最近は色々な企業で髪色や服装などに寛容になり、ネイルも色々な人が手軽にできる時代になりました。そのため、いつかは脱サラして自分のネイルサロンを持ちたいと憧れている方もいると思います。しかし、ネイルサロンを開業してみたいと思っていても、具体的に何を準備したらいいのか、どんな手続きが必要なのかわからない方も多いのではないでしょうか。
そこで、今回は脱サラしてネイルサロンを開業したいと考えている方に抑えて頂きたいポイントを紹介します。
脱サラしてネイルサロンを開業したいと思ったら|開業の方法・準備
ネイルサロンを開業すると言っても開業の方法は大きく3種類あります。共通で必要な準備と3つのそれぞれ必要な準備について紹介していきます。
共通で必要な準備
ネイリストとして施術をするために必要なものは、どこまでのクオリティーでどのような施術の種類をしたいかによって変わってきますが、無理をして揃えてしまうと費用がかさんでしまうので、まずは最低限必要なものを揃えるのが無難です。開業前に施術のために最低限必要な道具は次のとおりです。
- ジェルネイル・マニキュア一式
- 施術に使用する消耗品(コットンやアルコール等)
- 施術に必要なツール(筆やピンセット等)
- カラー見本
- UVライト
- タオル
- フットバス
- アームレスト
- ネイルマシン
店舗を持つ・自宅の一角に開設する
店舗を持つ、または自宅の一角に開設する際には準備するものは次の通りです。
施術は長時間に及ぶので、お客様に座って頂く椅子や自分が施術する際に座る椅子は疲れにくいものを選ぶと良いでしょう。またレジスターは必ず必要になりますので忘れないように準備してください。
- 机・椅子
- POS・レジスター
- デスクライト
- 収納棚
- ひざ掛け
- テレビ・プロジェクター等
- カーテン
- スピーカー
- コート掛け
- PC・タブレット等
出張サービス
出張サービスで施術する場合は、出張先によりますが施術をしにくい環境であることがほとんどです。机と椅子が合わなかったり、暗くて手元が見えにくかったり、最悪の場合コンセントが遠く施術出来ないこともあります。どんな環境でも自分が施術をしやすいように工夫して準備しておくことが重要です。
- ネイル用品収納ケース
- 手元ライト
- ポータブル机・椅子
- 集塵機
- 移動用車(交通機関でも可)
ネイルサロン開業に必要な資格|開業に資格は不要
脱サラしてネイルサロンを開業するには、当然ですがまずはネイリストになる必要があります。ネイリストは美容師等とは違い、国家資格は必要ありませんし技術さえあればネイリストとして働くことが可能です。
しかしネイリストを対象とした検定試験があり、ネイリストとしての技術の一つの指標ともなります。例えば、「JNAジェルネイル技能検定試験」、「JNA認定ネイルサロン衛生管理士」、「ネイリスト技能検定試験」です。年に何度か開催しているので興味のある方は脱サラする前に受験してみてはいかがでしょうか。
ネイルサロン開業に必要な資金|ネイルサロン開業の費用は安い
ネイルサロンを開業にするための費用は数十万円~200万円ほどとされています。上で説明したように開業方法に種類がありますので金額に大きく開きがあります。
物件費用 約0~80万円ほど
どこでもネイルサロンを開いていいわけではないので、営業目的で借りることのできる物件を探さなければいけません。立地や、引っ越し業者に支払う費用等で多くて80万円ほどかかってしまう場合もあるようです。逆に言えば、工夫次第で費用が無駄にかからないようにすることができますので、引っ越し業者等の下調べも重要です。
自宅で開設する場合や出張サービスの場合はもちろん0円です。
内装工事・インテリア 約30~70万ほど
インテリアについては、こだわりによって金額が大きく変動します。せっかく自分のネイルサロンを開くのであれば細部までこだわりたいですし、素敵な内装に惹かれて来店してもらえる可能性もあるので、費用と相談して準備することをおすすめします。
賃貸物件だと内装工事はできない場合もありますが、壁紙や床のリフォームを業者に依頼した場合の相場は30~50万円ほどになります。
ネイル物品 約20~30万ほど
最低限必要な物品は上で紹介しましたが、より良い施術をするため、お客様の要望に応えるために様々なパーツやカラーを揃える必要があります。ネイリストさんによって使用する筆や備品にもこだわりがある方は多いと思いますので、費用と相談して揃えていくことをおすすめします。
また、近年は感染対策について気にするお客様が増えているので安心して来店してもらうために感染予防対策グッズも揃えておく必要があります。
営業商材 約5~20万ほど
