「2022年は介護職員の賃金が上がったけど、2023年も引き続き賃上げされるのかな。」

「そもそも私の給与があまり上がった実感がないんだけど、本当に介護職員の賃上げはされているの?」

介護業界では2022年に介護職員のベースアップを目的にした賃上げが行われました。月額約9,000円のベースアップが介護職員に実施される賃上げ政策がありました。

また、2022年10月ごろに岸田首相が「介護職員の処遇改善を進める」と明言しており、今後も介護業界の改善がますます進みそうな様相を呈しています。

昨今の物価上昇・円安の影響で生活への打撃がますます大きくなります。こうした経済情勢が厳しいなか、処遇改善が実施されるというのは非常に喜ばしいことでしょう。

しかしながら、介護職員として働いているものの、あまり賃上げの恩恵を受けられていないと感じる人々も一定数いるという事実もあります。

今回の記事では、介護業界の賃上げをテーマにし、今後2023年も引き続き賃金が上がるのか、また、賃金が上がっていない介護職員についても書いていきます。

この記事を書いている私は、これまでに介護業界に関する問題についてインタビューを数多く経験し、多くの記事を執筆してきました。今回は私のこれまでのインタビュー経験をもとに、記事を書いていきます。

ぜひ、最後まで読んでみてください。

介護職のこれまでの賃上げ

これまで介護職は2022年2月に介護職のベースアップを目的に月額約9,000円の賃上げが行われました。当時は補助金の名目で実施されていましたが、2022年10月1日を機に、第3の処遇改善加算である「介護職員等ベースアップ等支援加算」として引き継がれています。

2022年2月の賃上げ政策は介護職全員が対象として、導入されているはずではありますが、一部の介護現場ではベースアップがされていないという事実も出てきています。

全ての介護職員にベースアップが行き渡っていない現状を踏まえると、まだまだ介護現場には賃上げに関する課題が残されたままとなっています。こうした現状から、今後の岸田首相の新たな取り組みや発言に注意しておく必要があるでしょう。

2023年は介護職の賃上げは実施されるの?

岸田首相は2023年10月頃の発言より「介護職の処遇改善を進める」と明言しています。また、物価高・円安への対応と構造的な賃上げを掲げた上で、看護、介護、保育を始め、現場で働く人々の処遇改善や業務効率化、負担軽減を進めると述べています。

しかし、2023年3月時点では、介護職に対する処遇改善の情報はあまり明確に出てきていません。現状では介護職の賃上げがすぐに実施されるかは定かではない状況にあります。

しかし、昨今の物価上昇となかなか賃金が上がらない状況から、日本政府も経済界に賃上げをするように呼びかけています。具体的に賃上げをした企業に対して税制優遇をしたり、補助金を支給するといったことが挙げられます。日本政府のこうした後押しから賃上げに向けた後押しになる可能性が高まりつつあります。

2022年の介護職の賃上げは実際にどこまで実施されたのか

2022年の介護職の賃上げは、介護報酬改定による介護福祉士や障害福祉職員などの月額給与が、平均9,000円の賃上げが行われました。当時は補助金の名目で実施された制度でしたが、2022年10月1日を機に、「介護職員等ベースアップ等支援加算」として引き継がれています。

対象範囲は介護職員となっており、介護施設や介護事業所など広範囲に及ぶものでした。しかし、実際は、全ての介護職員が月額9,000円の賃上げがされていないという事態が起きていました。

介護現場では、さらなる処遇改善が求められていますが、一方では全ての介護職員に改善策が施されていないという現実もあります。今後介護業界ではどのような改善策を講じられるのか動向を注視する必要があります。

そもそもなぜ介護職は賃上げされていないのか

確かに岸田首相の政策で介護職員の賃上げは実施されて、給料が上がってきているのは事実です。しかし、介護職員の給料の増加ペースは緩やかで大きく増加しません。

介護職員の給料は介護報酬への依存が強く、評価されにくい専門性のある仕事であるために、給料が上がりにくいとされています。介護報酬への依存が強いとは、介護事業所の運営費が基本的に国から支給される介護報酬から支払っています。介護報酬は介護サービスを提供する対価として支給されるもので、その上限が決まっています。

また、介護職の代表的な資格の介護福祉士は、資格がなくてもできるため、資格や専門性が評価されにくい傾向にあります。しかし、介護事業所によっては、資格をしっかりと評価してくれる場所もあるので、専門性を磨くことは大切です。

介護職の賃金を増やすためには

介護職は一般的に賃金が低いと言われています。普通に介護職として働いていても、あまり賃金が上がらない場合がほとんどです。しかし、介護職が賃金を増やすための方法は存在します。

介護職が賃金を増やすための方法は、副業をする、転職をする、昇格や職種を変えるというやり方があります。具体的な賃金を増やすための方法とは次のやり方があります。

まずは副業を行うということです。2018年に日本政府が発表した働き方改革の中に、副業を推進することがありました。本業の今の仕事をやめることなく、さらに仕事をすることで所得を増やすことができます。

次に、転職をすることです。今働いている会社よりも待遇の良い会社に変わることで賃金を増やすことができます。介護職は施設形態によって給料に差がつくことがあります。特に特別養護老人ホームに該当する介護老人福祉施設の給料が高い傾向にあります。

また、昇格や職種を変えるやり方で賃金を上げることができます。資格を取得することで昇格のチャンスを掴め、より専門性の高い職種に変わることで賃金を増やすことができるでしょう。

介護職の賃金は今後どうなるの?

介護職の賃金は今後増えていくことが予想されます。少子高齢化の流れにより、要介護者が増加していき、介護職の需要も増えていきます。こうした流れから介護職の需要はますます高まっていくことでしょう。

少子高齢化の流れで、今まで以上に人員不足に陥ることが予想され、日本の介護が崩壊する恐れがあります。こうした流れから岸田首相が明言している通り、介護職の給料が上がっていくことは間違いないでしょう。

また、介護職をはじめとしたエッセンシャルワーカーの待遇改善が期待されることから、ますます介護職の働き方がよくなると予測できることでしょう。

まとめ

今回の記事では、2023年も引き続き介護職の賃上げはされるのかについて記事を書いていきました。今回の記事のポイントは以下の通りです。

・2022年に介護職の賃上げがされたが、2023年3月時点ではまだ追加の賃上げがされていない。

・岸田首相の発言から、少子高齢化の影響で今後も介護職の賃上げも引き続き行われる可能性が高い。

・介護職で賃上げを目指すのであれば転職や副業も検討すると良い。

少子高齢化社会の影響で、今後ますます介護職の需要が高まりつつあります。将来的に介護職の担い手が足りなくなってくることが予想されるので、日本政府としても、この現状は打開したいところです。

こうした背景から、今後ますます介護職の賃上げは進み、より介護職の働く環境整備が進むことでしょう。

今回の記事を通して、介護職の賃上げに関して現状を把握していただき、ご自身の今後のキャリアや働く環境作りに役立ててもらえると嬉しいです。