海外の取引先にまで税務調査は及ぶんですか?
- 大阪府箕面市でソファの輸入や製造を手がけている法人です。業務上、海外数カ国の会社と取引があります。税務調査のときには反面調査があると聞いたんですが海外の取引先にまで及ぶこともありうるのでしょうか?
可能性としては十分あると思います!
★海外の取引先に対して行う半面調査
●最近は中小企業であっても海外の企業との取引数は爆発的に増えています。 当然ですが、その中で架空取引や偽装取引数も増えているものと思われます。その流れにチェック体制を強化しているのは当然かもしれません。 ↓ 日本の税務署が税務調査をして、外国の企業の取引確認が必要と判断したとき、相手国の税務局に調査依頼をすることができてしまいます。 (租税条約等を締結している40カ国以上の国ですが) ●ただ、基本的には、国内企業と違って、日本の税務当局が外国の取引先法人に乗り込んで調査を展開することはできません。 ↓ 日本の税務当局ができることといえば、海外法人の実在性の調査程度と言われています。 ↓ しかし、租税条約締結国で、日本法人の現地法人で、外国当局の了解があるような場合であれば、日本の税務当局が現地に出向いて調査することもありえます。 ↓ 海外の相手先であっても調査対象にならないわけではないので注意が必要です。★税務当局は着々と海外に強くなっています!
●海外取引数の増加、移転価格税制・タックスヘイブンの問題等、最近は海外絡みの税務問題案件が増えていくなかで、日本の税務当局もそれなりに人材を育てています。 ↓ 国税庁の国際調査課や税務署の国際税務専門官等の役職の人々はこういった海外案件を重視したポジションにいます。 ↓ 税務調査の名刺交換の際に、こういった役職の人が登場してきた場合には、海外取引を狙っていると思っておいたほうが賢明です!!
修正申告して下さいって言われたけど・・
- 兵庫県淡路島で留袖染料を製造している小さいメーカーです。先般税務調査が入って修正申告せよって言われました。これって「はい」って言うしかないのでしょうか?
過ちを認めて自ら修正するということ
★修正申告を行うことの意味
●最近、鳩山総理をはじめ、以下のコメントをよく聞きます。 ↓ 「自ら修正申告を行い納税しました」 ↓ これって何を意味するのでしょうか?? ●税務調査時の指摘事項については、税務署はまず 「修正申告書の提出」を納税者に対して求めます。 ↓ 強制的に税務署が更正処分を行うこともできますが、普通はしません。なぜなら、いきなり更正を行うと納税者が異議申立を行う可能性が出てくるからです。 こうなると税務署にとってもメンドクサイので、大抵の場合は修正申告を勧めてきます。 ↓ 理由はわかりますか? 修正申告を勧められて、納税者が修正申告をしてしまえば、その後は異議申立はできません。不服審判所へ審査請求することもできなくなります。 ↓ ですので、95%以上の案件が修正申告で済んでしまうのです。 ●ちなみに、税務署が更正処分をと行う場合には 青色申告者相手には税務署が更正理由を通知する必要があります。これも税務署が更正を行わない一つの理由と言われています。 ↓ ただし、国税局の場合は税務署とは違います。 国税局が修正申告を勧めてくることは逆にレアケースです。
領収書の金額を変えるとバレますか??
- スナックやガールズバーの領収書の金額をちょっと変えて経費にしている会社を知りました。こんなことやって見つからないのですか?
初歩的な脱税行為と言われています!
★領収書の改ざんは超初歩的な手法ですよ
●歴史を見ても、脱税のパターンでまず初めに行われるのが領収書の改竄だといわれています。 ちょっと書き直すだけで金額が大きく変わってくるのですから、誰でも簡単にできちゃうわけです。 ↓ でも税務調査時には、領収書のレビューをします。 そこで調査官の誰もが注目しているのが改竄を行っているかどうかです。 彼らもプロです。リスクを負うことになることは理解しましょう。 ●領収書の金額の左に¥マークを書くのは一般的ですね。 これはなぜか。 理由は簡単で改竄できなくするためです。 ↓ 逆にいうと、だからこそ改竄ができてしまうパターンが限定されます。 多くの人が考え付くことなんて、似たり寄ったりなんでしょうか。★領収書改ざんの具体的手法
●¥マークとその後の数字の間に数字を入れる手法 ↓ 1~9までの数字を入れることになるんですが、数字を書くにも癖があるので一番シンプルな「1」を使う場合が多いようです。 ●もともとある「1」という数字を「4」に変える手法 ↓ かなり簡単に数字を変えることができるのでよく使われます。 ●ばれるか?ばれないか? ↓ 大丈夫と思ってても簡単にバレてしまう場合が多いのが現実です。 ↓ インクの色や質が違うと、調査官が見たときに「ん!?」となります。 ↓ また、大体の相場の感覚は調査官も持っているわけで、その市場価格と大きく乖離した金額になっていた場合には、「ん!?」となります。 ↓ 消費税の違和感で「ん!?」となる場合も多いです。1,050円の商品を4,050円にした場合、どうしても消費税の観点からは違和感が残るのです。。 ↓ 金額的に小さいことでも、「こういうことをしている会社」だと思われるのは圧倒的に損です。税務調査の目はかなり厳しくなると思います。