ネイルサロンを営業するにあたってレジスターや、クレジットカード決済システム、予約システムは必須です。昔からあるレジスターは約3~10万円ほどで、クレジットカード決済システムは約1~5万円で月々使用料や手数料もかかります。
最近は顧客管理や予約システムが搭載されたサロン向けPOSレジもあります。導入は無料ですが月々の使用料がかかってくる場合が多いので必要な設備を整えることが重要です。
広告費・サイト掲載費 約0~30万ほど
脱サラしてすぐに開業となると、店舗の従業員としてネイリストをしていた人のように馴染みのお客様がいないので、オープンしても一切お客さんのが来店しないということも起こり得ます。そのため脱サラして開業するには必ず宣伝・広告を出さなければなりません。
大手広告会社に掲載をする際は約2~30万円ほどが相場になります。
また、効果的なのはTwitterやInstagramなどのSNSでの宣伝です。無料で宣伝できますし、サロンの雰囲気を伝えやすいのでターゲットを絞って宣伝することができます。上手に活用すればたくさんの人の目にとまりやすくなり、集客が見込めます。
成功させるためには|立地や集客方法
脱サラをして開業するとなれば、当然事業として成功させたいですよね。
ただ単にネイリストとして実力があっても、効果的な集客をしなければ無駄になってしまいかねません。以下で、成功に導くために抑えて頂きたいポイントをご紹介します。
ネイルサロンのコンセプト・ターゲットを決める
まず、どのような施術をするのか、どんな雰囲気のネイルサロンにするかを決める必要があります。次に、値段を高めに設定するか低めに設定するかを決めます。それによって狙いたい顧客層も決まります。
何を自分のネイルサロンの特徴にするかを明確にして開業することが大切です。
周辺の競合店舗をリサーチする
どれだけトレンドに乗ったコンセプトであったり優れた集客をしても、既に営業しているネイルサロンが周辺にあれば顧客の取り合いになってしまいます。
コンセプトが決まっている状態であれば、物件を決める際に周辺に競合となり得るネイルサロンがないか確認しておかなければなりません。物件が決まってしまっている場合はコンセプトやターゲットをもう一度考え直す必要があるかもしれません。
集客方法を工夫する
資金についての部分で少し触れましたが、脱サラしてお客様がゼロの状態で重要になるのは何よりも集客方法です。SNS、ホームページの運用だけでは最初からたくさんのお客様は見込めないでしょう。より効果的なのは、費用はかかりますが美容業界大手の掲載・予約サイトと同時に運用することです。
また、ネイルサロンに特化した検索サイトもありますので、これらを工夫して使っていくことでたくさんの人の目にとまり集客効果を得ることができます。
ネイルサロン開業に必要な手続き|届け出は漏れなくしよう
ネイルサロンを開業するにあたり開業届を提出します。正式には「個人事業の開業・廃業等届出書」といいます。ですが、この「個人事業の開業・廃業等届出書」は開業する日に提出することが必須ではありません。提出していなくてもネイルサロンを開業することは可能となります。
「個人事業の開業・廃業等届出書」を提出するメリット
前述したとおり、開業届を出すことは必須ではありません。しかし、提出することで以下のようなメリットがあります。
- 青色申告ができるようになる
- 開業届と同時、または新規事業であれば2ヶ月以内に「所得税の青色申告承認申請書」を提出すると青色申告できるようになる
- 青色申告には最大65万円の特別控除があるため、所得からさらに最大65万円控除されるので節税効果を受けることができる
- 記帳指導を受けることができる
「個人事業の開業・廃業等届出書」を提出するデメリット
メリットはたくさんありますが、開業届を提出することによって以下のようなデメリットもあります。特に失業保険に関しては脱サラして開業する方は確認が必要です。
- 失業手当がもらえなくなる。(開業届提出時点で受給資格を失います)
- 健康保険の扶養から外れる可能性がある(明確な定義がないため、加入している健康保険に確認が必要です)
脱サラしてネイルサロンを開業する方法|まとめ
今回は、脱サラしてネイルサロンを開業する方に向けて、基本的な必要な準備・成功のポイント・手続きをご紹介しました。事前準備や手続きの確認をしっかりしておき、余裕をもって進めていけば脱サラしてすぐでもネイルサロン開業は決して難しくありません。
準備には少し時間はかかってしまいますが、自分のお店のリピーターになっていただけたり考えたデザインが気に入っていただけた時の嬉しさや達成感は、雇われて働くネイリストよりも大きく感じられることでしょう。
是非、この記事を参考にして素敵なネイルサロンを開いてくださいね。