「介護の仕事をしたいけど、資格がないな。資格がなくても仕事できるのかな。」
「そもそも介護の仕事を始めるにはどうすれば良いのだろうか。」
少子高齢化社会が加速し、ますます介護職の需要が高まる昨今。2025年問題がこれまでにも叫ばれ、いよいよ団塊世代が高齢者に突入し、高齢者の数が増えてくる中で、これまで以上に介護職が必要とされてきます。
とはいえ、介護の仕事を始めようにも介護の資格が必要になるのか不安に思う人も多いことでしょう。今回の記事では、これから介護の仕事を始めたい人に向けてどのように介護の仕事を始めれば良いのかを解説します。
この記事を書いている私は、これまでに数多くの介護に関するインタビューをこなし、記事を作成してきました。今回は私のこれまでのインタビュー経験をもとに記事を作成します。
今回の記事を読むことで、介護の仕事に資格がそもそも必要なのかや、介護の仕事の始め方について理解できます。
ぜひ、最後まで読んで見てくださいね。
介護職は資格なしで働けるのか
介護職は資格なしでも働けます。ただし、資格なしで働ける仕事には限りがあり、現在では資格がないとできない仕事がほとんどです。資格がなくてもスタートできる環境は整っているので、まずは介護の現場に入ってみて、必要に応じて資格取得を目指すというステップもよくあります。
資格がなくてもできる介護の仕事の業務として、以下のものが挙げられます。
資格なしでできる主な介護業務:
- 利用者の見守り
- 食事の配膳や片付け
- 清掃や洗濯などの生活支援
- 移動の補助(軽度なもの)
- 入浴や排せつの補助(施設によっては可)
上記のような介護業務を行うことはできますが、やはり一般的な介護業務と比較すると、業務内容に限りがあります。介護の仕事を本格的に携わりたいのであれば、資格取得を検討した方が良いでしょう。
認知症介護研修とは
「認知症介護研修」とは、認知症のある人を介護・支援するために必要な知識や技術を習得するための研修です。主に介護職員や医療関係者、または家族介護者を対象に実施され、認知症に対する正しい理解と対応力を高めることを目的としています。
主な内容
以下のような内容が研修に含まれることが一般的です:
- 認知症の基礎知識
- 認知症の種類(アルツハイマー型、レビー小体型など)
- 症状の特徴や進行の仕方
- 認知症の人への接し方・対応法
- 行動・心理症状(BPSD)への対応
- コミュニケーションの工夫
- 介護技術の習得
- 食事、排泄、入浴、移動の支援方法
- 転倒予防や安全管理
- 本人の尊厳を守る支援
- パーソン・センタード・ケア(その人らしさを尊重したケア)
- 家族や多職種との連携
- 医師、看護師、ケアマネジャー、家族との協働
対象者と種類
- 初任者研修・実務者研修に含まれる内容:介護職の資格取得課程に組み込まれています。
- 認知症介護実践者研修/リーダー研修:現場経験を積んだ介護職員向けのステップアップ研修。
- 家族介護者向け研修:自宅で介護を行う家族のための支援・学習の場。
目的
- 認知症の人への誤解や偏見をなくす
- よりよいケアを提供するスキルの習得
- 介護者自身の負担軽減とメンタルケア
必要に応じて、自治体や福祉施設、地域包括支援センターなどが主催していることも多いです。ご自身やご家族の状況に合わせて、どの種類の研修が適しているかを確認してみるのがよいでしょう。
資格なしでもできる介護の仕事
資格がなくてもできる介護の仕事は多くあります。特に介護業界は人手不足が続いており、未経験・無資格者を受け入れて育成する体制を整えている事業所も多いです。
以下は、資格がなくても始められる代表的な介護の仕事です:
資格なしでもできる介護の仕事
職種・業務内容 | 内容の説明 |
介護助手 | 資格不要。利用者の見守り、掃除、食事の配膳、洗濯、ベッドメイキングなどサポート業務が中心。 |
訪問介護の生活援助(一部) | 掃除・洗濯・買い物などの生活援助のみであれば、無資格で従事できる場合あり(自治体・事業所による)。 |
デイサービスの補助スタッフ | レクリエーションの準備、送迎補助、話し相手、軽作業など。体力的負担が比較的少ない。 |
清掃・調理スタッフ | 施設内での調理補助、清掃作業なども未経験可。 |
夜勤専従の見守りスタッフ(無資格OKの施設もあり) | 夜間の見守り・巡回が中心。仕事内容は施設により大きく異なる。 |
働きながら資格取得も可能
無資格から介護の現場に入り、「介護職員初任者研修」などの資格を取得すると、より幅広い業務が可能になり、待遇も改善されやすいです。
多くの施設では、以下のような支援を行っています:
- 資格取得費用の補助または全額支給
- 勤務扱いで講座に通える
- ステップアップ研修制度あり
注意点
- 「身体介護(入浴介助、排泄介助など)」は原則、資格が必要(例:初任者研修以上)。
- 施設ごとに無資格者への対応が異なるため、求人情報で「無資格可」「未経験歓迎」などを確認しましょう。
