このページをまとめると・・・・

  • 65万円の青色申告を行う場合の条件
  • エコカー補助金の会計処理方法
  • 未払給与の源泉所得税の納付時期

こんにちは、神戸の税理士の佐藤です。
今回は「65万円の青色申告を行う場合に総勘定元帳が必要になるか?」「エコカー補助金は会計処理しないとだめか?」「業績不振で生じた未払給与の源泉所得税は納付すべき?」という人向けに書いてみました。しっかり読めば、青色申告に必要な帳簿を網羅できますし、エコカー補助金の仕訳方法も分かりますし、未払給与と源泉所得税納付の関係も理解できます。

65万の青色申告控除のために総勘定元帳必要?

  • 奈良と京都で美容室を個人事業で行っています。65万の青色申告特別控除で申告していますが総勘定元帳の保存は必要になるのでしょうか?

必要でしょう!

    


★65万円の青色申告特別控除の条件

●65万円の青色申告特別控除を受けるためには  ↓  正規の簿記の原則による帳簿処理が必要です。  ↓  このためには一般的には複式簿記の方法によることとされています。   ●正規の簿記の原則は  ①一定の要件に従った正確な会計帳簿を作成すること、   (一定の要件=網羅性・立証性・秩序性)  ②この会計帳簿に基づき財務諸表を作成すること。  ↓  これらの用件を備える会計帳簿のためには、複式簿記が必要?  ↓  でも、複式簿記でなくとも、以上の要件を満たす会計帳簿であれば  正規の簿記の要件を備えた会計帳簿として認められます。  (もっとも最近の会計ソフトでは複式簿記に自動的になっていますが) <参考>  網羅性=全経済活動が全て網羅的に記録されている。  立証性=会計記録が検証可能な証拠資料に基づいている。  秩序性=全会計記録が継続的・組織的に行われている。    

★65万円の青色申告特別控除で保存すべき帳簿

●青色申告者の備え付けるべき帳簿書類について、  総勘定元帳その他の必要な帳簿を備え、  取引に関する事項を記載しなければなりません!  ↓  税務調査時には総勘定元帳が必要で、提示できない場合は、  帳簿書類の備付け・記録・保存が適正になされていないとなります。  ↓  青色申告承認の取消につながるリスクもあります。  ↓  総勘定元帳の保存は必要ということですね!  ↓  しかも、紙媒体紙で保存すべきです。  ↓  電子記録保存の場合は税務署長の承認が必要になります。

エコカー補助金、どう処理する?

  • 兵庫県の神戸市と芦屋市でヘアサロンをしています。最近車を買い換えると後日エコカー補助金をもらいました。この場合、確定申告はどうなるのでしょうか?

ちょっとめんどくさいですが・・・・・

    


★エコカー補助金とは・・・・・

●環境対応車普及促進対策費補助金の通称名です。  ↓  経済産業省から委託を受けた一般社団法人次世代自動車振興センター  を通じて交付される国庫補助金。  ↓  この補助金を非課税とする規定はないので、所得として処理すべき  ではないかと思いますが、実務上は、収入にはせずに、固定資産の取得価額  から控除し、この金額を基礎に減価償却を行うものと考えられます。  ↓  時限的措置ではありますが、少し悩ましい問題です。  

★例えば・・・・・

●事業用自動車を今年10月に350万円で購入(その日に事業の用に供した)し、  翌年3月にエコカー補助金10万円をゲットした場合。  ↓  補助金10万円の収入に計上すべき時期(取得価格から控除すべき時期)は  自動車振興センターで補助金の交付が確定した日ですね。  つまり、実際に入金があった日ではないです。  通常は、補助金が振込まれた日の2週間程前になるはずです。  ↓  この場合は、ちょっとやっかいです。  今年の確定申告では350万円を基礎に減価償却計算を行いますが、  来年は340万円を基礎に減価償却を行うことになります。  ちなみに我々も税理士事務所用に神戸でエコカーを購入しました。

業績不振で給与未払!源泉所得税は?

  • 東大阪で居宅介護支援事業所をやってる会社です。業績不振で従業員への給与が3か月分未払になっています。未払分の給与についても源泉所得税は納付しなければならないのでしょうか?

支払った分だけを納付しますが・・・

    


★業績不振時の未払いは最近よくあります

●最近の中小企業は業績悪化の会社が非常に多くなっており、  役員報酬や給与の数ヶ月間の未払という事象もかなりの確率で  発生してきているのが現状です。  ↓  この場合の源泉所得税の納付はどうなるのか。  納期特例を受けている会社が多い中小企業の現状に照らして  ご説明いたします。  

★業績不振時の未払いは最近よくあります

●源泉徴収した所得税は、原則として、給与等の実際の支払月の  翌月10日までに国に納めなければなりません。  ↓  納期の特例を受けている会社の場合は、  1月から6月までに源泉徴収した所得税は7月10日、  7月から12月までに源泉徴収した所得税は翌年1月10日が  納付期限になり、年2回で済むわけです。  ↓  しかし、給与や役員報酬の未払がある場合はどうなるか?  ↓  この場合は、納期の特例期間内(6ヶ月)で支払った報酬分のみの  所得税を納めることになります。未払分はココでは無視して  支払った分だけを考慮するわけです。  ↓  但し、年末調整時は支払うべきことが確定した給与等を総額で  調整しますので、未払分も含めた給与総額で年末調整を行うことに  なりますので注意が必要ですね!!