「介護業界は離職率が高いみたいだけど、離職率は何%なんだろう。」

「介護業界の働く環境はどうなっているんだろう。」

 

介護業界にこれから携わりたい人であれば、誰もが気になるのが離職率でしょう。介護業界は離職率が高く、人の入れ替わりが多いブラックな業界であるイメージを持つ人たちが多いです。しかし、実際の離職率はどの程度なのかあまり具体的に知っている人は少ないです。

 

また、介護業界で働いてみたいけど、働く環境は実際にどうなっているのか気になる人も多いことでしょう。介護業界は過酷なイメージがあるけど、実際のところ本当に過酷なのでしょうか。そこで、今回の記事では、介護業界の離職率と介護業界で実際に働く環境はどのようなものなのか、そしてブラック企業を避ける方法について記事にしていきます。

 

この記事を書いている私は、介護業界についてこれまでにも数多く携わってきており、多くの介護業界に関する記事を執筆してきました。今回の記事では、これまでの私の執筆経験とインタビュー経験をもとに記事を書いていきます。

 

ぜひ、最後まで読んでいただけると嬉しいです。

介護業界の離職率

介護業界の離職率は令和3年度で、訪問介護員と介護職員の離職率が14.3%でした。前年の離職率が14.9%だったので、離職率は減少傾向にあります。これまでの介護業界の離職率を年代別に見ていくと、平成19年をピークに減少している傾向にあることがわかります。

 

介護業界の離職率は平成19年の21.6%がピークで、この年以降減少傾向を辿っています。ピーク時の約3分の2まで低下しているのは、これまでの介護事業所や国、自治体の政策などが奏功していると言えます。

 

介護業界は確かに離職率が高いイメージが強く、あまり定着出来ないと思われがちです。しかし、これから介護業界の需要が高まる傾向があるのでマイナスのイメージを払拭しようとする活動も増えているのも事実で、実際に離職率にも反映されています。

介護業界の離職理由3選

介護業界の離職率が減少している傾向にあるものの、離職する人たちは一定数います。介護業界に勤めていて、どんな理由で退職をしてしまうのか主な3つの離職理由を紹介します。

 

・職場の人間関係

離職理由の中でも多く挙げられる理由が、職場の人間関係です。職場の人間関係は介護職に限った問題ではありませんが、介護業界の離職理由でも多いです。

 

介護施設に勤務をしていると、周りの同僚や上司とコミュニケーションをとる必要があるため、周囲に対するケアが必要です。コミュニケーションを円滑に取れる職場であれば問題はありませんが、どうしてもやりにくい職場もあります。

 

・不規則な勤務形態

介護職は職場によりますが、不規則な勤務体系で働かないといけない環境があります。職場が24時間体制の場所であれば、夜勤や早朝勤務など、シフト勤務で不規則な生活になることが多いです。

 

夜勤や早朝の場合、手当が多くつくことがありますが、不規則な勤務を続けることで体調を崩すことがあります。こうした不規則な勤務形態が続いてしまうことで、体を壊してしまい、離職してしまいます。

 

・給与が安い

介護職は他の職種と比較して給与が低い傾向にあります。介護職は未経験や資格がない状態からでも始められることもあり、給与が低い傾向にあります。また、徐々にキャリアアップさせる方が多い職種なので、経験年数や資格の有無で給与を上げられる職種です。

 

介護職で給与を上げようとしても、経験年数や資格を取る前に挫折してしまい、離職してしまうというケースも多いです。ただし、近年では介護職の処遇改善を行う対策を国や自治体が積極的に行い、ベースの給与水準が上がってきており、改善されている傾向にあります。

介護業界の働く環境

介護業界では、慢性的な人手不足が続いている傾向にあります。介護業界の離職率が減少している傾向にあるとはいえ、まだまだ人手が足りないと感じられる傾向にあります。

 

公益財団法人介護労働安定センターの調査によると、人材不足感は介護業界全体で60%台で推移しており、介護業界の半数以上は人手不足を感じています。また、介護事業所のおよそ7割弱が65歳以上の労働者を雇用しており、働き盛りの世代が少ない傾向にあります。

 

介護事業所での外国人労働者の受け入れについては、6.2%程度とあまり多くはない傾向にあります。介護事業所の現状の働く環境としては、外国人労働者をあまり活用できていなく、65歳以上の労働者で人材不足を解消させている傾向にあります。

介護業界で働き続けたい人が増えているって本当?

公益財団法人介護労働安定センターの調査によると、「今の勤務先で働き続けたい」とする労働者の割合が5年連続で前年を上回っています。統計では、有期雇用職員の割合が無期雇用職員のそれを上回っている傾向にあります。

 

一般的には介護業界はきついから退職者が後を立たないイメージがありましたが、近年ではこれまでのイメージを払拭するように改善されている傾向にあることが窺えます。職場環境の課題や悩みは無くなることはありませんが、これまでのマイナスイメージを払拭される活動が増えてきて、働き続けたい人たちが増えているようです。

 

とはいえ、労働条件や仕事の悩みについて、不安を持つ方々はまだまだいます。近年では賃金や労働環境というよりかは、新型コロナウィルスへの不安から体調や健康を気にする方も増えています。

介護業界は他の業界から転職している人が実は多い

近年の公益財団法人介護労働安定センターの調査で、学校卒業後、収入を伴う仕事をしていたかを尋ねたところ、「前職あり」が75.7%ありました。※前年度は78.3%。

 

「前職あり」と答えた人のこれまでの仕事を訪ねたところ、「介護・福祉・医療関係以外の仕事」が63.1%と最も高く、他業界から介護業界へ人材が流入していることが多いことがわかりました。

 

前職を辞めた理由は職場の人間関係が最も多く、次に結婚・出産・妊娠・育児のためを挙げている人が多いです。

介護業界へ転職するときに押さえておくべきポイントとブラック企業を避ける方法

介護業界を目指す方はいくつか押さえておくべきポイントがあります。まずは希望する転職先の情報を収集するために、口コミサイトを確認するようにしましょう。口コミサイトでは、在職者や以前に在籍していた人たちが実際の職場環境を赤裸々に描いています。

 

口コミサイトには、実際に転職をした時の転職体験談も記載してあります。職場環境と転職体験談を合わせて確認することで、面接の時に話す内容に深みが増してきます。また、職場環境を知ることで、職場環境へのミスマッチが減ります。

 

実際に転職して勤めている人で知り合いがいれば、職場の環境や転職体験談を入手できますが、なかなかそう上手くはいきません。口コミサイトを上手に活用することで、ご自身の納得がいく転職ができて、ブラック企業を避けられることでしょう。

まとめ

今回の記事では介護業界の離職率と職場環境、そしてブラック企業を避けるための方法について記事にしました。今回の記事のポイントは以下の通りです。

 

・介護業界の離職率は減少傾向にある。

・介護業界の職場環境は人手不足が続いているが、今後も同じ勤務先で勤め続けたいと思う人が多い。

・介護業界のブラック企業を避けるためには、口コミサイトを活用して転職先の情報収集を行うとよい。

 

介護業界のこれまでのイメージでは、離職率が高くて職場環境があまり良くないイメージを持っていた方たちがほとんどだと思います。しかし、実際には、職場環境が国や自治体の努力もあり、改善されており、これまでよりも働きやすい環境になりつつあります。

 

これまであまりイメージが良くなくて、介護業界へ挑戦を諦めてしまった人たちもこれを機に、介護業界についてリサーチしてみてくれると嬉しいです。今回の記事を読んで、近年の介護業界についての理解が深まって、みなさんの介護業界に対する理解が深まってくれると嬉しいです。