観光客の増加と共に、テレビや報道機関でも民泊やAirBnBという言葉がクローズアップされるようになってきました。しかし同時にこの民泊のシステムの問題点や税金についても、繰り返し問題提起されてきています。
特に民泊経営を考えておられる方は、こうした情報に精通しておかれることをお勧めします。
民泊・AirBnBとはどのようなシステムなのか
観光客が年々増えてきているために、日本では宿泊施設不足が問題になってきました。
また宿泊施設が足りないために、ビジネスホテルなどの価格も高騰しており、時期によっては高級ホテルの価格を大きく超えるという状況まで生じてきています。
そのためさらなる宿泊施設として、民泊やAirBnBが注目されてきています。
AirBnBとは大手の民泊仲介サイトの事で、海外からやってくる外国人などに民泊できる場所を紹介しています。
このサイトに登録することで、誰でも比較的気軽に民泊を始めることができます。
そもそも民泊は、自分のマンションや自宅を他人に宿泊施設として貸すシステムです。
時には、マンション全体を貸すこともありますし、家の一部のみを宿泊客に貸し出すという場合もあります。
いずれにしてもホテルや旅館業を行っていない個人が、宿泊施設を貸し出し、そこに宿泊客が宿泊することを民泊といいます。
AirBnBでの民泊での収入は確定申告が必要なのか
民泊を専業として行っているのであれば、当然その収入を申告しなければなりません。
しかし問題になるのが、実際に民泊を行っている方の多くが会社員として給料をもらっている方です。
つまり民泊を副業として行なっており、本業は別にあるということです。
その場合の収入を申告するべきなのかどうかという事ですが、これは民泊かどうかの問題ではありません。
副業をして20万円以上の収入があれば、必ず確定申告をしなければならないと法律で定められています。
ですから民泊を副業で行ない、経費を除いた収入が20万円を超えているのであれば、確定申告の時期に申告を行わなければ脱税ということです。
申告の現状
業者同士のビジネスであれば、支払った側も申告を行うため、収入があった側の記録も税務署は特定しやすくなります。
しかし民泊では、支払いをした宿泊客側の出費の記録が税務署に届く事はなく、税務署が把握しづらい状況にあります。
近年では無申告で民泊を行っている方に対し、旅館業法違反という判決が下されることも増えてきましたが、まだまだ民泊を無申告で行っている方も多くいます。
そのため自己申告で確定申告を行わない限り、税務署は民泊を行っている場所を特定できません。
本来は旅館業法第3条の許可を取る必要がありますが、民泊を行っている方の4割は無申告で、民泊を副業で行っている状態と言われています。
長い間民泊はグレーゾーンとして、税務署や国税局は手を出してきませんでしたが、近年この流れは大きく変化しています。
民泊営業者への国税局の対応
民泊を行う方の増加と、AirBnBの普及という状況を鑑みて、税務署や国税局も確定申告を行なわない民泊業者への取締を強化しています。
特に外国人旅行者の多い京都などの都市においては、この取締は非常に強化されています。
大手の新聞でも取り上げられていたように、時に国税局や税務署の職員は外国人旅行客の跡を付いて行き、宿泊している民泊先を特定しようとさえしています。
さらに時には、民泊を行っているであろうマンションのオートロックの前で、いわば張り込みをして外国人の出入りを監視するというケースまで出てきています。
税務署や国税局が張り込みのために人員を割いているという事実は、確定申告をおこなっていない方への警告ともなっています。
すでに税務署はそれほど本腰を入れて、民泊に対して取締を行うようになっている事を覚えておきましょう。
平成30年には住宅宿泊事業法、いわゆる民泊新法が施行され、この時期に無申告民泊営業の方、確定申告を行わない方への取締はいっそう厳しくなるでしょう。
そして、本家本元のAirBnBにも徹底した調査が入るでしょう。そうなれば民泊で利益を得ている人が漏れなくピックアップできます。この動きはますます加速していくでしょう。
このように民泊を無申告で行っている方は、まだまだたくさんいます。
しかし確定申告を行っていない民泊業者への税務署の対応は、非常に厳しくなってきているのも事実です。
ですから民泊が、このままグレーゾーンとして処理されないままでいくことはありえないでしょう。
仮に今民泊を行っているのであれば、無申告で行わないこと、20万円以上の収入になっているなら確定申告を行うようにしましょう。