「介護に医療費控除が適用されるって聞いたけど、どこまで適用されるのかな。」
「介護が医療費控除に適用されるものの事例が知りたいな。」
要介護の高齢者が年々増加している昨今。介護が必要になっている家庭が増えてきていて、介護にまつわるお金のことについて多くの情報が飛び交っています。介護にまつわるお金の話題として、医療費控除が適用されるのかどうかということがあります。
介護に関する医療費控除は適用されるものがあれば、適用されないものもあります。どれが適用されるのか、どれが適用されないのかわかりにくくなっているかと思います。また、そもそも、医療費控除とはなんなのかという疑問を持つ人もいることでしょう。
そこで今回の記事では、介護に関する医療費控除の適用範囲について解説しつつ、まとめていきます。この記事を書いている私は、介護に関する多くのニュースや制度について、数多く取材をしてきました。今回の記事では、私の経験をもとに介護に関する医療費控除の適用範囲について記事にします。
また、介護に関する医療費控除の前提となるそもそも医療費控除とは何か、介護保険についても解説していきます。前提となる知識があることで、医療費控除を上手に活用することができるようになります。
ぜひ、最後まで読んでいただき、介護の医療費控除について理解を深めていただき、実際に行動をしていただけると嬉しいです。
介護保険で負担する費用とは
介護保険で負担しなくてはいけない費用は、介護保険サービスを利用した場合に、介護事業者に支払う費用の1〜3割と定められています。一方で、介護事業者に支払われる残りの費用は「介護保険料」と「自治体」が負担しています。
介護保険は40歳から納付することが義務付けられており、負担割合はご自身の合計所得と65歳以上の方の世帯人数によって決定されます。この合計所得には「年金収入(遺族年金と障害者年金を除く)」と「それ以外の所得」が該当します。
介護保険には介護保険制度の公平性を確保するために、現役並みの所得がある高齢者は自己負担2〜3割の負担となります。280万〜340万円未満は2割、340万以上は3割の負担となります。
医療費控除とは
医療費控除とは、確定申告をすることで支払った医療費により所得控除を受けることができるものです。医療費の支払額が10万円を超えると所定の計算式に基づいて計算された金額が所得控除の対象となります。医療費控除は生命保険の入院給付金や高額医療費の支給を受けた場合は、支払った医療費から差し引く形になります。
また、医療費控除の申請期間は前年の1月1日から12月31日までです。この期間の医療費は毎年2月16日から3月15日までの間に確定申告をする必要があります。万が一、確定申告時期に手続きができなかった場合でも、過去5年間ほど遡って申告することができます。
確定申告をするときには、証拠となる領収書が必要です。これまで確定申告をしたことがない方の場合、領収書を保管する習慣がない場合がほとんどですので、ぜひ、領収書は保管するようにしましょう。
医療費控除の対象となる介護サービス費用
介護保険が適用される介護サービス費用のほとんどは医療費控除の対象となります。また、介護保険施設で負担する食費や居住費は、本来保険適用外サービスですが、医療費控除の対象となります。
このように複雑な介護サービスに対する医療費控除ですが、具体的にどんなものであれば、医療費控除になるのか、それぞれ紹介していきます。
<医療費控除の対象になるもの>
・病院で受けた診療、治療、入院費
・歯科医院で受けた診療、治療費
・治療のために支払った薬代
・治療上必要となった松葉杖や医療器具の購入費用
・通院時に利用した電車やバスの運賃
・タクシー代などの交通費(但し公共機関が使えなかった場合
のみ)
・治療や診察のための医師の送迎費用
・治療としてマッサージなどで支払った費用
・治療としてマッサージなどで支払った費用
・傷病により、6ヶ月以上寝たきりで医師の治療を受けている場合のオムツ代
・介護保険等の制度で提供された一定の施設・居宅サービスの自己負担
医療費控除の対象とならない介護サービスとは
医療費控除の対象とならない介護サービスにはどんなものがあるのでしょうか。ここからは医療費控除の対象とならないものを紹介していきます。
<医療費控除の対象とならないもの>
・(介護予防)認知症高齢者グループホーム
・(介護予防)地域密着型特定施設入居者生活保護
・(介護予防)福祉用具貸与
・訪問介護
・特定施設入居者生活保護
・地域支援事業の訪問型サービス(生活援助中心のサービスに限る)
・地域支援事業の通所型サービス(生活援助中心のサービスに限る)
・地域支援事業の生活支援サービス
介護保険サービスの医療費控除を有効活用しよう
ここまで紹介してきた介護保険が適用されるサービスをうまく活用することで、医療費控除を受けることができて、ご自身の税金負担を減らせるようになります。
介護は様々な場面でお金を使わなくてはならない場面が多く出てきます。ご自身が使っている介護サービスは、医療費控除対象となっているのかを今一度確認しましょう。
もしも、医療費控除の対象となっていないようであれば、医療費控除の対象となるものに変えることができるか調べることで、年間の支出を抑えることができることでしょう。医療費控除を有効活用することで手残りを増やせることでしょう。
医療費控除の対象となる介護保険サービスは確定申告しよう
医療費控除の対象となる介護保険サービスを利用したら、必ず領収書を保管して確定申告をしましょう。医療費控除はただ利用するだけでは、節税することはできず、正しく申請をしないと意味がありません。
年に1度の確定申告で、これまでの医療費控除を受けた合計金額の申告をすることで、初めて税金負担を抑えることができます。正しく控除対象を理解して、確定申告をすることで、普段の生活がさらに豊かになります。
正しい知識を持って、正しく行動をすることでご自身の手残りのお金は増えますので、しっかりと学習をして行動するようにしましょう。
まとめ
今回の記事では、介護に関する医療費控除について記事にしました。今回の記事のポイントは以下の通りです。
・介護保険で負担しなくてはいけない費用は、介護保険サービスを利用した場合に、介護事業者に支払う費用の1〜3割と定められている。
・医療費控除とは、確定申告をすることで支払った医療費により所得控除を受けることができるもの。
・医療費控除の対象となっているものと、対象外のものを正しく把握して、医療費控除になるものを正しく利用することで節税できる。
介護に必要なモノやサービスは実に多く、介護にかかる費用は年々増してきています。医療費控除対象となっているものを把握して、うまく活用できれば、ご自身の支出負担を軽減できます。
また、日頃から医療費控除の対象となるもののモノやサービスを利用した際には領収書をもらうようにしましょう。領収書を保管しておくことで、確定申告に利用できます。確定申告をすることで初めて、税金の負担を抑えられますので、必ず確定申告までやりましょう。
今回の記事を読んで、少しでも介護に関する医療費控除について理解が深めていただければ嬉しいです。
また、少しでも医療費控除について改めてご自身でも調べたり、医療費控除の確定申告に挑戦してみていただけると嬉しいです。