1位:EC越境ビジネスの脱税
ここ数年、海外からの旅行客も激増し、日本製品を買う海外ユーザーが爆発的に増えています。
特にアジア、特に中国ですね。
日本のECサイト(楽天やアマゾン等)等で商品を購入しても、最近は海外発送する販売店が増えています。売上代金はほとんどがカード決済によりカード売上として日本の銀行口座に入っているケースが多いでしょう。これだと、海外輸出売上(消費税免税)にはなるものの、売上はしっかりと税務署が把握できます。課税逃れはできません。
しかし、例えば、中国在住中国人が日本在住中国人に依頼して商品を代理購入してもらうような場合(多くの日本在住中国人がやってますが・・)、お金のやりとりは、日本の空の上を飛んでいます。
普通に考えると、中国にある決済手段(銀行口座のやりとりはメジャーではなくアリペイ・支付宝、微信ペイ等のモバイル決済手段が圧倒的シェアを握っています)を使って中国国内でお金のやりとりをしています。この場合、本来であれば、日本在住中国人の売上として日本の税務当局は課税できるはずですが、そもそも日本国内の銀行口座には動きは全くありません。おそらく適切に申告している人も少ないでしょう。
2位:民泊ビジネスの脱税
特区エリアはともかく、禁止されているマンションを1カ月10万円で近いし、1泊2万円で外国人旅行客に貸してるパターンですね。
会社を設立して許認可をとって真剣に取り組んでいる会社はともかく、副業的にいたるところのマンションを賃借し、Airbnb等のサイトを使って集客している人も多くいます。
こういう方々は許認可未取得の場合も多く、そういう後ろめたさもあって全てのことを隠しだがる傾向にあります。特にこのAirbnb等の海外サイトを使えば、外国人旅行客の決済は海外で行われるので、日本側はpaypal決済も可能です。
paypal入金は日本の銀行で決済する必要がないので、例えば、発展途上国で日本人が開設した銀行口座(どこの国も日本人が銀行口座を開設するのって意外に簡単にできる・・)にpeypalのキャッシュを落として現地で引き出しなんかしてるようなケースだと、まずもって、日本の税務当局は抑えられないですよね。この芽を摘むためにはAirbnb等の大手の民泊仲介サイトの顧客情報を全て国家権力でOPENにしてもらうしかないでしょう。
3位:飲食店の売上ごまかし
歴史のある脱税手法ですね。っていうか、一説には、飲食店全体のうちの55%が売上ごまかしの経験があるんだとか。。
領収書もレジもないような一人で回している小規模飲食店の売上ごまかしに追徴課税を課すのはかなり難しいのが現状です。
例えば、
覆面で客を装い事前に飲食しておくこと
原価率を確認し売上の妥当性を検討する
ラーメン屋が替え玉無料なんかをやっちゃうと原価率がブレて妥当性の検討も難しくなるでしょう。
4位:プライベートコストを事業用に
これも歴史的にはよくありますね。嫁さんと行った晩御飯を会社の経費に、子供と行ったディズニーランドを会社の経費に、友人と行った海外旅行を会社の経費に。
みんなやってるじゃんと思われるかもしれませんが、これ、れっきとした脱税です。やるからには覚悟と理論武装が必要になる話です。
5位:海外でこそっと投資して脱税
例えば、現金300万円を握りしめて定期的に海外に行ってる富裕層も多いでしょう。こういう方は各国に銀行口座を保有し、発展途上国で定期預金や国債購入なんかをやっています。
現金で持ち出せてしまった場合、日本とそれほど仲良くない国あれば特にそうですが、資産運用した成果が出ても(本来はこれは日本で所得税が課せられます)全く気付かれないでしょう。
あの中国でさえ、定期預金や国債の年間利回りは4%とか5%はあります。
超低金利の日本で普通預金にお金を留めておくなんて、はっきりいって勿体ないですよね。。
6位:過去の損失がある会社の低価買取
長期不景気が続く日本では、望んでなくても赤字が溜まりまくっている会社が多いですね。
で、これ以上は商売を続けたくても続けられない。だから休業しよう、解散しよう、という流れが普通です。
しかし、法人の場合は赤字は9年間繰り越せます。
となると、黒字の会社は赤字会社が羨ましくみえるわけです。そんな赤字会社を低価格で購入できれば節税に繋がります。例えば、赤字が3,000万円あるとしましょう。黒字会社から見れば(税率30%として)900万円ぐらいの税金が浮いちゃう会社に見えるわけです。となると、例えば、これを300万円で購入できればお互いにとってかなりのメリットがあるわけです。
これは税務的にOKなのでしょうか?
