この記事を要約すると・・・・
- 平均課税という税金対策方法
- 会社から貰う給与系は全て課税対象なのか?
- 新入社員を雇ったらすべきこと
こんにちは、神戸の税理士の佐藤です。
今回は「平均課税というすごい制度があるらしいけど・・・」「慶弔費や学資金も所得税対象?」「従業員雇用時にやるべきことは?」という経営者向けに書いてみました。しっかり読めば、平均課税によって節税が出来ますし、従業員のために非課税枠を利用できますし、新規雇用時の所得税・社会保険・雇用保険の手続方法が分かります。
今年はすごい収入増。税金対策はありますか?
- 京都で美容室をしてますが今年はすごい収入増加になりました。このままでは税金が・・・・。何とかなりませんでしょうか?
平均課税という税金対策があります!使えます!
★ある年に急に増える収入がある場合
ある年だけ一気に収入が増える場合って結構ありますね。 印税や著作権料などが絡む作家やライター、ミュージシャンという職業もそうです。 プロ野球選手の契約金もそうですし、不動産売却に係る収入等もこれに当たるでしょう。 前年より急に所得が増えたり、収入の変動が激しい職種の人は、 所得税の税率を単純に適用すると、税負担が大きくなります。 これは所得税が、超過累進税率(所得が多くなるにつれて税率が段階的に高くなる)を 適用してるためです。 これを防ぐための手段が「平均課税」です。 変動所得が一定の条件を満たす場合には検討してもいいと思います。★平均課税とは何なんだ!?
●平均課税の適用条件 ①変動部分の所得が、その年の総所得の20%以上であること。 ②過去2年間に変動所得がある場合は、2年間の変動所得を合計して2で割り、 その額よりも「その年の変動所得」が多いこと。 ●平均課税のメリット 変動所得の部分を5年間で受け取ったとみなして税金計算をします。 変動所得の金額を5で割り、1/5の額へ通常の税率で計算するので税金を少なくできます。 ●手続方法 平均課税を選択する場合は、確定申告書に「変動所得・臨時所得の平均課税の計算書」 を添付します。 ●注意点!! 事業所得の内、変動所得以外の収入がある場合、経費を所得毎に分けなければなりません。 明確に分けられない場合、適切な基準で按分します。 青色申告の場合は、控除額も「所得の金額比率」で按分します。 ちょっとメンドクサイですね。
給料の中で非課税なモノってありますか?
- 姫路市で訪問介護の会社に勤めています。給料の中で通勤手当は税金がかからないと知っているのですが、他にも税金がかからないモノってありますか?
いくつかあります!覚えておくと節税になります!
★給料から源泉所得税がひかれますが・・・
給料から源泉所得税が課税されることはご存知ですよね。 そのなかには課税されない性質のモノがあります。★技能習得費=非課税です!
●技術習得費用 職務に直接必要な技術や知識の習得費用、免許等の取得のための研修会出席費用 等の費用をいいます。★学資金=非課税です!
非課税給与として学資金について考えてみましょう。 使用者が、使用人に対して学校の修学費用に充てるものとして支給する費用 (使用者はダメ!個人事業主の親族のみを対象とする場合もダメ!)★慶弔費=非課税です!
●慶弔費 葬祭料、香典、災害見舞金及び結婚出産祝金等 但し、社会通念上相当と認められるものに限られます。 ちなみに我々、神戸税理士事務所も利用しています。★宿直,宿日の手当=非課税です!
●宿直日当 正規の勤務時間外の勤務の場合等で支払われる費用。 1回の宿直で4,000円までは非課税です。 (但し食事支給がある場合は、4,000円から食事代が控除されます) その他、通勤手当、旅費日当等にも非課税部分がありますね。
従業員を雇った!どんな書類と手続が必要?
- 神戸で美容院をしています。この度初めて従業員を雇うことになりました。どんな書類が必要になるのでしょうか?
新入社員か中途採用かによって処理は異なります!
★新入社員を雇う場合
●最初に給料を払う前日までに「扶養控除等申告書」を提出してもらいます。 この申告書があれば、源泉徴収税額表の「甲欄」を使うことができます。 2社で勤務している場合はどちらの会社に「扶養控除等申告書」を提出する かについては、従業員が自ら決める必要があります。 一般的には所得が大きい方に「扶養控除等申告書」を提出します。 「扶養控除等申告書」を提出することで毎月の税額を圧縮できるためです。 2社給与の場合の決定権は会社にはないので注意が必要です。 ●新入社員の住民税は翌年5月まではかかりません(前年所得がゼロなので)。 ●社会保険について 加入月の翌月給与から社会保険料を控除するのが一般的。 (4月入社なら4月末日に在籍している事実で、社会保険料負担が確定するため)★中途採用で雇う場合
●「扶養控除等申告書」に加えて、前の職場で交付された「源泉徴収票」を 提出してもらいましょう。 「源泉徴収票」は今年の年末調整に織り込むために必要です。 ●住民税を直接本人が市区町村へ納付していれば、新卒者同様、来年5月までは 給料から控除される住民税はゼロになります。 前の会社で給与から控除していた住民税の控除をそのまま引継ぐ場合、 前の会社で「給与所得者異動届出書」を作成してもらい、その後新会社で 手続が必要になります。