税務調査が取引先に飛び火する??

  • マンホールの設置業務の会社を大阪で経営しています。先日税務調査が入って取引先にも後日調査を行うという話がありました。これって断れないのでしょうか?

いわゆる反面調査といわれるものです

    



★反面調査をご存知でしょうか?

●例えば、あなたの会社がA社から100万円の仕入をしたとしましょう。そうすると、A社には売上が100万円計上されているはずですね。  ↓  当たり前のことですが、実態として適切な処理ができていないケースが多いようです。理由は簡単で、やっぱり社外関係を含めた辻褄合わせってなかなか難しいからです。両社には個別の色んな事情がありますから。  ↓  で、これを確かめに行くのが反面調査といわれる手法です。  といっても、やってることは単純で、あなたの会社のA社からの仕入100万円を見て、A社にちゃんと売上100万円が計上されているかをA社に行って確かめるというものです。  ↓  あなたの会社の処理が完璧で信用に足るという場合ではその帳簿を信じるだけの話なのですが、それが架空仕入だという可能性があれば、A社への調査を敢行することだってあるんです。    

★反面調査には多くのデメリットがあります

●反面調査は会社にとってかなりのリスクがあります。  A社から見ると「あなたの会社がきっちりしてないからうちも税務調査が入った」と思われるからです。  そうなんです。信用がなくなるリスクが結構あるんです。  ↓  人間的なつながりも薄く取引ボリュームも小さいような相手先であればいいのかもしれませんが、例えば自社売上の90%を占めるような大口得意先へ反面調査が入るなんてことになると大変なことです。大口取引先が「あなたの会社のおかげで徹底的に調べられた。もう取引したくない」なんて言い出したら会社経営の根幹を揺るがします。  ↓  実際、反面調査の影響で会社がつぶれるケースもあったりします。  

★反面調査に対抗する手段はあるのか??

●そもそもの反面調査の趣旨  ↓  会社が領収書や請求書や伝票等の証憑を残していない場合に、相手先の帳簿状況を確認した取引の心証を得るものです。  そうなんです、証拠がないから相手先の帳簿を確認するってことなんですね。  ↓  でも、証憑が揃っている場合でもゴリ押しして、相手先に調査に行こうとする税務調査官がいたりします。  ↓  この場合ははっきり断るのも一手です。断るためにも正当な理由をしっかり持ちましょう。それは「7年間の証拠書類をきっちり残す」。ただ、これだけです。  

関係会社があれば税務調査は要注意?

  • 狸や鼠の調査会社を奈良市で経営しています。関係会社があって取引が多いのですが税務調査では細かく見られるのでしょうか?

はい!かなり細かく理論武装しましょう!

    



★関係会社がある場合は税務調査で必ず突っ込まれます

●最近は小企業でも事業毎に会社を作ったりして、関係会社取引も増加傾向にあります。社長が一人で5社持ってるなんてことも稀ではないですね。  ↓  このケース、税務調査時にはかなり細かく見られます。  理由は簡単で、関係会社間の取引は金額もタイミングも内容も実在性も全部自由に決めちゃえるからです。  ↓  じゃあ、どうすればいいのかという点ですが、集約すると以下の1点です。  「関係性のない第三者の会社ともこの条件で取引を行うかという合理性がある」かどうか。これだけですね。  これを外さなければ大きな問題にはならないはずです。  ↓  □取引の内容、実在性  □金額の妥当性  □取引のタイミング  この3つはしっかり意識しましょう。  

★具体的にどうすればいいか

●これは難しい問題ですね。取引毎に必要な証憑も異なってくるので。汎用性の高いポイントは必ず抑えるようにしましょう。  「経済合理性があるかどうか」。これだけはずっと意識しましょう。   ●領収書や請求書や契約書等の普通ならあるべき証憑は存在するか? 第三者との取引であれば必ずありますよね。これがなければ実在性すら疑われます。 ●例年の計上額より大きくなっているか?  例えば、関係会社のA社に今期はいっぱい売上げ売掛金が大きくなっていると決算書を見ればその不規則性に気づかれます。  ↓  なぜ、今期は関係会社への取引が大きくなっているのか、という問いへの答えを用意する必要がありますし、それを聞きたくて税務調査を仕掛けてくる場合もあります。  決算書で大きな数字の変動がある場合は、「どうして?」という疑念を抱かせやすくなってしまいます。もちろん、合理的な理由が説明できれば問題はありません。   ●重加算税リスクも考える!  税務調査で不正とみなされると重加算税が課税されます。本税×35%(or40%)の税金が余分にかかってきます。  当然ですが、延滞税も必要になります。  どうしても関係会社があると、指摘の可能性が高くなるのでこのリスクも頭に入れるべきですね。 ●税務調査の頻度が高くなる!  関係会社の存在が明らかになると税務調査の頻度が高くなることが多いです。

税務調査で準備する資料は何ですか?

  • シャンプーとリンスの原材料を製造している神戸の会社です。もうすぐ税務調査が入るのですが準備すべき資料は何でしょうか?

ケースバイケースですが多岐に渡ります!

    



★大抵の税務調査では事前連絡があります

●普通は税理士経由で税務署から連絡が入ります。  ↓  税務署からの連絡と実際の税務調査日の間にはラグがあります。  税理士の予定及び会社の予定の調整結果で調査日が決まるからです。ある程度余裕を持って日程調整しましょう。  そして、このラグを利用してやるべきことを詰めていきましょう。  ↓  通常は本社で行いますが、スペースがなければ貸会議室等で対応するケースもあります。税務署と交渉しましょう。    

★事前準備のために税務署に問うべき事項

●税務調査の対象税目を聞く!  ↓  全税金を調べるということはまずありません。調査の税目を税務署に問い合わせましょう。その上でまずは該当税目の資料から優先的に揃えるべきですね。   ●税務調査の対象となる年度を聞く!  ↓  一般的には3期分と言われますのでその期間分だけを揃えましょう。   ●税務調査官の名前や人数等を聞く!  ↓  調査規模もわかりますし、最近では情報専門の調査官もいたりします。ネット関連やIT分野等のチェックを行う目的があることが推測できたりしますので、どんな人が来るかというのは実は結構大事です。    

★実際に準備すべき資料

●会社の基本事項となる部分  ↓  定款、登記簿謄本、株主総会議事録、取締役会議事録、組織図、株主名簿、社内規程 ●会計・税務に関する部分  ↓  決算書、税務申告書、各種届出書、総勘定元帳、各種伝票、売掛台帳、買掛台帳、在庫表     ●労務に関する部分  ↓  給与台帳、タイムカード、扶養控除等申告書、社会保険関連資料、就業規則 ●キャッシュフローに関する部分  ↓  現金出納帳、通帳、小切手帳、手形帳、 ●取引に関する部分    契約書、稟議書、見積書、納品書、請求書、領収書