【3分で分かる】弥生会計の日本一簡単な入力方法シリーズ
①弥生会計をインストールしたらすべきこと
●まずは、会社のデータベースを作りましょう。
●「ファイル」から「新規作成」をクリックします。
●「新規にデータを作成する」をクリックし、事業所名を入れます。つまり会社名ですね。
●その後は「法人/一般」or「個人/一般」を選ぶことが多いですね。ここでは「法人/一般」を選びます。
●次の画面では期首日を入れます。ここで注意してほしいのは、期首日とは会社設立日ではありません。通常の年度の期首の日付を入れてください。
例えば、3月決算の会社で4月18日設立であれば、期首日は4月1日になります。つまり期首日は23年4月1日と入力します。
●後は、何もせずに「次へ」をクリックしていきましょう。
●最後に「作成開始」を押せばデータベースが作成されます。
●「完了」ボタンを押す前に、「消費税設定」があります。ここを忘れずにクリックです!「課税」か「免税」を選びましょう。
「課税」の場合は「本則課税」と「簡易課税」のどちらかを選ぶ必要があります。全部終わったら「完了」ボタンをクリックします。
●これでデータベースが完成です。
②弥生会計の補助科目の設定
<動画をご覧頂く前に・・・・>
例えば、「三井住友銀行」と「りそな銀行」という取引銀行が二つある場合、「普通預金」という勘定科目の中には、2つの銀行の全てが含まれます。しかしこれではわかりにくい。各銀行残高が個別に分からないです。
そこで、この場合には「普通預金」の中身を「三井住友」と「りそな」に分けます。この2つのことを補助科目といいます。勘定科目を補助するという意味ですね。
最低限、「普通預金」と「預り金」には補助科目を設定しましょう。「売掛金」、「買掛金」にも補助科目を設定すると便利です。
●ナビゲータ画面で「取引」ボタンをクリックすると左上に「科目設定」があります。
●その中の「普通預金」をクリックします。そうすると「普通預金」の欄が黒くなりますね。この状態で、上にある「補助作成」のボタンを押します。そこに例えば「三井住友」と書くんですね。これでOKをするだけです。同じように「りそな」も設定します。
●続いて「預り金」勘定もやってみましょう。「給与所得税」と「住民税」と「税理士報酬」の3つの補助科目は必要なので「普通預金」と同じようにやっていきます。
●あとは各会社で必要な部分を増やしていきます。「売掛金」勘定や「売上」勘定に得意先の社名を入れるもよし、「買掛金」勘定に仕入先の社名をいれるもよしです。
●終わったら、「戻る」ボタンでいつものナビゲート画面に戻ります。
③弥生会計の科目残高の入力
●当期の数字を入力する前に、スタート時点の残高を入れる必要があります。
●ナビゲータ画面の「導入」から「科目残高入力」のボタンをクリックします。
●ここに前期末の貸借対照表の数字を入れましょう。前期の決算書を見ながら数字を入れるということですね。
●もし第1期であれば、入れる数値は「現金」と「資本金」だけです。資本金300万円の会社ならば、「現金」300万円、「資本金」300万円を入力して終わりです。
●ここでは、第1期という想定で、現金と資本金に300万円ずつ入れてみます。終われば「戻る」ボタンで戻ってフィニッシュです。
④伝票辞書をオリジナル仕様に切替えましょう
<動画をご覧頂く前に・・・・>
ナビゲータ画面の「導入」の左下に「伝票辞書」があります。この辞書には初期設定として仕訳が入ってます。
しかしいっぱいありすぎて使いにくい状態です。これをオリジナル仕様に切り替える必要があります。
作業の前に、「オリジナル仕様の辞書」(jisyo.txt)をインポートします。
まずは、ココをクリックして「オリジナル仕様の伝票辞書」をダウンロードして下さい。中身を解凍してからデスクトップに貼り付けましょう。さあ、ここまで完了したら弥生会計の作業を始めましょう。
●ナビゲータ画面の「取引」を見てみましょう。左下のほうにある「伝票辞書」をクリックします。
●まず、初期設定の辞書は不要なので全部消去します。
●適当にマウスを真ん中に持っていってから右クリックしてみましょう。すると出てきた中に「全削除」という項目があります。これをOKすれば初期設定分が全部消えます。
●その後、「ファイル」から「インポート」を選びます。「参照」をクリックして、先ほどダウンロードしたデスクトップ上の「jisyo.txt」をクリックして、「OK」を押すだけです。
●これで、最初の設定は終わりました。「戻る」ボタンを押しましょう。
⑤弥生会計の現金の入力方法
<動画をご覧頂く前に・・・・>
まず絶対に知っておいてほしいこととして、会計処理の大前提をお話します。
会社の取引は全て「現金」と「預金」に集約されます。
「預金」とは会社名義の通帳に記載される取引です。「現金」とはそれ以外と考えます。
例えば、100円のボールペンを現金で買う場合に、まずは通帳から100円を引き出して、その現金を文房具屋さんに持っていってボールペンを買うとしましょう。
