このページをまとめると・・・・
- 税務調査官は通常何人で調査に来るのか?
- 租税回避行為とは何を指すのか
こんにちは、姫路の税理士の佐藤です。
今回は「税務調査時の調査官は何人でくるの?」「税務調査官に租税回避行為と言われたけどどういうこと?」という人向けに書いてみました。しっかり読めば、税務調査時の調査官の人数で調査レベルが予測できますし、租税回避行為という大義の内容の理解も深まります。
税務調査官は通常何人で来るのか?
- 大阪市内で焼き屋をフランチャイズ経営している会社です。設立3年目なのでそろそろ税務調査かなと思っています。調査官は何人ぐらいで来るのですか?
2名が基本ですが1名のときもありますね。
★一般的には二人一組で来る場合が多い
●税務調査官は多くの場合、二人一組で来ます。 (規模が小さい会社であれば一人で来るケースもありえますが) ↓ 最近多いのがベテラン+若手の組み合わせ。この場合は、若手の指導も兼ねていると思われます。 ↓ ベテラン2名という組み合わせも勿論あります。これはイコール=即戦力2名ということなので、かなり本気モードです。こっちも覚悟が必要になります。 ↓ 若手2名の場合もあるようです。 これは、教育指導が終わった現役バリバリの2名なのでかなり熱い調査になる可能性が高いです。 現役バリバリ世代は出世欲も大きいのでがむしゃらに調査してくるケースが多く、トラブルになる可能性が高いのもこの組み合わせのパターンかもしれません。 功を焦ってムチャを言ってくる可能性があるので対応は冷静に行わなければなりません。★最近よく聞く一人訪問
●税務調査官と調査件数の対比で考えると、特にここ最近は税務調査官の不足が顕著になってきているといわれています。 ↓ これはつまり調査官が一人で乗り込んでくる可能性があるのです。現役バリバリのやり手の若手やベテランさんが一人で乗り込んでくる分にはまだ戦闘態勢に入れる分、 幸せかもしれません。 ↓ とんでもなく実力不足の人間が来る場合もあるようで・・ 一人では何の決断も能力も持ち合わせていないパターン。 何を言っても上司に確認が必要だとか、上司にこう言われたとか、そんなことを延々と言ってる人です。 ↓ こういう場合は、上席者を現場に呼んでもらうに限ります。話ができないので上席者に来てほしい。これです。
ある税理士の全顧問先に調査が入ることはある?
- 姫路で写真屋を営んでいます。同じ税理士の顧問先の多くに税務調査が入ったと聞いたことがありますが、こういうことって本当にあるのでしょうか?
ありうる話だと思います
★税理士は毎年税務署に顧問先リストを提出している
●税理士は毎年顧問先リストの提出を税務署から求められています。まともに回答している税理士も多いようで、税務署側がこの書類によって、各税理士の顧問先一覧を把握していると言われています。姫路で税理士をしている弊社は出しています。 ↓ ちょっと賢い税理士は、この資料を提出していません。 なぜならこれを提出するのは法的な義務ではないので断ることもできちゃうからです。★税理士からの顧問先リストが税務調査に利用される
●税理士から提出されたこの資料はデータベース化されています。 ↓ ある税理士の顧問先で脱税が発覚したような場合、調査の目はこの税理士の他の顧問先でも行われているのではないかという点にシフトします。 こういう場合に、このデータベースからこの税理士の顧問先リストを取り出し調査が行われる可能性も高くなってきます。 ↓ 真面目にやってる会社さんから見れば迷惑な話ですね。 ↓ ただ、事実として税務調査が税理士別で入る可能性もあると いうことですね。注意しましょう。
租税回避行為って聞いたことありますか?
- ロンドンとチューリッヒと京都・奈良を拠点に旅行代理店業を営んでいます。この前の税務調査で租税回避行為が見つかったといわれました。これって絶対アウトなのでしょうか?
税務調査時に言われることがあります!
★租税回避行為って・・・・・
●意図して納税を回避する行為のことです。 ↓ 世の中では節税や脱税といった言葉がよく聞かれます。 イメージ的には節税とは合法で、脱税になると違法、そんなところでしょうか。 ↓ 租税回避行為には明確な定義はありませんが、ざっくりいくと法律違反はしていないけれども明からに納税を回避しようとする行為と認められるもの。 ↓ 個別的な行為には違法性はないといえる場合であっても行為トータルで考えると「課税要件の充足を避けることによる租税負担の不当な軽減又は排除」といえるような場合、このときは、租税回避行為と考えられます。★租税回避行為という言葉で追徴を狙う税務調査
●税務調査時にも租税回避行為を否認できるのか? 一般の人は税務調査官が租税回避行為だ!と言われると「はい」となってしまうケースが非常に多いですね。 ↓ しかし、そんな簡単に税務調査官が租税回避行為として否認することはできないんですね。以下のいずれかに該当しないとダメです。 □その行為が認められないという法律が存在 □同族会社の行為計算否認規定による否認 ↓ 租税回避行為だといわれたら、「何が根拠か」を問うて下さい。調査官も簡単には答えられない場合が多いです。 ↓ 租税回避行為は全部がダメというわけではないんです!! ●しかし、租税回避行為としてその時は否認できなかったとしても色んなリスクはあります。例えば意図的な行為で消費税の還付が発生して喜んでいる納税者がいるとしましょう。もちろん、法律がなければ租税回避行為として否認されることもありません。 ↓ しかし、例えば消費税の還付を受けた法人は税務署の消費税還付法人データに登録されます。これはつまり、税務調査の期間が短縮される可能性が高くなることを意味します。