「簿記三級の資格を取りたくて、おすすめの勉強方法を知りたい」
「独学でもいけるのか心配。時間がない人でも受かる勉強方法はある?」
こんな悩みを解消します。
簿記三級は人気の高い資格の1つで、ビジネスを始めとした様々な場面で活かせるスキルなので取得したいのに、会計の勉強は難しそうですよね。
しかし、簿記三級はやる気さえあれば短時間の勉強で合格できる資格です。
本記事を読み終えれば、独学でもできる簿記の効率の良い勉強方法や、合格するためにやってはいけないことなどを理解できて、合格までの道のりが近くなります。
※本記事の簿記三級は、「日商簿記三級」を指します。
簿記三級に合格するための4ステップ
簿記三級の勉強するときの具体的な方法を解説します。
できるだけ効率を重視した勉強法なので、早く資格を取得したい方はぜひ参考にしてください。
具体的な方法は下記のとおりです。
- 教材や道具を準備
- 教材を一通り学習
- 過去問や模試試験をひたすら解く
- 試験前日は復習のみをする
1つずつ解説していきます。
教材や道具を準備
まずは教材を準備しないと、勉強が始まりません。
教材は特にこれといった物はなく、どれでも大丈夫だと思いますが、失敗しない教材を選びたいならこちらが安心です。
- よくわかる簿記シリーズ(TAC公式教材)
- みんなが欲しかった!簿記の教科書
- スッキリわかる日商簿記三級
上記3つの教材の中から、自分に合った教材を選ぶのが良いかと思います。
ただ、1つ注意点ですが、教材を何冊も購入するのはおすすめしません。
なぜなら、様々な教材を購入していたら一冊一冊を勉強しなければいけないため、勉強効率が下がります。
複数の教材を購入しても、簿記の試験に必要な本質的な知識はどれを勝手も一緒なので、わざわざお金をかけて複数購入する必要はありません。
自分に合う教材を一冊購入し、それを徹底的にやりこみましょう。
教材選びが終わったら、過去問や模試試験の問題集も準備します。
また、教材以外にも、簿記は普通の勉強とは違って電卓が必要です。
電卓は小型の物もありますが、万が一試験の問題で桁が大きい問題が出た時、電卓の桁が足りなくて計算できない可能性があります。
トラブルを防ぐためにも、少し値は張りますが、最低でも8桁まで計算できる電卓を用意しておくと安全です。
教材を一通り学習
教材や道具を揃えたら、教材に沿って一通り学習を進みていきましょう。
簿記も他の勉強と同じで、特に変わった勉強法などもないので、ひたすらコツコツと積み上げていくのが1番の近道です。
教材勉強する上で気を付けたいのは、簿記の基礎部分をおろそかにしないことです。
簿記は土台が理解できていないと、応用した問題が出題されたときにすべて崩れてしまいます。
特に簿記三級の最難関である「貸借対照表」や「損益計算書」などは土台となる知識がないとまったく表が進みません。
基礎を抑えつつ、ゆっくりでもいいので確実に進みましょう。
また、簿記は解説を見るだけでは覚えられませんから、必ず基礎学習をしたら付属で付いている基礎問題に取り組んでみましょう。
解説を読む→基礎問題を解く→わからなかったら戻る
この繰り返しをすれば理解が深まると思います。
過去問や模試試験をひたすら解く
教材を一通り学習し終えたら、過去問や模試試験の問題集に取り組みましょう。
「まだ教材が終わっただけなのにもう解くの?」と思う方もいるかもしれませんが、簿記は実際の問題に慣れるのが1番合格まで早いです。
過去問を何回か解いていけば、問題の傾向が掴めてきて問題の解くスピードが速まります。
ただ注意点として、問題を解き続けて傾向がわかってくると、自分の頭で勝手に問題を解釈してしまい、勘違いをして仕訳ミスをする場合があります。
実際に筆者も簿記の勉強をしている時にあった話なので、気をつけましょう。
過去問などを解くときに意識しておくのは、必ず時間を計って解くのと、最初のうちはわからなかったら答えを見ても良いこと。
時間を計らないと、たとえ合格点に達しても意味がありません。
また、過去問に慣れるまでは、わからない場所があれば答えを確認しても良いと思います。
慣れるまでは1つずつ理解していった方が着実に成長できておすすめです。
慣れてきたらわからない場所があっても時間を計って一通り解いてみましょう。
試験前日は復習のみ
過去問を解き終え、合格できると感じたら試験に申し込みましょう。
試験の前日は誰もが何をしたら良いかわからなくなってしまうのが試験ですが、理解できなかった場所は諦め、復習程度にしておくの良いかと思われます。
新しい知識を前日に詰め込むと、かえって別の場所を忘れてしまう恐れがありますし、前日に覚えた知識を本番で活用できるかと言われると微妙です。
ならば、今ある知識を忘れないように復習程度にしておくのが最適だと思います。
「過去問や模試で何点取れたら試験を受けても良い?」と思う方もいるかもしれないので、一応目安を置いておきます。
