社会保険料算定の報酬の範囲はどこまで?

  • 屋根の修理会社です。社会保険料を算定するための報酬にはどんなものが含まれるのでしょうか?所得税の報酬とはまた違うのでしょうか?

違います。社会保険独自の算定方法があります!

    


★社会保険料算定基礎として報酬となるもの

●基本給(月給、週給、日給) ●家族手当、住宅手当、通勤手当、食事手当、役付手当、職階手当、早出手当、  残業手当、皆勤手当、能率手当、生産手当、休業手当、育児休業手当、介護休業手当、  各種技術手当、特別勤務手当、宿日直手当、勤務地手当等   ●年4回以上支給される賞与     ●現物支給分  食券、社宅や寮、通勤定期券(回数券)等

★社会保険料算定基礎として報酬とならないもの

●労働の対象ではないもの  解雇予告手当、退職金手当、結婚祝金、災害見舞金、病気見舞金、  慶弔費、年金、恩給、健康保険の傷病手当金、休業補償給付、 ●臨時的性格のあるもの  大入袋、出張旅費  ↓  出張旅費ですが明確な規定の基に出張旅費として支払っていない場合、  つまり、給料の一部として支払われる場合は報酬に含まれます。  出張日当等も経費補填的な性格で臨時的であれば報酬に含まれませんが、  実質的に給料と見なされれば報酬に含まれると解されます。 ●年3回まで支給される賞与 ●現物支給分  食費(本人からの徴収額が標準の2/3以上の場合)  住宅(本人からの徴収額が標準以上の場合)  事務服、作業服等の勤務用の衣服

夫婦で会社経営。社会保険、安くならない?

  • 夫婦でタクシー会社を経営しています。夫婦ともに会社の役員になっているので社会保険料がすごく高くなってます。何とか節約の方法はありませんでしょうか?

節約のやり方はいくつかあります!

    


★小さな会社にのしかかる社会保険料負担

●旦那さんが代表取締役で、奥さんが取締役。  こんな会社はびっくりするぐらいいっぱいあります。  ↓  単純に夫婦で毎月100万円の役員報酬をゲットする場合の社会保険料は  個人負担約110万円、会社負担110万円で合計で220万円は負担しなければなりません。   ●社会保険料の削減はまず役員から!  ↓  これは鉄則です。従業員の場合は労働条件の不利益変更等で就業規則の変更、  労働者の同意が必要になります。役員なら取締役会決議で簡単に動けます。  

★社会保険料の削減手法

●旦那さんも奥さんも常勤取締役となると二人とも被保険者となり  社会保険料を負担しなければなりません。  ↓  そこでお勧めは奥さんを「非常勤取締役」にしてしまう方法です。  ↓  社会保険は所定労働時間の3/4未満であれば加入できないので、  (1日6時間未満or週勤務4日未満or月勤務16日未満にすれば)  ↓  これで奥さんは社会保険料負担から逃れられます。 ●注意点  ①あくまで実態が非常勤でなければなりません。   毎日労働しているような場合は実態判断でアウトになります。    ②非常勤役員としての報酬が過大にならないようにする。    ③臨時取締役会を開催し、議事録を残す。  

★60歳以上の人にはより有効になります

●60歳以降の奥さんが常勤役員から非常勤役員になった場合  ↓  社会保険の被保険者から外れます。  ↓  年金が満額受給できるようになります。 ●60歳以上の方で、役員報酬が高額であれば在職老齢年金の  支給が停止することはしっかり知っておくべきですね。

傷病手当金は知ってるとお得ですか?

  • ワンタンの製造メーカーです。先日役員が心筋梗塞で倒れ数ヶ月仕事ができていません。傷病手当金がもらえると聞いたのですが本当でしょうか??

意外に知らない人・忘れる人が多いですね

    


★社会保険の傷病手当金について

●病気休業中に被保険者とその家族の生活を保障するための制度。  ↓  病気やけがで会社を休み、事業主から十分な報酬が受けられない場合に  支給されます。  (任意継続被保険者の場合は原則ダメです)

★傷病手当金の要件

●被保険者が病気やけがで働くことができず、  会社を休んだ日が連続して3日間あった場合、  4日目以降の休んだ日に対して支給されます。  ↓  しかし、休んだ期間に事業主から傷病手当金より多い報酬を受けた場合はダメです。

★傷病手当金の金額

●1日につき、標準報酬日額の2/3。  ↓  ただし、以下のように他の支給がある場合は差額だけが支払われます。  ①事業主から報酬を受けている場合  ②同一の傷病により障害厚生年金・障害基礎年金を受けている場合  ③退職後、老齢厚生年金や老齢基礎年金又は退職共済年金等を受けている場合

★傷病手当金の現実

●請求権利があるのに受給していないケースが非常に多いです。  ↓  理由は簡単で、『請求しなければもらえないから』です。 ●経営者や役員の場合  ↓  役員報酬は年間で固定されていて簡単には変えられないのが原則です。  でも労務の提供がないのであれば、役員報酬の減額は可能です(条件はありますが)  ↓  この場合、報酬を減額すれば、当然ですが手当金の請求ができます。 ●役員や経営者の応用バージョン  役員報酬を月100万円もらっている人が病気で1年間休業した場合  ↓  役員報酬をゼロにします。  ↓  でも、傷病手当金として800万円ほどもらえます。  加えて会社から見舞金として月●万円支給します。  これによって手取り額はほとんど同じに設定できます。  ↓  見舞金は福利厚生費として会社の経費にできます。  また所得税法上は非課税なので役員にもメリットがあります。  (金額の妥当性は問われるので、慶弔見舞金規定の作成は必須ですね。