「最近、人手不足で職場の業務が思うように進まないな。」
「介護現場にも外国人技能実習生が増えてきたけど、どんな制度なのだろうか。」
少子高齢化社会が進む昨今。介護業界の職場でも人手不足が深刻化して、業務効率が落ちてきている職場が多いことでしょう。職場のICT化や作業効率を上げる設備投資をしても、やはり人手がかかる職場が多いことは事実です。
とはいえ、日本の人口を見てもこれから団塊世代が後期高齢者になる流れや少子化による人手不足は深刻化を極めていくのは間違いない流れです。日本人の労働者に頼っていては、介護現場の人手不足解消は非常に難しいことでしょう。
日本の労働力不足を解消するために、外国人技能実習生の登用が欠かせないものとなるでしょう。日本人だけではなく、海外から労働者を集めることで、不足している労働力を補うというものです。この流れは介護業界に限らず、どの業界でも同じようなことがいえる流れです。
それでは実際に、介護業界で外国人労働者を受け入れると、どのようなことが起きるのかを解説していきます。この記事を書いている私は、これまでにいくつかの介護に関する事象に対してインタビューをし、記事を作成してきました。これまでのインタビュー経験をもとに、本記事を作成しています。
この記事を読むことで介護業界の外国人技能実習生について理解でき、これからのお仕事に役立つことでしょう。ぜひ、最後までこちらの記事を読んでいただき、今後のお仕事の役に立てれば嬉しいです。
外国人技能実習制度とは
そもそも外国人技能実習制度とは、開発途上国へ技術を移転し、国際貢献を目的に作られた制度のことです。外国人を日本で一定期間の間、受け入れて母国では習得困難な技能を、OJTを通じて技能を習得して移転する制度です。
実習生を受け入れるには、海外に拠点をもつ企業などが現地法人などの職員を独自に受け入れて実習をする「企業単独型」と、事業協同組合など非営利の管理団体を通じて技能実習生を受け入れる「団体監理型」があります。
また、技能実習生には区分があり、入国1年目が技能実習1号、2〜3年目が技能実習2号、4〜5年目が技能実習3号とされています。これらのランクごとに試験があり、試験に合格することで在留資格を得ることが出来ます。
介護業界で人手不足に陥る理由
介護業界で人手不足に陥る理由は、主に生産年齢人口の減少があります。生産年齢人口とは、15歳以上65歳未満の人口を指し、国内の生産活動の中核を担う人口です。生産年齢人口は少子高齢化によって、1995年をピークに減少に向かっています。
この生産年齢人口の減少によって、労働力が不足し、国内需要の減少による経済規模の縮小と社会保障の支え手の先細りが起こります。この結果、多くの業界で人手不足が発生してしまうのです。
生産年齢人口の減少によって、各業界で人手不足が懸念され、女性や高齢者の社会進出も進んでいます。しかし、それだけでは足りないくらい人手不足も深刻になる事態となっており、各業界で人手不足が騒がれて、介護業界も他人事ではないのです。
介護職種の外国人技能実習生受け入れ
外国人技能実習生を受け入れるには、海外に拠点をもつ企業などが現地法人などの職員を独自に受け入れて実習を行う「企業単独型」と、事業協同組合など非営利の監理団体を通じて技能実習生を受け入れる「団体監理型」があります。介護事態が「企業単独型」にはほとんど当てはまらないので、「団体監理型」での進め方が主となります。
外国人技能実習生は在留資格の区分があり、入国1年目が技能実習1号、2〜3年目が技能実習2号、4〜5年目が技能実習3号と分けられています。介護を含む一部の職種については技能実習2号または3号を修了した後、2019年に創設された在留資格「特定技能1号」に移行できます。
介護職種が技能実習に追加されたのは2017年11月で、年々増加傾向にあり、技能実習開始から約3年程度で2万人をこえる申請が行われています。他の職種と比較して、介護職は突出して人数が多くなっていることからも、現実的かつ計画的に進めやすい受け入れ方法として介護事業者から選ばれています。
技能実習で最長在留期間5年、特定技能の制度の最長在留期間5年を組み合わせることで、最大で10年間の在留ができるようになります。うまく制度を活用することで、在留期間を伸ばすことが出来ます。
外国人の技能実習制度の仕組み
外国人技能実習では、開発途上などの外国人を日本で一定期間に限り受け入れ、OJTを通じて技能を移転する制度を活用して、外国人を受け入れています。技能実習生は入国直後の講習期間以外は、雇用関係のもと、労働関係法令などが適用されています。
また、外国人技能実習生を受け入れるためには入国時点で日本語技能試験のN4に合格していることが条件になっています。これは基本的な日本語を理解できる程度の語学力があることを示しています。
技能実習で最長在留期間5年、特定技能の制度の最長在留期間5年を組み合わせることで、最大で10年間の在留ができるようになります。うまく制度を活用することで、在留期間を伸ばすことが出来ます。
介護の外国人技能実習生の受け入れルール
介護職種の外国人技能実習生を受け入れる際に、受け入れ時のルールがいくつかあります。介護人材のコミュニケーション能力、技能実習生の経験や入国後の受け入れ時のルール講習を受ける必要があります。それぞれの項目について解説していきます。
・介護人材のコミュニケーション能力
技能実習生を受け入れる際に、実習生のコミュニケーション能力は必要です。職場に技能実習生を受け入れるために、日本語能力試験のN4程度が必要となります。入国後、2年目以降の要件になります。
・技能実習生の経験
技能実習生を受け入れる時には、実習生の前職も関わってきます。実習生自身が、以前に同種の業務を行ったことがあるか、介護の分野で働くための特別な事情があることが条件となります。
・入国後の受け入れ時のルール講習
介護の技能実習生は、日本語科目について240時間以上と介護導入講習について42時間以上の講義を受けなければなりません。
介護現場に外国人技能実習生を受け入れるメリットとデメリット
介護現場に外国人技能実習生を受け入れることは、職場に対して多くのメリットとデメリットがあります。ここでは外国人技能実習生を受け入れるメリットとデメリットを紹介します。
■メリット
・仕事に前向きな人が多い
・吸収、上達が早い
・入居者様、職員に気に入られれば、施設の雰囲気がよくなる
■デメリット
・文化の違いや宗教などを理解する必要がある
・業務に制限がある
・在留資格によっては、勤務期間が限定される
母国語以外の言語を学んでいても、異国で働きたいという意欲がある方が外国人技能実習生には多いです。そのため、介護現場でも活躍してくれる傾向があります。一方で、文化と宗教の違いがあり、理解するまでに時間がかかります。また、在留資格によっては、業務に制限がかかる場合もあります。
まとめ
今回の記事では介護職場の外国人技能実習生について記事にしました。今回の記事のポイントは以下の通りです。
・外国人技能実習制度とは、開発途上国へ技術を移転し、国際貢献を目的に作られた制度のこと
・外国人技能実習生には在留資格がある
・外国人技能実習生を受け入れると、働く意欲が高い人が集まりやすい傾向にある一方で、在留資格によっては、業務に制限がかかる
いかがだったでしょうか。
外国人技能実習生を受け入れる際に、さまざまな理由で賛否が別れることがあることも事実です。今回の記事では、外国人技能実習生を受け入れる背景から実際に、現場に介護実習生を受け入れる時のことを解説してきました。
外国人技能実習生を受け入れることのイメージがないまま、外国人技能実習生の受け入れをしても、あまりうまくいきません。まずは制度に関する理解と制度を開始した時に起こることを想定することが大切です。
今回の記事で、みなさんの中での外国人技能実習生に対するイメージが正しく出来てくれれば嬉しいです。