決算期の変更って簡単にできるの?

質問日:2009/03/01
諸事情があって決算期の変更をしたいのです。簡単にできるの?


実は簡単です!

回答日:2009/03/04
★まずは株主総会の決議が必要です。議事録を作成するということですね。定款に営業年度を定めるケースが今は一般的ですが、定款を変更するには株主総会の特別決議が必要です。
総会の決議により、営業年度変更の手続は完了します。ただし株主総会特別決議によって、定款を変わりませんので注意が必要です。
また、営業年度は登記事項ではないので、法務局への手続も不要です!

★その後、関係官庁へ届出が必要です。
株主総会の議事録コピーを添付して、所轄税務署、都県税事務所、市役所にその旨の届出をします。

<注意!>
届出期限がないので、決算期後であっても申告期限前なら決算期変更は可能です。つまり、決算数値に合わせた決算期変更もできるということですね。

★効力は未来に向かってのみ発生します。これは要注意です!

◆12月決算の会社が、9月に決算月変更の届をした場合、次の12月までの1年間は通常の決算です。その後1月~9月までの決算を行います。

◆1年未満の営業年度の留意点は結構あります。
①交際費の400万円控除枠は1年当たりの限度額ですので、1年未満の決算の場合には月数按分をすることが必要です。
②減価償却や地方税の均等割りも同様に月数按分が必要ですね。
③消費税の各種判定も逆の意味で同様です。基準年度が8ヶ月しかなかった場合は、8を乗じて12で除した額で検討します。

法人税の節税の王道とは??

質問日:2009/03/02
株式会社を経営しています。素人でも簡単にできるような節税方法って何かあるのでしょうか?

法人税の節税の王道は役員報酬です!

回答日:2009/03/19
法人税の節税を考える上で、最も基礎となる要素、最も効果のある要素、それは間違いなく役員報酬です。

役員報酬の金額を適正に設定できれば、法人が支払うトータル税額は圧倒的に安くなります。
これ以上の節税効果はないといっていいでしょう。



★そもそも役員報酬って・・・???

役員報酬には、定期同額給与、事前確定届出給与、利益連動給与の3つがあります。
この3つに該当する適正額の役員報酬は法人税法上、損金計上可能です。

この中でも実際の中小企業に関わりの高い「定期同額給与」を見ていきましょう。

◆定期同額給与って・・・??
→ざっくり言うと支給時期が1か月以下の一定期間毎である給与で、各支給時期における支給額が同額。 

改定は以下の場合に認められます。
◆会計期間開始の日から3か月を経過する日までにされた定期給与の額の改定。
◆役員の地位の変更、職務の内容の重大な変更等(臨時改定事由)により額の改定。
◆法人の経営状況が著しく悪化等(業績悪化改定事由)により額の改定。



★どうしてこれが節税につながるの??

役員報酬を上げれば利益が下がります(つまり法人税額が減ります)。
役員報酬を上げれば報酬に係る所得税・住民税は上がります。

法人からのトータルの支出税額を考えるとき、法人税のみならず所得税・住民税も考慮しなければなりません。

役員報酬の額を調整することで、法人税・所得税・住民税の額が変化するんですね。

で、ここで面白いのは、法人税の税率の上下変動と、所得税のそれとは異なった動きをします。

ですので、役員報酬を調整することによって、最低の税額支出点というのがあるんですね。
 
但し、問題は、役員報酬は年度開始の3ヶ月以内しか変更できないこと。
決算の最終利益が決まってから役員報酬を変えていくなんていう調整はできないんですね。


だからこそ、期首段階で、該当期の業績シュミレーションができるかどうか。
これが節税のための最大の作戦になります。
 

出張手当=税金なし?無税?

質問日:2009/03/12
以前、出張手当をうまく使えば節税できると聞きました。具体的にはどういうことなのでしょうか?

出張手当は大きな節税効果があります

回答日:2009/03/20
出張の多い会社は「出張日当」を支給することによって
思った以上に大きな節税が可能です。

★この日当は実質的なポケットマネーであるにもかかわらず、個人の所得税の対象にはなりません。

★法人税の損金算入可能です!
福利厚生費等の勘定で処理していることが多いですね。福利厚生費以外でも勘定科目使用の場合も勿論多いです。

★消費税の課税対象です!

★あくまで業務遂行に関わる分のみです。個人旅行等の場合の日当は給与認定されますので、注意が必要です!

<条件>
●出張日当を経費にするには、社内で「旅費規程」を作成する必要があります。
旅費規程の中で、役員や従業員の出張に際して、日当を支給する旨の規定を設けます。
業界によって相場も異なるようですが、宿泊ありの場合、役員で15,000円程度、従業員で5,000円程度が多いようですね。
(役員だけ著しく高い場合は否認されると思います)
↓
旅費規程内の出張手当の決め方
例えば、宿泊をする場合、しない場合に分けて、社長、役員、部長、課長等、役職に応じて決めるのも一手です。


●出張精算書の提出があること。
当然ですが、ホテルや電車の領収書を添付(貼り付ける)等して、その出張の実態をしっかりと示しましょう。
 ↓
「カラ出張」の可能性があるので、税務調査ではかなり細かく見られます。
もし否認されると、出張旅費が社員への賞与として源泉徴収の対象となります。
また、仮装・隠ぺいによる重加算税が会社に課税される可能性も高いです。
加えて、出張の名目で取引先とゴルフに行ったような場合は、宿泊費や交通費も含めてすべてが交際費課税の対象となってきますのでかなり注意が必要です。
 

●あくまで出張手当は、交通費や宿泊費とは別に食事代等に経費に充当するための性質がありますのでヤリスギはよくないです。



<事例>
高い役員報酬の経営者等の所得税の税率は40%もかかってきます。
住民税も合わせると50%を超えてしまいますね。例えば、こういう経営者に100 万円分の給与を上乗せしたら50 万円は所得税でもっていかれます。
ところが、この100万円が旅費日当だったら、所得税はかからないので、100 万円が全て手元に残るんですね!

<社会保険について>
実費弁償的な性質がある出張日当については、社会保険算定の基礎である標準報酬の範囲外として捉えることも可能ですが、
日当としての性格を保有しているのであれば、範囲内として考えるほうが安全ともいえます。