「ネイルサロンを開業したい。だけど、失敗するのが怖いな。」

「ネイルサロンを開業して失敗しないにはどうしたら良いのかな。開業するときの注意点とか知りたいな。」

ネイルサロンを開業しようとしている人にとって、開業失敗はしたくないですよね。これから独立して、自分の力で事業を始めたい人にとって、事業失敗はしたくないものです。ネイルサロンの開業後の失敗する確率は比較的高い傾向にありますので、開業した後に失敗したらどうしようかと不安になる気持ちもわかります。

今回の記事では、ネイルサロンを開業した後にどのように失敗する傾向があるのかや、失敗しない対策について解説していきます。この記事を書いている私は、自分で開業して事業を持っており、経営をしています。私のこれまでの経験をもとに事業経営について解説していきます。

この記事を読むことで、これからネイルサロンを開業して、軌道にのせる方法や失敗するパターンや対策について理解できることでしょう。

ぜひ、今回の記事を最後まで読んでいただき、これからのネイルサロン開業に向けて役立ててもらえれば嬉しいです。

ネイルサロン経営の失敗する確率

ネイルサロンは成功すれば安定した収益を見込める業種ですが、特に開業から最初の1〜3年は失敗率が高く、全体の50%以上が廃業すると言われます。ネイルサロンは参入障壁が比較的低く、失敗する傾向が高い傾向にあります。

よくある失敗理由:

  1. 立地選びの失敗 
  • 人通りが少ない/ターゲット層が合わないエリアを選んでしまう

  • 資金繰り・経営知識の不足 

 

  • 初期費用やランニングコストを見誤る
  • 売上があっても利益が出ないケース

  • 集客がうまくいかない 

 

  • SNSやホットペッパーなどでの宣伝が不十分
  • リピーターが定着しない

  • 技術や接客スキルの不足 

 

  • 顧客満足度が低く、リピートにつながらない
  • 価格設定のミス 
    • 安すぎて利益が出ない or 高すぎて顧客が離れる

ネイルサロン経営を失敗に終わらせないために、ネイルサロン開業前にチェックすべきことや準備計画を入念にやることが大切です。

ネイルサロン開業の注意点

ネイルサロンを開業する際には、夢や理想だけでなく現実的な準備と戦略がとても重要です。以下に、ネイルサロン開業時の主な注意点を分かりやすくまとめました。

ネイルサロン開業の注意点(全体像)

① 【立地選び】が売上を左右する

  • ターゲット層に合ったエリアか? 
    • 例:OLがターゲットならオフィス街や駅近、主婦なら住宅街近く
  • 家賃は売上の25%以内に抑えるのが理想 
  • 競合サロンの有無・差別化できるか? 

② 【資金計画】が甘いとすぐに詰む

  • 初期費用(内装、備品、広告)だけでなく、数ヶ月分の運転資金を確保 
  • 家賃、光熱費、材料費、広告費、人件費など固定費・変動費を明確に
  • クレジット決済やキャッシュレス導入費も見落としがち

③ 【資格・届出】は忘れずに

  • ネイルに国家資格は不要だが、信頼や技術証明のためには民間資格が有効
  • 開業届の提出(税務署) 
  • 保健所への申請が必要なケースあり(特に美容所扱いにする場合) 

④ 【価格設定】とメニュー構成が重要

  • 地域・ターゲット層・技術に合った価格帯に
  • 安すぎると利益が出ず、リピート率も低下しやすい
  • オプションや季節限定メニューで客単価アップを狙う

⑤ 【集客・リピート施策】が鍵を握る

  • 開業当初は知名度ゼロ → SNS(InstagramやLINE)と口コミが重要 
  • ホットペッパービューティーなど集客サイトの活用も
  • 来店後のフォロー(お礼LINE、次回予約)でリピート率UP

⑥ 【顧客管理・衛生管理】は信頼の基本

  • カルテ管理・リピート履歴をしっかり記録
  • 器具の消毒、衛生管理は徹底(保健所のチェックもある場合あり)

⑦ 【長時間労働・体調管理】にも注意

  • 1人経営だと休みが取りづらい → スケジュール管理が重要 
  • 腰痛・目の疲れ・手荒れなど、体のケアも忘れずに

ネイルサロン開業で失敗するパターン

ネイルサロンの開業で失敗する人には、共通する「パターン」や「落とし穴」があります。特別なケースではなく、よくある典型的な失敗例ばかりです。これらを知っておくことで、失敗を回避しやすくなります。

ネイルサロン開業でよくある失敗パターン7選

①【なんとなく開業】してしまう

✅「ネイル好きだし、資格も取ったし、あとはお店を出せばOKでしょ?」

  • 好き=経営ができる ではない
  • 「経営戦略」「収支計画」「ターゲット設計」が甘いと失敗する
  • 特に「なんとなく一等地で開業」は要注意(家賃倒れの典型)

