このページをまとめると・・・・

  • 税務署への嘆願書の意味とは?
  • 税務署から税務調査の事前連絡があった場合の対応
  • 税務署が前触れなく調査に来た場合の対応
  • 税務調査のターゲットになりやすい会社

こんにちは、姫路の税理士の佐藤です。
今回は「税務署へ嘆願書を出したいけどどんな形式で出すの?」「税務署から税務調査の事前連絡があった場合にどう動けばいいの?」「いきなり税務署が調査に来たらどう動けばいいの?」という人向けに書いてみました。しっかり読めば、予告あり税務調査や予告なし税務調査に慌てることがなくなります。

嘆願書ってご存知ですか?

大阪駅近くで居酒屋を営んでいます。申告後3年経過してから税金を払い過ぎていることに気づきました税務署からは嘆願書を提出せよといわれていますがこれって一体何なんでしょう??

法的に定められた書類ではありません!

━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ ★嘆願書の概要についての説明 ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

更正の請求は申告期限から1年以内に行わなければなりません。 ↓ しかし、場合によっては1年を経過してからの還付請求を行おうとする場合も実は結構あったりします。 ↓ このときに、法律で定められているわけではないけれども、更正の嘆願書というもの提出するのが暗黙のルールになっています。 ↓ つまり、この嘆願書なるものはあくまでこちら側からの要望に過ぎません。法的な拘束力は一切ないんですね。 ↓ ということは当然に決まった様式があるわけでもありません。

━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ ★嘆願書に効果はあるのか? ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

●上記で分かる通り、嘆願書を提出しても税務署側で減額更正を行ってくれるという保証は何もありません。  ↓  しかし!!  ↓  税務署の実務上の扱いは、「嘆願書」=「更正の請求」とみなしています。  要望にもかかわらず、更正の請求とみなしてくれているということは税務署側も減額更正として処理してくれるのです。 ●とはいえ、更正の請求でもそうですが、税務署内審査があります。嘆願書であっても、「税額減額の正当な理由」があれば職権更正をしてもらえるということですね!!  

税務署から税務調査の連絡が入ったら・・・?

姫路で中華料理屋を営んでいます。先日税務署から税務調査に行くよという連絡がありました。焦ってしまったのですが、どうすればよかったのでしょうか?

必要事項のヒアリングを行いましょう

━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ ★税務調査は2種類あります ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

●税務調査には任意調査と、抜き打ちで行われる強制調査があります。  ほとんどは任意調査なので、事前に税務署からの連絡があるケースが大多数。   ●税務署から事前に電話があります。  「○月○日に税務調査に行きたいのですが、お時間は大丈夫ですか?」というような内容になります。   ●こういう電話で、「分かりました。お願いします。」と答えることだけはNG! ●強制捜査に関しては、何らかの疑わしき証拠を抑えているケースも考えられます。  この場合でもまずは「帰ってください」で言い通すしかないでしょう。

━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ ★まずは税理士への確認が先です! ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

●以下の3点を抑えにかかります。  ①調査予定日  ②調査官の所属部門  ③調査官の氏名 ●そして「顧問税理士に確認して折り返し連絡します」と答えます。  会社と顧問税理士の都合がつく日程を税務署に連絡します。   ●これは日程調整だけの意味合いではありません。  この行為によって日程に余裕が生まれるので、その間での対策も可能です。 ●最低でも2週間程度は感覚を空け、その間に顧問税理士と綿密な打ち合わせを  することが望ましいです。

予告のない税務調査への対応方法は?

神戸市でスナックを営んでいます。先般、いきなり税務調査に入られました。これは拒否できないものなのでしょうか?

なぜ予告がないのかを確かめましょう!

━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ ★無予告調査が可能なケース ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

●時折、聞きます。予告なしの税務調査。  このときに税務署にクレームを入れて調査日程を後ろにズラせるのでしょうか?   ●無予告調査は以下の2要件を満たしている場合に限って行ってもいいものです。  ①無予告でないと、事実の把握が困難と想定される場合  ②事前通知をすれば、調査妨害や帳簿書類の破棄・隠蔽等が予想される場合

━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ ★無予告調査への対応 ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

●ということは、無予告調査の不当性を主張する場合、  まずは上記2要件を満たしているか否かを確認する必要があります。  ↓  満たしていないのであれば、「事前通知をしてくれ」と抗弁できるでしょう。  それでもひかない場合は、(国家公務員法82条に基づき、統括官が訓令違反として懲戒処分を受ける可能性があるので)もっと強気になってもいいと思います。 ●税理士法第33の2条における書面添付をしている場合は更なる手段があります。  ↓  この場合は、情報公開法に基づき無予告調査の理由の開示を求めることが可能です。    

税務調査を実施されやすい会社とは?

大阪の美容系メーカーです。税務調査に入られやすい会社の特徴はあるのでしょうか?

一般的にはあると言われています。

━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ ★税務調査のマメ情報 ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

●税務署は7月に人事異動があり20%~30%が異動されます。 ●税務調査は3~5月、8~12月の実施が多いです。 ●税務調査は3年~5年に1回が一般的。毎年税務調査が入る会社もあります。 ●税務署は法人を3つに分解します。  良好法人、中間法人、要調査法人の3つです。当然要調査法人は調査頻度が高くなります。 ●一般的には設立後3期目までは税務調査はなく4期目以降に実施されます。 ●姫路の税務署でも傾向は同じと考えていいでしょう。

━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ ★税務調査の対象になりやすい法人 ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

●黒字の会社 ●急成長した会社 ●現金取引のある会社 ●経営者等の身内との取引が多い会社 ●経営者個人口座の動きが怪しい会社 ●決算書分析で異常値や大幅変動が見られる会社 ●同業比較で異常値が見受けられる会社 →特に中小企業で多いのが経営者及び同族関係者との取引の多さです。  経営者が自由に操ることができるような会社があって、そこが取引対象として頻繁に登場するようでは、調査対象になりやすいでしょう。 →売上や利益が大きく伸びている企業も調査対象になりやすいです。  単純に規模が膨らめばミスも増えますし、税金を払う体力も増えます。 →そう考えると、やはりとりやすい会社から税金を取るという考え方をしていてもいいのかもしれませんね。