「以前から介護業界には課題がついて回っていたけど、2022年時点ではどんな課題があるのだろうか」

「介護業界の最新トレンドや課題が知りたいな」

少子高齢化社会など介護業界にはたくさんの課題や問題点がいくつかあり、年々少子高齢化の波がさらに押し寄せて、介護業界の課題がますます大きくなってきます。

 

この記事を書いている2022年11月現在でも、介護業界には多くの課題があり、介護施設や事業所に従事している人たちは日々様々な課題と向き合いながら業務を遂行しています。

 

今回の記事では2022年11月時点での介護業界の課題について解説していきます。また、この記事を書いている私は、介護業界に関する課題についてこれまでも調査・取材を行なってきていました。私のこれまでの介護業界に関する知見をもとに、2022年11月現在の介護業界に関する課題について解説します。

 

ぜひ、最後まで読んでいただけると嬉しいです。

介護問題とは

高齢化が進み、介護はますます現代の日本が抱える大きな課題となっています。介護は要介護者だけではなく、家族にとっても負担が大きいです。在宅介護にするか介護施設に入居するかなどその問題は家庭によって様々です。

 

また介護業界全体でも少子高齢化社会における問題が数多くあります。高齢化社会における要介護人口の増加、介護者の増加、同居介護者の介護負担の増大などが挙げられます。今後もますます超高齢化社会が加速してさらに様々な課題が出てくると予測できます。

 

超高齢化社会が加速する現代社会において、個人単位から国全体として介護問題は多様化すると予測できます。今後多様化されることが予測される介護問題について起きている事象について認識して対策をすることが大切です。

介護問題にある背景

介護問題の背景には少子高齢化社会が大きな社会問題となっています。高齢化の進展による要介護者数の増加が介護問題を深刻にさせています。内閣府の「高齢社会白書(平成28年版)」によると、日本の総人口は減少しているにもかかわらず65歳以上の高齢者は年々増加しています。

 

総人口の中で高齢者が占める割合は増加を続け、2025年には人口の約3割、2060年には約4割を65歳以上が占めると言われております。こうした人口構造の変化により、少子高齢化がますます進み、様々な業界で人手不足に悩まされるようになっています。

 

人口構造の変化に伴い要介護者も増え、介護業界で働く人々の数も少なくなり、介護難民と呼ばれる人たちも増えてきています。介護労働安定センターの調査では、「従業員が不足している」という回答をした事業所は全体の6割に上り、人材確保に苦心している様子がわかります。

介護業界の現状

少子高齢化社会により、働き手が少なくなって要介護者の割合が増えてくる中において2022年11月現在でもすでに介護業界では働き手が不足している状況です。こうした状況は、女性や定年後の労働者を足しても今後ますます働き手が足りないと示唆されるようになっています。

 

また、介護・看護を理由に退職する労働者も増えてきている事案も出てきています。介護離職が進むと、企業にとって人材流出となるだけでなく、労働力不足の問題を一層深刻にさせてしまいます。

 

介護に携わる労働者が自ら介護・看護を理由に退職してしまう事案に対して、政府は介護の受け皿拡大や仕事と介護の両立が可能な働き方の普及を目指して取り組むような施策を打ち出すようにまでなっているのです。

2022年最新版介護業界の課題10選

2022年11月現在でも、介護業界には様々な課題があります。介護業界がどんな課題に直面しているのかについて解説します。

 

1.介護難民

介護難民は、介護が必要な「要介護者」に認定されているものの、施設に入れない、適切な介護サービスを受けられない65歳以上の高齢者を指しています。有識者会議の「日本創世会議」では、2015年に「2025年には全国で約43万人が介護難民になる」と予想しました。

 

2.老々介護

老々介護とは65歳以上の高齢者が65歳以上の高齢者を介護している状況を指します。高齢者夫婦間での介護や高齢の兄弟姉妹間での介護、高齢になった子がさらに高齢の親や身内の介護をするケースがあります。

 

3,高齢者への虐待

家庭や介護施設で高齢者が虐待を受けてしまう事件が大きな問題となるケースが増えています。自宅で虐待を受けるケースはありましたが、介護施設でも虐待を受けるケースが起きてきています。実際に介護職による高齢者虐待の事案が2015年時点でも約4万件を超えていたことがわかりました。

 

