偶者その他の親族に係る医療費を支払った場合  であればOKです!  

★死んだ母親の医療費が後で請求された!

●生計を一にしていた母親の死亡後に医療費が請求されるケースもあります。  相続人であるお子さんがその医療費を払った場合。  ↓  勿論、お子さんが母親のために払った医療費はお子さんの医療費控除OK!