起業を考えている人で、起業前に簿記を学ぶべきか悩む人も多いのではないでしょうか?
簿記は企業の共通言語であり、会社はどんなときも数字で評価されます。会社と数字は切っても切り離せない関係です。
会社における収支の記録は、簿記ルールに乗っ取っておこなう必要があります。
この記事では、簿記を知らなくても起業できるのか?簿記を学ぶメリット、簿記の資格の取得方法などについて解説しています。
起業を考えている人は、是非とも参考にしていただけると幸いです。
簿記を知らなくても起業自体はできる
結論から申し上げますと、簿記を知らなくても起業自体はできます。
しかし簿記の資格を持っていなくとも、会計や税務の知識があれば、経営において非常に有利です。その理由は、この記事を最後まで読めばお分かりになるでしょう。
もちろん簿記の知識が全くない状態でも、日々の記帳や申告を税理士に丸投げすることで、正しい数字を常に算出できます。
経営者として会計知識を身に付けることは必須
前述したように、簿記の知識がなくとも起業はできます。しかし経営者である以上、会計の知識を身に付けることは必須です。
数字に強くない経営者で成功した人を聞いたことがありません。それくらい、経営において数字を理解することは大切です。
少なくとも、決算書を読めるくらいの知識は身に付けた方が良いでしょう。
簿記を学ぶメリット5選
起業するうえで簿記を学ぶメリットとして下記の5つが挙げられます。
- 貸借対照表・損益計算書が理解できるようになる
- 会社の経営状態を一目で把握できる
- 日々の記帳や申告を税理士へ依頼せずに済む
- 金融機関から借入をおこなうとき有利になる
- 数字に強くなる
1つずつ見ていきましょう。
簿記を学ぶメリット➀「貸借対照表・損益計算書が理解できるようになる」
会計期間は原則1年で区切ります。1年の企業活動を数字に表したのが決算書(財務諸表)です。財務諸表のメインといっても過言ではないのが、貸借対照表・損益計算書です。
貸借対照表は、資産・負債・純資産で構成されており、損益計算書は、収益・費用で構成されています。
財務諸表が把握できるようになれば、企業の財務状態も同時に把握できるので、大きなメリットとなるでしょう。
簿記を学ぶメリット②「会社の経営状態を一目で把握できる」
簿記を学ぶことで会計の知識が身に付き、貸借対照表や損益計算書を見ることで、会社の経営状態が把握できるようになります。
「今月は費用が多いが何が原因なのか?」
「借入金をもう少し増やせそうだ」
「今後は営業にかかる経費を節約しよう」
など会社の状態が一目で把握でき、今後の方針にも活かせるのです。経営状態を把握することは、事業や会社を存続させるうえで非常に重要です。
簿記を学ぶメリット③「日々の記帳や確定申告を税理士へ依頼せずに済む」
一般的に小規模の法人や個人事業主であれば、決算書の作成かつ確定申告だけ頼んだとしても、10万円以上はかかります。
日々の記帳など経理部分を全て委託したとすると、それ以上にお金がかかってしまいます。
自分でおこなえば費用は0円です。日々の記帳から決算書の作成、確定申告まで自分で行えば、大きく費用を浮かせられるでしょう。
そのぶん事務作業に時間がかかり、本業に影響が出る可能性もあるので、その際は一度税理士に相談してみることをおすすめします。
簿記を学ぶメリット➃「金融機関から借入をおこなうとき有利になる」
金融機関から借入をおこなう際は、必ずと言っていいほど決算書の提出を求められます。金融機関の担当者は決算書の数字を見て、必ず経営者に質問してくるはずです。
そういった数字に関する質問に経営者自身が答えられないのであれば、お金を融資してくれる可能性は、ほぼ0%でしょう。
経営者であるにもかかわらず、自分の会社の財務状況すら把握できていない状態だと、金融機関はお金を貸せません。
簿記を学ぶメリット⑤「数字に強くなる」
