退職する人が有給を使い切るのは合法ですか?
質問日:2009/08/29
コスタリカ語学校を運営している会社を経営しています。最近スタッフがよく辞める のですが、みんな有給休暇を消化しきって辞めていきます。何とかなりませんか?
原則論として有給休暇は従業員の権利だということ!
回答日:2009/09/07
★有給休暇は従業員の権利です
退職を申し出た従業員が、退職までの間に残っている有給休暇を すべて利用するというのは実務では非常に多いですね。 経営者の立場からすると、会社に貢献しない人間のために、 給料を支払うのはやるせなさが残ります。★業務引継ぎは従業員の義務です
退職する人は自らの業務の引継ぎを行わなければなりません。 これは退職する従業員の義務になります。 つまり、有効な引継ぎを行わずに有給休暇の取得を行うことは 義務を果たさずに権利だけを行使していることになります。 ココが会社と従業員の折衝のポイントになります。★実務で多い有給休暇の買い上げ
有給休暇を買い上げることは、原則として認められていません。 しかし退職時に残りの有給休暇を買い上げるのは、例外的に認められています。 有給休暇の買い上げを行っている会社も実務的には多いです。 一つの現実的な対応になるのかもしれません。
産休、育児休業を予定してますが社会保険はどうなる?
質問日:2009/09/02
ベランダ改装の会社に勤めるOLです。もうすぐ産休と育児休業を予定しています。 給料はなくなるのですが、社会保険料は払わなければなりませんか?
社会保険は産休でも払う義務があります!
回答日:2009/09/11
★女性の産休について
労働者は、出産前に6週間、出産後に8週間の休業を取得できます。 実務的には、この間の賃金は無給としている会社が多いですね。★女性の産休の間の社会保険料
産休の間も社会保険料は発生します。 つまり、会社も従業員にも保険料の負担が生じるわけです。 ●社会保険料額は出産前の社会保険料がそのまま適用されます。 ●とはいえ、産休時は給料が発生しないので会社が一時的に立て替えます。 そして、出産手当金(賃金額の2/3)が健康保険から支給されるので、この 手当金との精算となりますね。★女性の育児休業について
1歳未満の子を養育する場合、育児休業を取得できます(育児介護休業法)。 最近は、産後休業から引き続いて1年間の育児休業を取得する人が多いですね。★育児休業の間の社会保険料
●雇用保険 雇用継続給付として休業前の賃金の50%が支給されます。 また、育児休業期間中の賃金を無給とする場合雇用保険料はゼロです。 ●健康保険、厚生年金 ◆原則は、賃金の有無に関わらず支払わなければなりません。 ◆しかし、申請により健康保険料・厚生年金保険料を免除にできます。 免除なので、健康保険からの給付は問題なく受けられます。 年金も休業前の標準報酬月額で積立ていることになります。 つまり、賃金は従前の50%(雇用継続給付)になって社会保険料がゼロになる そんなイメージです。 この場合には、雇用保険と社会保険の両方で手続が必要なので要注意!★育児休業後の社会保険料
●育児休業後の仕事復帰に際して、正社員からパート社員等になる場合 労働条件が変わるので賃金額も変わるのが普通です。 この場合、復帰した日が属する月から3ヶ月間の賃金の総額を平均して、 保険料を算定します。(変更後の保険料の徴収は、4ヵ月後からですね)
妻の健康保険料を考えると厚生年金がお得?
質問日:2009/09/02
輪ゴム製造の個人事業主です。夫婦で国民年金に加入していますが、 厚生年金だとかなりお得だと聞きました。本当でしょうか?
第三号被保険者制度を考えると厚生年金がお得!
回答日:2009/09/13
★厚生年金と国民年金について
厚生年金の加入にはメリット(特典)が多いです。 低所得で保険料が国民年金とあまり変わらない場合でも 特典は一杯あるんです! (特典については別ページで詳しく説明しています) だから、国民年金ではなく厚生年金の方が良いわけです!★配偶者がいると厚生年金が断然オトク!!
●厚生年金加入者の配偶者は、収入が年間130万円未満の場合、 国民年金保険料を払わなくても、国民年金に加入したものと扱われます。 (いわゆる第三号被保険者制度) ●上述した分厚い特典に加えて、 「配偶者が国民年金保険料を払わなくても国民年金に加入できる」 というビッグな特典もついてきます! 例えば、自営業者で国民年金に夫婦で加入している場合、各々が 第1号被保険者として2人で合計3万円程度を支払う必要があります。 しかし、夫がサラリーマンで妻が専業主婦のような場合、 厚生年金で保険料15,000円程度(最低報酬ランク)で、 夫婦2人分の国民年金のリターンが得られてしまうのです。
会社からの転勤命令は拒否できるのでしょうか?
- ドーナツ製造の中小企業の社長です。先日転勤命令を出した社員に拒否されました。こういう場合ってどうすればいいのですか?
ケースバイケースですが、きっちりルール作りが必要です
★転勤命令拒否理由は個別事情!?
従業員に転勤命令を出したら断られるケースが多いようです。 「両親が病気がちなので・・・・」 「婚約者がいるので・・・・・・」 色んな理由で拒否する場合があります。 しかしです、個別の事情を考えていると際限がありません。 全ての従業員がこんなことを言い出すと会社運営がガタガタになりますね。★転勤がある会社はしっかりルールを!
●原則 会社の裁量で社員に「いつ、誰を、どこで」勤務させるかを決定できます。 しかし、裁量の範囲を超えてはダメです。そのためのルール作りが必要です。 ●就業規則に記載があること 転勤命令の事実について、就業規則に記載は絶対に必要です。 これが全ての土台になります。 ●就業規則だけでは足りません! ①業務上の必要性がない場合はダメ! ②従業員の生活費が増えること等を考慮していない場合もダメ! (引越しが必要なのに社宅や引越し費用、家賃補助を用意しない等) ③動機が不当な場合もダメ! (明らかに辞職を促すための転勤等) ●雇用契約書の記載事項も大事になります! 雇用契約書上で、仕事の内容や勤務場所が限定されているような場合、 転勤命令を出しても無効になります(雇用契約書が優先されます) ●従業員の個別事情も考慮すべきです! 明確な規定はありませんが、従前の判例では、 「家族の病気の介護を考慮すれば転勤命令は無効」といったケースもあります。 つまり、個別事情も考慮する必要があるのです。 ◆個別事情の考慮ポイント例 ①代替できる他の従業員はいるのかどうか ②転勤になると家族の介護にどんな影響があるのか ③介護民間サービスを会社負担で代替可能かどうか ●上記を全て考慮した上で転勤命令を発する必要があります。 特に個別事情の検証は明確な基準があるわけではないので、 従業員との誠実な交渉が必須になりますね。 裁判になってしまうと、どっちに転ぶか分からないテーマに コストも時間もかかってしまいます。