②【資金が足りずに詰む】

✅「自己資金で足りると思ってたけど、広告費や備品代で予想以上に出費が…」

  • 初期費用だけでなく「開業後3〜6ヶ月の運転資金」も必要
  • 売上が軌道に乗るまでの“耐久力”がないとすぐ閉店に
  • 設備や内装にかけすぎて、広告・集客に手が回らない人も多い

③【集客がうまくいかない】

✅「オープンしたけどお客さんが全然来ない…」

  • 「オープンしたら自然とお客が来る」は幻想
  • SNS・ホットペッパー・口コミ・紹介…複数の集客経路が必要
  • ターゲット設定があいまいだと、響かない宣伝になる

④【価格設定ミスで利益が出ない】

✅「安くすれば来てくれると思ってた。でも働けど儲からない…」

  • 安すぎると利益が出ず、体力だけ削られる
  • 適正価格+オプションメニュー+リピーター対策が重要
  • 自分の時給を意識して計算しないと「働き損」になる

⑤【リピーターが定着しない】

✅「新規は来るけど、2回目以降につながらない…」

  • 接客・仕上がり・空間づくり・予約のしやすさなど、総合力が必要
  • アフターフォロー(LINE・クーポン・お礼メッセージ)をしていない
  • 「安いから来た」お客様は、価格を上げるとすぐ離れる

⑥【時間・体力の限界】

✅「毎日朝から晩まで働いて、休みも取れず体がもたない…」

  • 特に1人サロンは、予約・施術・掃除・仕入れ・経理…全て自分
  • 長時間労働でモチベーションも体力も限界に
  • 将来のビジョンがないと、続かなくなる

⑦【事務・経理・税金を軽視】

✅「売上はあるのにお金が残らない…確定申告もよくわからない」

  • 帳簿をつけない、経費を把握していない、税金対策ゼロ
  • 税理士に相談せず、損してるケースが多い
  • 開業届や青色申告の準備を忘れると後々困る

ネイルサロン開業を成功させるためには

ネイルサロン開業を成功させるためには、「技術」だけでなく、「経営」「集客」「継続力」のバランスが非常に重要です。以下に、成功しているネイルサロンが実際にやっているポイントを体系的にご紹介します。

ネイルサロン開業を成功させるためのポイント8選

①【明確なターゲット・コンセプトを持つ】

成功しているサロンは「誰に何を提供するか」がハッキリしている

  • 例:
    ❌「誰でも来てください」
    ⭕「30代女性OL向け/仕事帰りに気軽に通えるネイルサロン」
  • コンセプトを明確にすることで、SNS・メニュー・内装まで一貫性が生まれる

②【適切な立地選び】

立地は「人通り」よりも「ターゲット層との相性」が大事

  • 駅近 or 自宅兼サロン など、立地によって戦略が変わる
  • 周囲の競合調査も忘れずに(価格帯、メニュー内容など)

③【技術力+接客力のバランス】

ネイル技術だけでなく、「人としてまた会いたい」と思わせる接客がカギ

  • 丁寧なカウンセリング・安心感ある対応がリピートに直結
  • 技術面では、トレンドに乗り遅れないように勉強を継続

④【リピーターを育てる仕組みづくり】

リピート率が売上の安定化に直結

  • 来店時に次回予約を提案する
  • LINE公式アカウントなどでフォロー(お礼メッセージ、キャンペーン案内)
  • ポイントカードや紹介制度も効果的

⑤【収支管理と価格設定をしっかり】

安すぎると疲弊、高すぎると来ない。自分の「時給計算」が基本。

  • 「1人で1日○人施術するとして、利益が出る料金設定か?」を見直す
  • 客単価アップのためにオプション・コース化を検討
  • Excelや会計アプリで月次管理(freee、マネーフォワードなど)

⑥【SNS・口コミでの集客力】

特に個人・小規模サロンではSNSが最大の武器に

  • Instagramで「ビフォーアフター」「デザイン集」「ストーリーズで空き状況」などを発信
  • 口コミのお願い(Google、ホットペッパー、LINEなど)
  • 顔出し・お客様の声の掲載で信頼感UP

⑦【小さく始めて、徐々に拡張】

最初から大きく始めず、「失敗しないサイズ感」でスタート

  • 自宅サロンやレンタルスペースから始めてもOK
  • 固定費を抑え、黒字化しやすい仕組みを最初から作る
  • 売上が安定してから、スタッフ雇用や移転を検討する

⑧【自己ブランディングと差別化】

「あなたから買いたい」と思わせる魅力を発信

  • プロフィール写真、店内の雰囲気、対応の丁寧さなども含めて“ブランド”
  • 他サロンとの差別化ポイントを作る(例:深爪矯正専門、持ち込みアートOK、ママ向けサロンなど)

ネイルサロンを安定的に経営するために

ネイルサロンを安定的に経営するためには、単に技術が高いだけではなく、経営的な視点やマーケティング力、顧客管理など多方面での工夫が必要です。以下にポイントを整理しました。