簿記を学ぶことで自然と数字に強くなります。なぜなら、数字ばかり見ているからです。
ちなみに、簿記に数学の知識は関係ありません。数字が苦手でも数字ばかり見ていると、自然と慣れてきます。
数字に強くなければ事業を存続させるのは非常に難しいです。それほどまでに数字は重要なものであり、いくら会社が大きくなったとしても、数字の重要さに変わりはありません。
資格を取る必要はなく最低限の勘定科目を抑えるだけで充分
簿記を学ぶことは重要ですが、必ずしも資格を取る必要はありません。最低限の勘定科目さえ抑えていれば大丈夫です。
頻繁に使う勘定科目や仕訳の仕方くらいは理解しておいた方が良いです。例えば現金や預金、買掛金や売掛金などが挙げられます。
分からない場合も、ネットで検索すればすぐに答えが出てくるので、心配する必要はありません。顧問税理士がいる場合は、顧問税理士に質問することで、的確かつ正しい答えが返ってくるでしょう。
簿記の資格を取るなら2級が役立つ
簿記の資格を取る場合は、2級まで取得しておくことをおすすめします。3級でも基礎的な会計知識は身に付きますが、2級の方が経営に活かす上で断然有利です。
2級は商業簿記と工業簿記で構成されており、2級レベルの商業簿記の知識は、企業の経理や決算で必要不可欠です。
簿記2級を取得できるほどの知識があれば、日々の記帳や決算書の作成も1人でこなせるでしょう。
1級は税理士や公認会計士を目指す人が取得するものであり、経営者が取得する必要はありません。
簿記の資格はどうやって取得する?
簿記の資格を取得するための学習方法として、下記の3つが挙げられます。
- 独学で勉強
- 専門学校で学ぶ
- 経営しながら知識を身に付けていく
1つずつ見ていきましょう。
簿記の資格の取得方法➀「独学で勉強」
参考書を買って読みながら、自分で勉強していく方法です。3級程度であれば独学でも問題ありません。会計の最低限の知識を身に付ける際も独学で充分です。
しかし2級以上となると一気に難易度が増すので、独学だけでは厳しい可能性が高いです。
簿記の資格の取得方法②「専門学校で学ぶ」
簿記を専門学校で学ぶ方法もあります。2級を取得したいのであれば、専門学校で学ぶことをおすすめします。
専門学校では問題対策から、なぜそうなるのか?を1から10まで説明してくれます。独学で理解しきれない部分も噛み砕いて説明してくれるので、非常に理解しやすいです。
相応の金額は必要になりますが、効率よく勉強できるので、学習時間は大幅に短縮できるでしょう。
仕事が休みの土日だけ行って学ぶことも可能ですし、自宅にいながらオンラインで講義を受けることも可能です。
簿記の資格の取得方法➂「経営しながら知識を身に付けていく」
まずは経営しながら会計の知識を身に付けていき、ある程度身に付いた段階で参考書や過去問で学習して、資格を取得することも可能です。
何も知らない状態から学習すれば、基礎的な部分を理解するだけでも多くの時間を費やしてしまいます。
ある程度の土台部分の知識を身に付けた上で、応用部分を学んでいくと理解しやすいですし、スムーズに頭の中へ入ってきます。
まずは実際に経験することにより、そのあとの部分を楽にできるのです。
簿記を知らなくても起業できるが経営者に会計知識は必須
簿記を知らなくても起業はできます。しかし、経営者に会計の知識は必須です。数字に強くなければ、事業が続かない状態に陥りやすいです。
数字を理解し、今の経営状況を正しく把握することで、今後の方向性やどこに力をいれるかなど、具体的に突き詰めていけます。
もし会計の知識がなくとも、税理士に依頼すれば正しい数字を算出することは可能です。顧問税理士からアドバイスを貰うことにより、会計の知識を深めていくのも1つの方法でしょう。
この記事が少しでも参考になったなら幸いです。
最後までお読みいただき、ありがとうございました。