その場合は、二つの取引を行っています。
前者は、「預金」を「現金」に振り替えた処理です。後者は、「現金」で「消耗品」を買ったという処理です。
これを前提にして「弥生会計」のナビゲート画面を見てみましょう。
最低限使用するボタンは「現金出納帳」「預金出納帳」と「振替伝票」の3つと考えておいて下さい。
「現金出納帳」は現金が絡む取引の場合。「預金出納帳」は預金が絡む取引の場合、
「振替伝票」は現金や預金だけではない、複数行の取引の場合(給与計算や税理士報酬支払い)に使います。
下記の動画では現金出納帳から見ていきます。ここで一つ知っておくことがあります。
それは「現金」が増えると左、「現金」が減ると右に記載するということです。
これを簿記的にいうと、現金が増えると借方に、現金が減ると貸方に記載するということになります。
同様の考え方は「現金」のみならず、「預金」にも当てはまります。
●さて、ここからは実際の入力方法を見ていきましょう。ナビゲータ画面の「取引」から「現金出納帳」をクリックします。例えば、4月12日にイオンでボールペンを現金で買った場合の処理をしてみましょう。
●左からいきます。まずは日付ですね。次に相手科目です。ボールペンなので消耗品費にしましょうか。頭文字のshを入力すれば近い文字が出てきます。消耗品費ならshouと打てばもっと近づきますね。
●続いて適用欄に「イオン、ボールペン購入」と記載します。適用欄には相手先や具体的内容を書きます。第三者が見てもどんな取引かをすぐにイメージできるように丁寧に書いてあげましょう。
●最後に金額を入れます。この場合は現金が減っています。減っている場合は右側に書くんですね。つまり貸方に書くということですね。これで終わりです。
●あとは、一番右に残高が自動で計算されますので、この残高と会社にある実際現金残高が一致していることを確認して終わりです!
●ちょっと豆知識ですが、左上に数字がありますね。これは月を表しています。例えば「5」を選べば5月だけの処理がでてきますし、「4」と「5」の二つを選べば4月と5月の全部の取引が出てきます。同じように12ヶ月分全部選べば12か月分の処理全部が出てきます。便利でしょ?
●「戻る」を押せば、「ナビゲーター画面」に戻ります。ちなみに、自動保存されているので何も押さなくても保存できています。
⑥弥生会計の預金の入力方法
●続いて「預金出納帳」を見てみましょう。「勘定科目」で「普通預金」を選択し、「補助科目」で「銀行名」を選択します。この場合は三井住友銀行を選びますね。
●すると、この下に現れているのは、三井住友銀行の普通預金の流れになります。つまり、通帳と全く同じと考えてもらってOKです。通帳の一行一行をここに入力していく作業のイメージです。一つ例をとります。
●4月12日に「普通預金」から「現金」を10万円引き出した場合の処理はどうなるでしょうか?
●まずは左に日付を入力しますね。
●次に相手勘定ですが、この場合は「現金」になりますね。
●適用欄には「普通預金を現金化した」といったようなことを書いておきます。
●あとは金額。この場合は「普通預金」が減っているので右側に10万円と入力します。つまり貸方に入力です。
●最後に実際の通帳残高と弥生会計の残高が一致していることを毎回確認してくださいね。
●ちなみに、このケースでよく頂く質問があります。
●「現金出納帳」にも現金が増える処理を入力しなければならないのではないか?という質問です。
●しかし、それは必要ありません。会計の常識なのですが、一方が増えればもう一方が減るという処理が自動的に行われます。
●つまり普通預金が10万円減った処理をしたときの相手科目を「現金」にしましたね。ということは「現金」は10万円増えているということです。
●さあそれでは「戻る」ボタンで戻って、現金出納帳を見てみましょう。ちゃんと10万円が増えていることを確認してみて下さい。
●これで、預金と現金の処理方法がわかりましたね。これで全ての取引が入力できるはずです。
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しかし、一つだけめんどくさいことがあります。
例えば、100円の消耗品を買った場合は、現金が100出て行って、相手科目も「消耗品費」100円になって処理は完了します。
しかし給料を払う場合はどうでしょうか?25万円の現金が出て行った場合でもこれが全部給料ではないです。
例えば、「給料が30万円で、そこから所得税3万円、社会保険料2万円を差し引いて始めて、25万円を支払う」ということになります。
こういった仕訳は、現金出納帳や預金出納帳ではカバーできていません。
意味はわかりますか?もうちょっと詳しく書きます。
現金出納帳の観点から考えると、現金が25万円出て行っているだけなので、相手科目である給料は25万円にするしかありません。
給料を25万円以上にはできないんですね。でも本当の給与総額は30万円です。じゃあ差額の5万円はどうすればいいでしょうか?