譲渡価格の妥当性にはかなりの疑問符がつきそうです。税務上は会社の売買は時価で行う必要があります。
赤字たっぷりの会社に価値はあるでしょうか?300万円での売買価格には疑問が残ります。税務調査では指摘されるリスクは十二分にあるでしょう。
7位:白紙領収書を勝手に発行しちゃった!
飲食店等で白紙の領収書を下さいというとんでもない人がいます。そして、「金額開けておこうか?」というとんでもない飲食店オーナーもいます。
以前、ありました。
金額を空白で渡したら、渡された人が5000万円という金額を書いて会社の経費にしてたんだとか。
当然税務署調査が入ったときには、白紙領収書を発行した人もこっぴどくやられました。
8位:美容室の売上ごまかし
美容室も現金商売の一つであり、売上をごまかすということが伝統的には多いですね。一説には、美容室全体の61%が売上ごまかしの経験があるんだとか。
カード売上の割合が増えている美容室は売上ごまかしは出来にくくなっていますし、スタッフ数が多いところだとそんなことをやっちゃうと従業員モラルや内部統制が崩壊するので厳しいでしょう。
となると、こういう悪事に手を染めるのは1店舗でオーナーも現場でカットしてるぜ、みたいな小規模美容室になってきます。
美容室の原価率は平均すると10%程度なので、大きな脱税は見ぬけます。
ただ、ちょっとずつ売上を抜かれるとなかなかわかりにくいのが現状です。税務調査も美容室の場合はかなり激しくて、予約表や顧客カルテ、従業員へのヒアリング等を通し徹底的に売上管理状況を調べていくでしょう。
9位:会社を小分けして消費税を脱税
富裕層が不動産をいっぱい買うような場合によくやる手ですね。消費税は年間売上が1000万円未満の場合は免税になります。
この法制度もどうかなと思うのですが、この制度を利用するために、いっぱい会社を作っていくんですね。
例えば、年間賃貸収入が800万円の小規模ビルを2棟買うとします。
2棟を1つの会社で購入するのか、1棟1社で購入するのか。
1つの会社でまとまれば売上が1,000万円を超えるので消費税納税義務は出ます。でも、これを1社1棟で購入すると売上は1,000万円未満になり消費税は免税になります。消費税率を考えるとこのインパクトの違いは大きいです。
これもやりすぎると税務調査では指摘が入る可能性があります。特定新規設立法人のテーマだけではありませんが、租税回避行為だと認定されるリスクはつきまとうでしょう。
10位:タイムサービス割引を使った風俗店の売上脱税
風俗店でタイムサービスを提供している店が多いですが、あれは顧客サービスという建前はあるものの、実質は課税逃れの一つと言われてもいます。
このタイムサービスを導入することで、何が起きるのでしょうか?それは顧客単価が全く分からなくなるということです。風俗店は究極の現金商売といわれています。なぜなら、客のほとんどは領収書を求めないからです。
なので、税務署側としては、客単価とおしぼり消費個数、ウェブ予約等から色んな情報を掴んで売上金額を推測するしかありません。
しかし、モーニングサービス等のタイムサービスをされるとこれが一気に狂います。定価提供している顧客とサービスタイム提供している顧客の違いがもう外からではわからないんです。
大阪の税理士事務所:UNITSが記載しました。独断と偏見も入っておりますので詳細は顧問税理士にお尋ねください。