4.高齢者の一人暮らし

核家族化や少子高齢化が進む日本で一人暮らしの高齢者が増加傾向にあります。今後の予測では、2040年には高齢者の一人暮らし率が男性20.8%、女性24.5%になると予測されています。

 

5.成年後見人のトラブル

「成年後見制度」は、認知症などで判断力が衰えてしまった人の権利や財産を守る制度です。成年後見人は家庭裁判所が選んで、被後見人を保護・援助する仕組みとなっています。基本的には素晴らしい制度ですが、中にはトラブルに発展するケースも多いのが現状です。

 

6.要介護者の増加

高齢者人口の増加に伴い、要介護者が増え続けています。少子高齢化社会に伴い高齢者はますます増え続け、介護が必要な人たちが増えていきます。また、今後60歳以上同士の要介護者と介護者の組み合わせ割合はさらに増えることが予想されます。

 

7.介護離職

平均寿命が伸びたことで、介護に必要な期間が伸びました。そのため、長期間に渡る介護が必要になり、仕事との両立ができなくなることが出てきてしまいます。介護施設に入居したくても、介護施設に空きがなく、自宅で介護をせざるを得ずに介護離職をするという場面も多々あります。

 

8.認認介護

「認認介護」とは介護をする側と介護を受ける側の双方が認知症を発症してしまう状況を指しています。介護を受ける側が認知症になっていく事象はありますが、介護をする側も認知症になってしまうケースも多々あります。

 

9.介護業界の人材不足

少子高齢化社会が進んでいる昨今、高齢者は増え続ける一方、労働人口が減り続ける現象が起きています。また、介護業界は特に高齢化が進んでおり、介護職員の中でも60歳以上の割合は21.6%にも上っています。

 

10.高齢化社会化による社会補償財源の枯渇

社会保障費の財源は社会保険料収入と公費で賄われますが、近年の社会保障費は右肩上がりです。社会保険料収入では賄うことができず、実態として半分近くを公費で賄っています。

介護業界の2025年問題とは

2022年11月時点でも介護業界には様々な課題や問題が多いですが、2025年には更なる課題が待ち受けていると言われています。2025年は団塊世代が75歳以上の後期高齢者になり、医療費や介護費用が急増すると言われています。

 

また、2015年に厚生労働省が公表した2025年に向けた介護人材にかかる需給推計によると、2025年の介護福祉業界における人材需要が253万人であるのに対して、福祉業界従事者数は215万人と約38万人の人材不足が予想されています。

 

2025年は団塊世代の後期高齢者入りに伴い、介護の需要に対して供給が追いつかなくなる自体が起きると予想されているのです。ただでさえ、現代でも大変な状況なのにもかかわらず更なる負担が降りかかってくると言われているのです。

介護業界の課題に対する解決策

介護業界の課題に対する解決方法として、介護従事者への人材投資を行うことが有効な手段の一つであると言えるでしょう。人材投資とは、介護従事者に対して業務を効率化させるツール支援や研修を含めた教育マニュアルの作成など人材に対しての待遇をよくしていくことが大切です。

 

少子化によりますます人手不足が深刻になってくる日本において、人材の定着率を上げていくことが重要な課題になってくるのです。また、採用に関しても、外国人労働者などの受け入れも柔軟に行なっていき、人材不足解消に向けて動いていくべきです。

 

今後ますます人手不足が深刻となる中、介護従事者の働きやすさを確保するということが重要になってきます。外国人労働者や女性などこれまでとは異なる人たちと働きやすい環境を作ることが介護業界の課題に対する解決策となるのです。

まとめ

今回の記事では介護業界の課題について解説しました。今回の記事のポイントは以下の通りです。

・少子高齢化社会による影響で高齢者は増え続け、労働人口が減り続けている。

・老々介護・認認介護など介護にまつわる課題が2022年11月時点でも増え続けている。

・介護従事者に対する待遇をよくして、女性や外国人労働者などのように多様性を認める環境作りが大切。

 

この記事を書いている2022年11月時点でも、実に多くの課題に悩まされている介護業界。今後2025年問題と言われる団塊世代の後期高齢者の仲間入りをはじめとした課題がさらに現役世代に重くのしかかってきます。

 

介護業界で働く環境をいかに良くしていくかが今後の介護施設や介護事業所の明暗が分かれてくるでしょう。今回の記事を読んで少しでも参考になれれば嬉しいです。