そうなんです、ここに現金出納帳と預金出納帳だけでは全ての処理が入力できない穴があるわけです。
つまり、この差額の5万円は現金も預金も挟んでいないんです。だから、現金出納帳や預金出納帳では、この5万円を表現できないんです。
ここで、初めて振替伝票の必要性が出てきます。次の動画でみていきましょう。
⑦振替伝票の入力方法(給与の支払い)
●振替伝票を使う場合の典型として給料支払いと税理士報酬支払いの二つがあります。この二つの処理を掴めば後は何が出てきても対応できます。
●それではナビゲータ画面から「振替伝票」をクリック。まずは「給与の支払い」の仕訳をしましょう。
●右上の「伝票辞書」を開いて、その中の「給料の支払い」をクリックします。日付は4月30日と仮定します。
●左側は給与総額を入れますね。30万円としましょう。
●でもこれをそのまま全部支払うわけではありません、所得税が2万円、住民税が1万円、社会保険料が2万円としたら、それを全部控除してから25万円を支払いますね。
●例えばこの25万円を普通預金から支払ったとすると、まずは普通預金に25万円を入力します。このときにどこの銀行から支払ったのかを区別しないといけませんね。「普通預金」の下に「銀行名」を選ぶ補助科目があるので必ず選択しましょう。この場合は三井住友を選びます。
●その下の「預り金」所得税の欄に2万円、「預り金」住民税の欄に1万円、その下の「法定福利費」社会保険料の欄に1万円を入れます。
●これで右側の合計も30万円になり、左右一致しますね!
●ちなみに適用欄はカスタマイズしてくださいね。ここでは4月分の給料を佐藤真一さんに払ったとすると「4月分給与 佐藤真一分」としておきます。
●で、あとは右上の「登録」ボタンをクリックして終了です。このときに登録ボタンを忘れると保存できません!「振替伝票」のときだけは注意が必要です。これを毎月個人別に行ってくださいね。
⑧振替伝票の入力方法(税理士報酬の支払い)
●次に、同じように税理士報酬を考えてみましょう。
●イメージとしては、税理士も従業員だと思ってもらって構いません。
●報酬の全額をそのまま払ったらダメで、所得税を控除して支払う必要があるので給与の考え方に近いです。
●それでは「伝票辞書」から「税理士報酬の支払い」をクリックしましょう。考え方は給与と同じです。
●例えば「4月30日に1万円の報酬総額から源泉所得税1000円を控除して9000円を通帳から払う」場合には、どうなるでしょうか。
●左側の「支払報酬料」が1万円です。右側の「三井住友の普通預金」が9000円、その下の「預り金」が1000円。
●お分かりになりますか?
●ちなみに、ここで普通預金を9000円と入力してますね。これによって、普通預金の処理は終わっています。つまり、この処理については「預金出納帳」からの入力は不要なんですね。
●それは預金出納帳を見てもらうと分かります。保存が終わったら一度「預金出納帳」を見てみましょう。4月30日に給料の額が預金からマイナスされていますね。つまり、振替伝票で入力した仕訳は、預金出納帳の方で入力してはダメなんですね。これをしちゃうと二重計上になるので要注意です。
●ちなみに左側に「振伝」と書いている箇所がありますね。これは「振替伝票から来ている仕訳ですよ」という意味なんですが、これをダブルクリックすると、さっき作成した画面が開きます。この振替伝票をちょっとでも修正したらまた「登録」ボタンをクリックして上書きして下さいね。
⑨未確定勘定を使えば不明点はパスできる!
●例えば、4月30日に車を買って預金から車のディーラーに30万円払った場合、通帳からは30万円が減っているので「預金出納帳」で預金が30万円減ったという処理をしますよね。
●でも、相手科目がどうなるか分からないときがたまにあります。
●この場合でも「車両運搬具」という科目を使うのか「消耗品費」という科目を使うのか、すごく悩んだりします。しかし、わからないからといってすっ飛ばすと、預金残高が合わなくなります。
●こういうときには相手科目に「未確定勘定」を使います。つまり、「相手科目が何か分からないから未確定なんだけど、預金額はちゃんと減らして預金残高を合わせました」という処理なんですね。
●弊社にデータを送って頂ければ未確定勘定を適切な勘定に振り替えますのでご安心くださいね。
<参考情報>
未確定勘定は非常に便利な項目です。この未確定勘定だけは赤字表記されます。
特に弥生会計に慣れていない方は勘定科目で悩まれたり調べたりするのに膨大な時間がかかり、これが原因で経理業務が嫌いになって外注するしかないと思いこんでいるようなケースもあります。
分からなければ何も考えずに未確定にして税理士事務所に任すぐらいの軽い気持ちの方がいいと思います。
それよりも通帳の残高を合わす、現金の残高を合わすといった現金預金の残高にだけ留意して頂くほうが経営管理業務としても有用ではないでしょうか。