■ 安定経営のためのポイント

  1. リピーターの獲得と顧客満足
  • カルテの管理:来店履歴や好み、会話内容を記録しておくことで、次回来店時に活用できます。
  • 丁寧なカウンセリング:信頼感を築くために、施術前にしっかり話を聞く。
  • アフターフォロー:LINEやSNSなどで施術後の感想を聞いたり、次回予約の提案をする。
  1. 適切な価格設定
  • 安すぎると利益が出ない、高すぎると新規が来ない → ターゲット層に合った価格を設定。
  • 定額プランやお得なコースを用意して、通いやすくする。
  1. 技術力とトレンドへの対応
  • 常に技術向上を目指す(セミナーや勉強会に参加)。
  • SNSやネイル雑誌でトレンドをチェックし、サンプルチップを更新。
  1. SNS・WEB活用での集客
  • Instagram・TikTok・LINE公式アカウントを活用。
    • ビフォーアフター写真
    • デザインの紹介
    • お客様の声
    • キャンペーン告知
  • Googleマップ・ホットペッパーなどの口コミも重要。
  1. 衛生管理・安心感の提供
  • 清潔な店内、器具の消毒などを徹底。
  • お客様が「また来たい」と思える安心感を提供。
  1. 売上の安定化(収益構造の見直し)
  • 施術+物販(ケア用品・ネイルオイルなど)の導入。
  • 回数券や月額制プランで安定収入を確保。
  1. 予約管理と稼働率アップ
  • 予約の隙間を減らすためのスケジュール調整。
  • 直前キャンセル対策(キャンセルポリシーの明示)。
  • サロンの稼働時間の見直し。
  1. スタッフがいる場合は人材育成も重要
  • 教育体制を整える。
  • スタッフのモチベーション管理、働きやすい環境づくり。

ネイルサロン開業を成功させているパターン

ネイルサロン開業で成功している人にはいくつかの共通パターンがあります。これらは「ただ開業する」だけでなく、「持続的に集客・売上を伸ばし、安定経営につなげている」ケースです。

・成功しているネイルサロン開業のパターン

①【明確なターゲット設定 × 専門性】

  • 例:オフィスネイル専門/シンプル上品系に特化 
  • 「誰に・どんな価値を届けたいか」が明確で、広告・デザイン・サービスが一貫。
  • 客層がブレずに、固定客がつきやすい。

🔸成功ポイント:

「なんでもやります」より「このジャンルならこの人」と覚えてもらえる強みが大事。

②【SNS発信力 × ブランディング力】

  • Instagram、TikTokなどを活用し、「見た目も世界観も統一感」がある。
  • 投稿頻度が高く、ストーリーズやリールで日常やプロセスも見せて親近感UP。
  • 顔出し・自己紹介も上手く、“人にファンがついている”

🔸成功ポイント:

デザインだけでなく「このネイリストにやってもらいたい」と思わせる存在になる。

③【ホームサロン→顧客が定着→テナントへ拡大】

  • 最初はコストを抑えて自宅やレンタルスペースでスタート。
  • 技術+接客+予約管理の経験を積みつつ、口コミや紹介でリピーターを増やす。
  • 顧客が安定したタイミングで店舗へ移行。

🔸成功ポイント:

固定費をかけすぎず、顧客数を見極めてステップアップ。

④【他店との差別化が明確】

  • 例:育爪・深爪矯正に特化/韓国ネイル専門/巻き爪ケアも可能 など。
  • 単に「ネイルをキレイにする」だけでなく、+αの価値を提供

🔸成功ポイント:

差別化ができると「選ばれる理由」が明確になり、価格競争にも巻き込まれにくい。

⑤【接客・おもてなしの質が高い】

  • 丁寧なカウンセリング/サロン空間が心地よい/施術中の会話バランスが絶妙。
  • 「行くと癒される」「あの人にまた会いたい」と感じる心理的価値。

🔸成功ポイント:

技術が同じなら、選ばれるのは“人”。お客様は気持ちの良い時間にお金を払っている。

⑥【数字(売上・客単価・回転率)を意識している】

  • 自分の月売上目標、客単価、リピート率などを数値で把握。
  • 数字をもとにメニュー改定、予約枠調整、キャンペーンのタイミングを戦略的に実施。

🔸成功ポイント:

「感覚」ではなく「戦略」で経営している。

まとめ

今回の記事では、ネイルサロン開業を失敗しない方法について解説していきました。今回の記事のポイントは以下の通りです。

・ネイルサロンは開業から最初の1〜3年は失敗率が高く、全体の50%以上が廃業する。

・ネイルサロンは夢ややりたいことだけを詰め込むのではなく、事前に資金計画や運営計画を立てることが大切。

・ネイルサロンを安定的に経営するために持続的に集客・売上を伸ばしていく施策を打つことが大切。

いかがだったでしょうか。

ネイルサロンの経営は、自分でお店を作ることで、自分のやりたいことや好きなことを詰め込める楽しさはありますが、しっかりとした事業計画を持たないと、廃業のリスクもあります。失敗する確率も高いので、十分に計画を立てていきたいところです。

今回の記事を読んで、ネイルサロン開業失敗を避けるために、必要なことを学んでいただき、これから開業する方やすでに開業している方に少しでも参考になれば嬉しいです。