ただ、個人差はありますから、参考程度にしておきましょう。
- 60~70:運が良ければ合格できるが、確率は低い
- 70~80:合格できる範囲だが、もう少し勉強すると安全
- 80~90:合格できる確率は高いが、不安な方はもう少し勉強
- 90~100:よっぽどの何かがなければ合格できる
一発で合格したいなら、最低でも80~90に設定しておくと安全です。
簿記三級に合格するまでの時間
簿記の試験に合格するまでの時間はおよそ150時間程度と言われています。
150時間というと、1日2時間勉強すれば3か月で到達できる範囲なので、そこまで遠くはないかと思います。
ただ、仕事の傍らや学業の合間に毎日2時間勉強するのは少し厳しいため、余裕を持って4か月ほどに設定して勉強の予定を立てると良いでしょう。
簿記三級はとにかく短期決戦なので、長期に長引かせずに合格してしまいましょう。
具体的な合格までの指針は下記の通りです。
- 1か月目~3ヵ月目:教材を一通り理解し、試験問題になれる
- 4か月目:過去問や模試試験を繰り返し解く
ほぼ毎日2時間勉強する時間が取れれば、4か月で十分合格ラインまで到達できるでしょう。
簿記三級の勉強効率を上げる4つの方法
簿記三級に合格するまでの手順を解説しましたが、できる限り効率よく勉強してサクッと合格したいですよね。
効率良く勉強できれば、合格までの時間が短縮でき、次のステップへ進みやすくなります。
そこで、勉強効率を上げる方法をいくつか解説します。
- 長期的に勉強しない
- 試験を受ける日と決める
- わからなかったら答えをすぐ見る
- テキスト以外でも勉強をする
1つずつ解説していきます。
長期的に勉強しない
先述した通り、簿記三級の試験は短期決戦の方が向いています。
長期的に勉強すればするほどやる気がそがれてしまい、惰性で勉強をするようになってしまうでしょう。
惰性になってしまうとモチベーションがないため、勉強する意欲が湧かずに道半ばで諦めてしまう恐れがあり、勿体ないです。
また、長期で勉強すると、最初の方に勉強した部分をどうしても忘れてしまいます。
忘れる→勉強し直す→忘れる
上記のサイクルになると時間を消耗するため、おすすめしません。
今ではネット試験でいつでも受験できるので、できるだけ短期スパンで勉強してやる気がなくなる前に合格してしまいましょう。
試験を受ける日を決める
長期で勉強しないようにするために、あらかじめ受験する日を決めて申し込むのも1つの手です。
申し込めば、その日に向かって勉強をすれば良いので、程よいメリハリと焦りが出て勉強のやる気を起こせます。
やはり人間はやる気がなくなると勉強が進まないので、ゴールを設定しておくのは大事だと思います。
ネット試験で受験できるようになった現在は、いつでも受験できるメリットの反面、受験するタイミングに迷うデメリットもあります。
タイミングを見失わないためにも、勉強を始める時に試験日を決めておくとメリハリを保ちながら勉強に取り組めます。
わからなかったら答えをすぐ見る
わからなかい問題があればすぐ答えを見るのも、勉強効率を上げるには適しているでしょう。
勉強を始めたての頃は、考えてもわからなければ考えている時間が無駄になる確率の方が高いので、時間を消耗しないために答えをなるべく早く見る方が効率的です。
わからない→答え見る→後でもう1回解く
このサイクルの方が記憶に定着しやすく、おすすめです。
もし答えを見ても理解ができなければ、その勘定科目の基礎解説に戻って勉強すると、知識も経験も記憶に残るでしょう。
ただし、これは勉強をし始めたばかりの時だけにしておくのが良いです。
ずっとすぐ答えを見ながら勉強すると、自分で考える力がつかずに勉強の効果が薄れます。
テキスト以外でも勉強をする
簿記の勉強は教材を始めとしたテキストでの勉強が基本ですが、テキスト以外での勉強はかなり重要です。
今となっては、動画サービスが充実しているため、むしろ応用しないと勿体ないでしょう。
動画サービスでおすすめなのは「YouTube」です。
YouTubeは娯楽アプリにしか使わない方がほとんどだと思いますが、勉強に使うことでより効率化ができます。
テキストを読みたくない時に観るのも良いですし、そもそも動画の方が頭に残りやすいです。
では具体的に誰の動画を視聴すれば良いのかというと、
- 【簿記系YouTuber?】ふくしままさゆき
- 公認会計士たぬ吉の資格塾
上記の2つを視聴すれば、より簿記三級も理解度が深まります。
独自の問題も動画でチャレンジできるので、勉強になることは間違いないです。
テキスト+動画を組み合わせて勉強を進めていきましょう。
簿記三級を勉強する際の3つの注意点
簿記三級を勉強する上で注意しておきたい点を解説します。
注意点を抑えておくことで、簿記試験で失敗する確率を下げられます。
