「最近「LIFE」という新しいシステムが導入された。」

「そもそも「LIFE」ってどのようなシステムなのかな。」

少子高齢化が進む日本において、科学的介護システムの「LIFE」を導入する介護事業所が増えてきています。「LIFE」は、介護者の情報を一つのデータベースに保存しておくことで、介護事業所をまたいでも、介護情報が共有化される仕組みです。

介護従事者一人の判断だけではなく、ほかの介護従事者からみた結果を共有することで、より正確なデータを共有することができます。

しかし、新しいシステムが導入されたものの、具体的にどのようなシステムで、どのように運用されるものなのか理解できている人は少ないのが現実です。「LIFE」のシステムをうまく活用できれば、これまでの介護従事者の方たちの負担がかるくなる事はもちろんのこと、介護を受ける人たちの負担も削減されます。

今回の記事では、「LIFE」について基本的なところから開設し、「LIFE」の導入メリットについて解説します。今回の記事を作成する私は、これまでに多くの介護に関するインタビューを行い、介護に関する記事を作成してきました。これまでの私の知見をもとに記事を作成します。

この記事を読むことで、「LIFE」に関する理解が深まり、これから「LIFE」を活用しやすくなります。

ぜひ、今回の記事を読んで「LIFE」について詳しくなってくださいね。

 

科学的介護情報システムのLIFEとは

科学的介護情報システムのLIFEは「Long-term care Informaion system For Evidence」の略称の事です。介護の在り方として、利用者個人の生活支援だけではなく、利用者の生活機能(アウトカム)を向上させることをLIFEでは期待されています。

医療分野では1990年代以降、「エビデンスに基づく医療」が取り入れられており、介護分野でも同様に、エビデンスに基づいた自立支援・重度化防止などを進めていくことが期待されています。

エビデンスに基づいた自立支援・重度化防止を進めるために、科学的に妥当性のある指標などを収集・蓄積及び分析し、その結果をフィードバックする仕組みが必要です。厚生労働省は、2016年度から通所・訪問リハビリテーションの計画書などの情報を収集し、フィードバックを行う「通所・訪問リハビリテーションデータ収集システム(VISIT)」を2020年度から「高齢者の状態やケアの内容等データ収集システム(CHASE)」を運用してきました。2021年度からこれらをまとめた一体運用として、科学的介護情報システムの「LIFE」と改名させました。

 

科学的介護情報システムLIFEの目的

科学的介護情報システムLIFEは、政府がLIFEの活用をすることで、化学的な裏付けに基づいたケアをするためです。LIFEが介護サービスのエビデンスを蓄積し、フィードバックを受けた介護現場がPDCAサイクルを推進することで、ケアの質向上が期待できると考えられています。

介護情報システムLIFEは、元々先にも説明したように「通所・訪問リハビリテーションデータ収集システム(VISIT)」と「高齢者の状態やケアの内容等データ収集システム(CHASE)」をまとめて、より効率の良いシステムとして運用しています。

介護情報システムLIFEはこれまでのシステムをより一層、使いやすくするために作られています。データ管理の一元化をより一層進めていくために、介護情報システムLIFEは運用されているのです。

 

科学的介護情報システムLIFEを導入した成果

科学的介護情報システムLIFEは導入当初、PCが苦手な人でも対応できるのか不安に思う人もたくさんいました。また、導入した当初は介護事業所が一斉に入力を行ったことからシステムがパンクしたという話も出てきています。

また、当初期待していたデータがなかなか収集できず、ネガティブな情報ばかりが集まっていました。しかし、基礎入力をある程度終わらせた段階から特に大きな不満もなく、スムーズに進むようになりました。

一度導入が進めば、介護者の情報が共有されるようになり、介護事業者も必要な情報に簡単にアクセスできるようになって利便性を徐々に感じられるようになってきています。ここまでくるのに約1年の時間がかかりましたが、現在では習慣化されて介護現場も効率よく業務に取り組めるようになっています。

 

科学的介護情報システムLIFEの導入メリット

科学的介護情報システムLIFEを活用できている介護事業所は、科学的介護情報システムLIFEの多くのメリットの恩恵を受けられていることでしょう。科学的介護情報システムLIFEには蓄積したデータ活用により、介護の質向上が図れることと、介護報酬加算が受けることができます。

蓄積したデータ活用でこれまで収集してきたデータを各介護事業所で共有することで、科学的エビデンスをもとにした対処ができるようになります。また、科学的介護推進体制加算以外にも口腔衛生管理加算なども合わせて加算できます。

LIFEは介護の観点以外にも別の項目でも加算されることによって、多角的な角度で対象者を見ることができます。その結果、より正確な科学的なエビデンスに基づいた診療や対応をすることができるのです。

 

科学的介護情報システムLIFEを導入することが難しい介護事業所とは

科学的介護情報システムLIFEは非常に便利である一方、導入するまでのハードルが高くなかなか導入できない介護事業所があります。科学的介護情報システムLIFEを導入することが難しい介護事業所は小規模事業者です。

科学的介護情報システムLIFEは比較的事業規模が大きい施設であれば、導入しやすさやデータの集まりやすさはありますが、事業規模が小さい施設では、まだまだシステム導入に当たってハードルが高くなっているのは事実です。

科学的介護情報システムLIFEは、介護者のより適切な対応を手助けしてくれる便利なものです。しかし、まだまだ導入を全体的に行っていくには時間がかかってしまうのは事実です。

 

介護報酬改定と介護職員の未来とは

2024年度の介護報酬改定では、LIFEの対象範囲が拡大されてくるのではないかと予想されています。対象になるのは「訪問介護」と「居宅介護支援」も加算対象に含まれてくるのではないかと専門家の中では予想されています。

さらに、現在取得できている介護加算がLIFEに取り組んでいないと取得できなくなってしまうのではないかという懸念です。それほどにLIFEは介護業界で注目されている状況にあります。介護事業所が今後生き残っていくためには、LIFEを導入しているかどうかが大きなポイントになってくるでしょう。

今後はこうした小規模事業者に対して、国の政策として動く可能性はありますが、より一層LIFEの導入促進は続くことでしょう。また、介護職員に対しても、LIFE導入により、専門性の高度化が求められてくることでしょう。

 

まとめ

今回の記事では、科学的介護システムの「LIFE」について紹介しました。LIFEの基本から今後の予想まで紹介しましたので、LIFEについて理解が深まってきたかと思います。今回の記事のポイントは以下の通りです。

・科学的介護情報システムのLIFEは「Long-term care Informaion system For Evidence」の略称。

・科学的介護情報システムLIFEは、政府がLIFEの活用をすることで、化学的な裏付けに基づいたケアをするために使われている。

・2024年度の介護報酬改定では、LIFEの対象範囲が拡大されてくるのではないかと予想されている。

介護情報を一つのデータベースにまとめて、各介護事業所の担当者が情報をみたり、追加することで、よりエビデンスの高い対応ができることは間違いありません。

今後少子高齢化がますます進む日本社会で、介護事業所を移る、または介護従事者が転職してしまうことはあり得ます。

また、介護事業所がなくなることも考えられるので、介護情報の共有化はますます必要になってくることでしょう。

こうした中で、LIFEはこれらの課題を解決できる手段であるため、導入促進はこれからも加速するでしょう。これからの介護業界ではLIFEの導入で働き方が変わってくることは間違いないので、今後もLIFEの動向には注視していきたいところです。

今回の記事を読んで、LIFEに対しての理解が深まってくれたら嬉しいです。