「介護職員の給料が上がるって聞いたけど、本当に上がるのかな。そもそも私は対象なのかな。 」
「介護職員の賃上げって言っているけれど、制度が複雑でよくわからないな。」
2022年2月に岸田政権の政策として、介護職員の給料を上げる制度を掲げました。制度を見ていくと、事業所によって手当がついたりつかなかったりするような記載があり、本当にご自身の給料は上がるのか不安になったりすることだと思います。
今回の記事では、2022年2月に岸田政権が掲げた介護職員賃上げ制度について解説します。今回の記事を読むことで、介護職員の賃上げ政策についてわかり、どんな人が賃上げの対象になるのかがわかることでしょう。
国の政策として賃上げを行うと言われても、実際どんな人が対象でどういう仕組みで給料が上がるのかわかりにくいかと思います。
この記事を書いている私自身、今回の制度を初めて聞いた時にはどんな制度なのかよく調べないとわからないことが多く、理解するまでに時間がかかりました。
そんな私が時間をかけて調べた内容を一つの記事にまとめましたので、これから調べる方のリサーチする時間を短縮できることでしょう。
ぜひ、今回の記事を読んで、介護職員の賃上げ制度についてぜひ理解を深めてもらえれば嬉しいです。
2022年2月の介護職員賃上げ制度とは
岸田政権の目玉の政策である介護職の賃上げは2022年2月から始まったものです。2022年2月から介護職員の給料が1人あたり月額約9,000円の手当が支給されることとなりました。2022年2〜9月は全額国の交付金として支給され、10月以降は介護報酬に組み込まれて恒久化されることとなっています。
しかし、今回の介護職員賃上げ制度は必ずしも介護職員全員が手当を支給されるものではなく、一定の条件を満たす事業所に補助金が支給されることとなっています。賃上げの対象となるのは、「介護職員処遇改善加算のⅠ〜Ⅲを算定する事業所」です。加算Ⅰ〜Ⅲの間で、手当として支給される金額が異なります。
支給される従業員は、実際に利用者や入居者の介護業務を行う介護職員であり、パート・派遣社員も含まれています。支給される対象は従業員全般になっていますが、対象となる事業所によって支給されるかが変わります。ご自身の勤め先はどのようになっているか、今一度確認しましょう。
介護職員の収入が少ないのは何故か
一般的に、介護職員は激務だけれども収入が低いと言われることが多く、多くの人たちにあまり良いイメージがないのが現状です。介護職員の収入が少ないと言われるのは主に、「介護報酬に上限ある」・「専門性や資格が重視されない」という2点があります。
介護報酬は介護施設・介護事業所の職員の給料や運営費その他の経費は、基本的に国から支給される介護報酬から支払われる仕組みになっています。介護報酬を増額すると、増税をすることとなるため国民の負担が増えます。そのため、介護報酬は安易に上げることができず、上限が設けられています。
また、専門性や資格が重視されないのは、介護職そのものが資格は必要とされておらず、経験もそれほど重視されていません。未経験者含め、比較的誰でもできてしまう職種です。そのため、あまりスキルに差別化をすることができず、あまり収入を高くすることができません。
介護職員の待遇は改善しつつあるのか
介護職員の待遇は一般的に低いと言う認識がありますが、待遇は徐々に改善されています。近年では、介護職員の確保や定着のために、「介護職員処遇改善加算」や「介護職員等特定処遇改善加算」が設けられて介護職員の賃金を改善する動きが出てきています。
「介護職員処遇改善加算」は介護職員の賃金や職場環境改善の取り組みを行なっている事業所に、介護報酬を加算して上乗せ支給します。対象としている事業所が、処遇改善項目が多ければ多いほど、加算される金額も増えてきます。
「介護職員等特定処遇改善加算」は経験やスキルのある介護職員の処遇改善を目指している制度です。具体的には、勤続年数が長く技能を身につけていた介護職員の給料を上げるための仕組みをして、2019年にスタートしたものです。
介護職員として給料を上げるには
介護職員として給料を上げる方法は、実はいくつかのやり方があります。ここからは具体的にどんな手段があるのかを紹介します。
・資格取得して転職
介護福祉士などの資格を取得することで介護職員としての給料を上げることができます。通常の介護士よりも資格手当や処遇改善額が上乗せされるので、給料を上げることができます。介護福祉士の資格を取って転職をするのも良い方法です。
・管理職へキャリアアップ
主任やリーダーのような管理職にキャリアアップする方法です。管理職になることで基本給が上がり、さらに役職手当が支給されるので、さらに収入が増えます。ただし、勤務先によって要件が変わってくるので、必ず勤務先の就業規則を確認しましょう。