資格がなくても介護業界に入りやすいですが、長く働くなら初任者研修の取得を目指すのが現実的です。
資格なしで介護職に就くメリット
資格なしで介護職に就くメリットは、以下のように「ハードルの低さ」と「成長機会の多さ」に集約されます。
資格なしで介護職に就くメリット
メリット | 説明 |
1. 今すぐ働ける | 多くの介護施設では無資格・未経験者を受け入れており、すぐに仕事を始められるチャンスがあります。 |
2. 働きながらスキルアップできる | 実務を通じて自然と介護の基礎知識や対応力が身につき、現場経験を積みながら資格取得を目指すことも可能。 |
3. 資格取得を支援してくれる職場が多い | 介護職員初任者研修や実務者研修の費用を補助・全額負担してくれる事業所が多数あります。 |
4. 働き口が豊富 | 全国的に介護職は人手不足で、無資格OKの求人が多く、自分に合った職場を探しやすいです。 |
5. 社会貢献度が高い | 高齢者やその家族の役に立てる実感が得やすく、「誰かのために役立つ」やりがいがあります。 |
6. 幅広い年齢層が活躍できる | 若い人から中高年、定年後の再就職まで、多様な年齢・経歴の人が働いています。 |
7. 非正規から正社員への道もあり | 最初はパートや派遣でも、評価されて正社員登用されるケースが多くあります。 |
ただし、無資格だとできる業務に制限がある(身体介護は原則不可)、給料が低めにスタートする、といった点もあるので、将来的には資格取得を視野に入れると有利です。「とりあえず現場を経験してから考えたい」「介護が自分に合うか見極めたい」という方には、無資格でのスタートはとても現実的で良い選択です。
資格なしの介護職の給料
資格を持たない介護職員の給与は、雇用形態や勤務先によって異なりますが、以下のような傾向があります。
資格なし介護職員の平均給与(常勤)
厚生労働省の「令和4年度介護従事者処遇状況等調査結果」によると、資格を持たない常勤介護職員の平均月給は約27万530円です。これは、介護職員初任者研修修了者の平均月給約30万2,910円と比較して、約3万円の差があります。
資格なし介護職員の給与(パート・アルバイト)
パートやアルバイトとして働く場合、資格なしの介護職員の月給は約18万〜20万円程度とされています。
資格取得による給与アップ
資格を取得することで、給与の向上が期待できます。たとえば、介護職員初任者研修を修了すると、平均月給が約30万2,910円となり、資格なしの平均月給と比較して約3万円の増加となります。
資格なしで働ける主な職場
資格がなくても働ける介護職の職場には以下のようなものがあります:
- 特別養護老人ホームやグループホームなどの入所施設
- デイサービスなどの通所施設
ただし、訪問介護など一人で利用者の自宅を訪問する業務には、介護職員初任者研修以上の資格が必要です。
仕事をしながら介護の資格を取得する方法
仕事をしながら介護の資格を取得する方法はいくつかあり、特に「介護職員初任者研修(旧ヘルパー2級)」が最初のステップとして多くの人に選ばれています。以下に代表的な方法とポイントをまとめます。
- 働きながら資格を取る方法
【1】通信制+通学制の講座を活用する
- 通信学習(在宅での学習)+スクーリング(通学して実技演習)という形式が一般的。
- 通信部分は自分のペースで進められるので、シフト制の仕事にも対応しやすい。
- 通学は週1回〜数回。夜間や土日開講の講座もあります。
▶ 例:ニチイ、三幸福祉カレッジ、未来ケアカレッジなどで全国展開されています。
【2】職場の資格取得支援制度を利用する
- 一部の介護施設では、資格取得費用を全額・一部負担する制度あり。
- 勤務時間内に研修参加が可能な職場もあります。
- 「資格取得後〇年勤務」などの条件があることも。
▶ 就職前に「資格支援制度の有無」を確認するのが重要です。
【3】ハローワークや自治体の支援制度を活用
- 「介護職員初任者研修 無料支援」を実施する自治体があります。
- 公共職業訓練や求職者支援訓練の一環で無料または低額で受講可能。
- ハローワーク経由で教育訓練給付金が受けられる場合も。
「教育訓練給付金」では、受講料の20%(上限10万円)が支給されます(条件あり)。
まとめ
今回の記事では介護の資格がなくても介護の仕事ができるのかをテーマにしていました。今回の記事のポイントは以下の通りです。
・介護の仕事は資格なしでもできるが、働ける仕事内容に限りがある。
・資格なしでも介護の仕事の仕事をして、働きながら資格をとることもできる。
・資格を取得することで、できる仕事内容や給料が変わるので、介護の資格を取得した方が良い。
いかがでしたでしょうか?
介護の仕事は資格なしでもできますが、仕事内容に限りがあり、給料も比較的低い傾向にあります。介護の資格は働きながらでも取得できるものもあるので、これから介護の仕事をしたいと考えている人は、ぜひ資格取得もしましょう。
今回の記事が少しでも参考になれば嬉しいです。