逆に抑えなければ無駄に遠回りしたり全然身についていなかったりで悪影響が大きいです。
しっかりと簿記試験の構造を理解して、試験に落ちるリスクを減らしていきましょう。
具体的な注意点は下記の通りです。
- 機械的に問題を暗記しない
- 難易度の高い問題に無駄に注力しない
- 間違えた問題は解答を見て終わりにしない
1つずつ解説していきます。
機械的に問題を暗記しない
簿記において、問題を機械的に理解して勉強するのは危険です。
なぜなら、簿記や会計の仕組みや構造を理解していないので、応用問題が出題された時に対応できないから。
簿記の問題は、まず勘定科目の意味を覚えなければいけません。
中には例外として機械的に覚えてしまった方が早い勘定科目もありますが、意味や構造を理解していないと、別の切り口の問題を解くときに応用が利きません。
経理や会計士として実務で使いたいなら、なおさら構造から理解しないといけないですから、難しくてもできるだけ意味も理解できるようにしましょう。
時間をかける場所を間違えない
簿記には試験によって無駄に難易度の高い問題や、出題率の低い問題が出ることがあります。
そういった、解くメリットと時間をかける割合が合わない問題に無駄に注力するのはやめましょう。
時間を消耗してしまうし、後回しで大丈夫です。まず勉強するべきは基本的に出題されて合格に近い問題です。
簿記三級の試験は、最初の仕訳の問題が出題されますが、仕訳は全問正解すると45点もらえるので、合格するには最も大切な問題です。
対して、出題傾向の低い問題はそもそも本番で出題されるかわからないため、勉強する順番は最後で構いません。
上記の問題に注力するならば、自分が過去に間違えた問題を復習する方が効率的でしょう。
間違えた問題は解答を見て終わりにしない
間違えた問題を解答を見て終わりにしてしまうのはやめましょう。
わからない→答え見る→理解する→後でもう1度解き直す
試験勉強の間違い直しは基本、理解するまで見て、もう1度取り直すのが原則です。
しっかり間違えた場所を理解し、もう1度解き直せば次に間違える確率は格段に下がるはずです。
また、答えを見たときに、なぜその解答なのかを自分で理解できるまで落とし込むと深い知識が付きます。
問題を構造で理解しているため、別の切り口で出題された時に幅を利かせて問題を解けるでしょう。
簿記三級の勉強についてよくある2つの質問
簿記三級を勉強する時によくある質問について回答します。
主な質問内容は下記の通りです。
- スクールに通うのはあり?
- 勉強期間が空いてしまった時の対処法
1つずつ解説していきます。
スクールに通うのはアリ?
スクールに通うのは問題ないですが、正直通う必要はないと思います。
スクールに通うメリットとしては、メンターがいるかいないかの差しかないと思うので、1人でコツコツと勉強するだけでも十分です。
スクールに通うとなると、教材費の他にスクール代がかかってしまい、安い金額ではありません。
スクールに通ったから取って必ず合格できるわけでもないですから、自分に必要かをしっかり判断しましょう。
1番良くないのは「とりあえず入る」です。自分で考えた上でスクールに入るのはまったく問題ないので、意識しておきましょう。
勉強する期間が空いてしまった時の対処法
勉強する期間が空いてしまった時は、勉強していた場所から始めるのが良いでしょう。
- 教材を進めている途中なら、最初からやり直さずに途中から再開する
- 過去問を解いているなら過去問をまた繰り返す
期間が空いたからもう1度最初から直す方がいますが、効率が悪いです。
期間が空いて多少忘れていても、通常通り進めましょう。わからない場所が出てきたら、その都度見返して理解するのが最も効率の良い方法です。
簿記三級は短期決戦のため、やり直してしまうとモチベーションが続かなくなり、結局また期間が空いてしまいます。
悪いサイクルを生み出さないためにも、期間が空いてしまったら戻らずにそのまま突き進みましょう。
簿記三級はネット試験でいつでも受験できる
簿記三級は、現在ネット試験でいつでも受験ができます。
ネット試験とは、テストセンターと呼ばれる場所でPC受験をすること。全国に試験会場が設定されているので、「日本商工会議所」のHPからぜひ自分が住む地域で探してみてください。
以前の簿記三級の試験は年三回しか受けられず、1度落ちると3.4ヵ月後となり、モチベーションが続きづらい状態でした。
しかし現在はネット試験で受験でき、予約が取れればいつでも受験ができます。
1度落ちてもまた1週間後に受験可能になるので、合格できる確率は格段に上がったでしょう。
せっかく良い制度があるのですから、積極的に受験するのをおすすめします。
本番の環境に慣れるという意味でも、複数回受験しても問題ありません。
落ちたからといって落ち込まず、合格を目指しましょう。