・夜勤の頻度を増やして夜勤手当をもらう
夜勤がある特養や老健では、夜勤手当が出るので、給料アップしやすいです。手当の内容については勤務先によって異なりますが、深夜労働の場合通常の手当よりも手厚くなります。
夜勤ができる環境であれば、まずは夜勤から初めてみるのも良いでしょう。もし、ご自身の働き方として、夜勤の選択肢も問題ないようでしたら、ぜひ夜勤に挑戦できる環境に飛び込んでみるのも良いでしょう、
・収入や待遇の良い施設に転職する
思い切って待遇や収入の良い施設や事業所に転職するのも給料を増やす手段です。現在の職場で長時間労働をしていても、すぐには給料を上げることは難しいでしょう。また、将来的に給料が上がらないとわかった場合は、給料が上がる職場へ転職することで、新しい職場と給料交渉ができます。
転職活動の面接を通して、実は今の職場よりも給料が上がったと言う事例は少なくありません。給料を上げたいと思うのであれば、ぜひ転職活動にもチャレンジしてみましょう。
今後の介護職員の給料は改定があるのか
今回の賃上げは2022年2月から9月までの暫定措置とされているため、2022年10月以降も賃上げを行う意向を示しています。介護報酬改定を行い、2022年10月以降も恒久的な介護報酬加算措置を講じる方針が示されています。
また、内閣官房の公的価格評価検討委員会が2021年12月にまとめた中間整理の「処遇改善の方向性」では、最終目標を「職種毎に仕事内容に適切な水準まで賃金が上がり、必要な人材が確保されていること」となっています。
上記2点からも、今後も介護職員の給料は上がることが見込めます。2022年7月現在では上記要因が見込めますが、今後の介護報酬改定の動向をチェックすると良いでしょう。
介護職員の給料を上げるためには転職するのも手段
介護職員としての給料を上げるために、転職活動も手段の一つです。近年では、介護職専門の転職サイトも増えてきており、給料アップするチャンスが開かれています。しかし、転職サイトがたくさんありすぎて、どれを使っていいかわかりにくいかもしれません。そこで、ここからは介護職のオススメ転職サイトを紹介します。
・介護ワーカー
介護ワーカーは年間転職成功実績1万件以上を誇り、求人数も8万件以上と豊富です。楽天リサーチで3年連続支持率1位を獲得しており、実績のある信頼度抜群の転職サイトです。
面接対策や条件交渉などサポートも充実しており、履歴書の添削や面接日程の調整と対策など安心してできます。手厚い転職サポートを受けて、転職活動をしたい人にはおすすめです。
・カイゴジョブ
カイゴジョブは介護専門の転職サイトで、全国の求人を掲載しています。職場環境・福利厚生も考慮した求人を数多く掲載しています。転職サイトの求人紹介だけでは不安な方にカイゴジョブエージェントと言う転職エージェントもあります。
カイゴジョブエージェントでは、転職活動に不安、転職活動が初めての方のために経験豊富な担当エージェントのサポートを用意しています。給与などの条件はもちろん、職場の雰囲気や求職者との相性を考えて求人を紹介してくれるのが特徴です。
・マイナビ介護職
マイナビ介護職は、マイナビが運営している介護職員に特化した転職サイトです。業界大手のマイナビが持っているネットワークを駆使して、業界トップクラスの求人を紹介してくれます。
マイナビ介護職には、全国に23支社があるため、日本全国どこからでも相談することができます。面接対策や給与交渉をしてくれる転職エージェントも在籍しているため、安心して転職活動に挑めます。
まとめ
今回の記事では、「介護職員の給料が今後上がるのか」や「2022年2月の介護職の賃上げ制度」について解説しました。今回の記事のポイントは次の通りです。
・介護職員の賃上げ制度は2022年2月から開始され、10月にもさらに待遇が良くなる。
・介護職員の給料を上げるには、介護福祉士の資格を取得したり、管理職や夜勤手当で給料を上げることができる。
・介護職員は転職を通して、待遇が良い施設や高い給料を出してくれる施設に転職し、給料を上げることができる。
介護の仕事は他の仕事と比べて、人手不足で大変な仕事である一方、あまり待遇がよくない状況が続く仕事でした。しかし、岸田政権の今回の介護職員賃上げ制度で介護
職員の働く環境が改善されてきつつあります。
制度としても始まったばかりですが、職場環境は良くなる動きが出ています。今後も介護職員の職場環境をめぐる制度が出てくることは間違いないでしょう。
これから介護職員として働きたい、今介護職員として働いているけれど自分を取り巻く環境で何が起こっているのかを理解するためにもこの記事を読んでもらえていたら嬉しいです。
また、今回の記事を参考にして、ぜひ、これから移り行く介護職員の労働環境について考えて、ご自身のキャリアにいかしてくださいね。