「世間では賃上げをする企業が増えているけど、介護職の私たちも賃金が上がるのかな。」

「国が経済界に賃上げをするように訴えているけど、本当に私たちの給料は上がるのかな。」

インフレで世界的に物価上昇の機運が高まっている昨今。私たちのこれまでの給与だけでは生活が難しくなってきています。海外では物価上昇がどんどん進んでいるにも関わらず、日本はいまだに給料が上がってこないのが現状です。

介護業界でも、他の産業と同じように賃上げを図るとされているが、それが一体どこまでの範囲でいくらになるのかみなさん気になることでしょう。本当に国の施策で私たちの給料が上がるのか不安になっている人もいることでしょう。

そこで、今回の記事では介護業界の賃上げについて解説していきます。この記事を書いている私は介護業界について、これまでに数多くの記事を書くために取材を重ねてきています。今回は私のこれまでの経験と取材を元に、介護業界の賃上げ事情について解説します。

本記事を読むことで、介護業界の賃上げ事情について2024年度の最新の状況について理解できることでしょう。ぜひ最後まで読んでみてくださいね。

介護職の給与水準

一般的に他の業界と比べると、介護職は依然として給料が低い部類に入ってきています。給与は大体40歳代くらいをピークに上がっていき、それ以降は給料が下がっていく傾向にあります。他の産業と比較して、参入障壁が低くて誰でもできる仕事と分類されることが多いです。

介護職は専門性や資格がそれほど重要視されておらず、また経験もそれほどまでに重要視されないため、未経験者を含めて、誰でも働きやすい職種です。また、介護報酬に上限があることも給料が低い原因として挙げられます。介護報酬は基本的に国から支給されるものであるため、増税がない限り増えることはありません。

介護報酬を増やすためには、増税をしなくてはならず、とはいえ増税を簡単にできるものではありません。増税をすると国民全体の負担が増えてしまうため、介護報酬にも上限が設けられています。そのために、介護職はなかなか給料を上げることができないでいるのです。

そもそも2024年に介護職員の給料は上がるのか

日本政府の声明により、介護職員の給料は2024年2月より賃上げされます。具体的な金額は職員一人当たり6000円賃上げされます。賃上げの対象には、一般的な介護施設の職員から訪問介護や看護助手、障害福祉系の介護職員も含まれています。

ただし、対象となるのは「介護職員処遇改善加算のⅠ〜Ⅲを算定する事業所」に務める介護職員が対象となっています。これに該当すれば、パート・アルバイトでも賃上げの対象となります。しかし、これらに該当しないケアマネージャーや事業所が賃上げはされないようになっています。

また、事業所次第では対象となる介護職員だけではなく、ケアマネジャーや事務職なども賃上げされるケースもあります。国の施策での賃上げではありますが、対象外であっても事業所の判断で給料アップを狙うことも可能になっています。

介護職の賃上げ政策

介護職員の賃上げは今後も継続していくべきという議論を介護給付分科会で実施しています。2025年には人口の多い団塊世代が75歳以上になるため、要介護者の増加が予想されており、介護のニーズは高まります。介護人材の定着を図るためにもこれからも介護職員の処遇改善は継続していきます。

また、今回の賃上げは介護職員に限定されていたこともあり、看護師やケアマネージャーまでの処遇改善にはなっていませんでした。そのため、まだまだ介護業界全体で給与水準を上げるというところまでには至っていないというのが現実です。

介護従事者の処遇改善を進める上で、介護保険料を支払う40代以上の負担が増加しているという課題もあります。介護保険サービスの持続性を疑問視する声もあり、介護保険制度に見直しの余地がないかも検討されています。2024年の介護報酬改定後は、その影響を速やかに検証し、2025年以降の介護従事者の処遇改善や業界の課題解消につなげる必要があると介護給付分科会で話し合われています。

賃上げの対象となる処遇改善加算はどこまでか

賃上げの対象となる処遇改善加算の対象は、「介護職員処遇改善加算Ⅰ〜Ⅲを算定する事業所」に務める介護職員が対象となっています。これらに当てはまっていれば、パートやアルバイトも賃上げの対象となります。今回の賃上げは一定の条件を満たす事業所で、その従業員に対して国の補助金が給与に反映されるようになっています。

一方で、介護職員処遇改善加算対象外の、居住介護支援・地域包括支援センター・訪問看護・訪問リハビリテーションは、今回の賃上げ対象外です。さらに、賃上げの対象の事業所であっても、ケアマネジャーや相談員、看護師・リハビリ職、栄養士・調理師、事務職などは対象外です。

ただし、賃上げの条件を満たしている事業所で、賃上げ対象外の職種であっても補助金の一部を賃上げに割り当てることは認められています。対象外の職種であっても、事業所ごとの方針によって、賃上げを実施する場合がありますので、ご自身の事業所の方針を確認すると良いでしょう。

今後も介護業界の賃上げは行われるのか

介護業界の賃上げも今後も継続して続けていくべきという意見が多いため、今後も継続的に賃上げを実施される可能性が高いです。2025年には人口の多い団塊世代が75歳以上になるため、要介護者の増加が予想されます。介護のニーズはますます高まり、介護人材の定着を図るために、これからも介護職員の処遇改善は続くと考えられます。

介護業界では、看護師やケアマネジャーの給与が低いという意見もあり、介護従事者全体の処遇改善が求められています。今後の介護業界を継続させていくためにも、根本的な賃上げも必須であり、介護業界に従事している人たち全員の生活水準を一定に保たせる必要があります。

介護職員の給与は毎年上がっている傾向にあり、今後は介護職員以外の給与水準の向上が行われるように、引き続き政策の動向を確認しておくと良いでしょう。

介護職として給料アップさせるには

介護職として給料を上げるためには、今の職場の賃上げ実施されるのを待つか、成果を上げるか昇進するという方法がありますが、転職をするという方法もあります。転職をすることで、今の給与テーブルよりもさらに良い事業所に移れる可能性があります。

また、今勤めている事業所よりも福利厚生が良くなり、働きやすい環境をすぐに手に入れることができます。給料が上がるのを待つのではなく、自らを変化させてより良い環境で働くというのも選択肢としてはありです。今の給料や福利厚生に不満があるのであれば、環境を変えてしまうのも良いでしょう。

介護職向けの求人を出している転職サイトや転職エージェントは多くあり、今よりも働きやすく給料も高い求人を紹介してくれることでしょう。現在、介護業界は慢性的な人手不足になっているので、転職も活発に行われています。ぜひ、みなさんもチャンスがあればぜひ挑戦して見てください。

まとめ

今回の記事では介護職の賃上げについて記事にしました。今回の記事のポイントは以下の通りです。

・介護職の給与水準は他の産業と比較して少ないものの、賃上げは毎年行われている。

・介護職員の給料は2024年2月より賃上げされ、6,000円のベースアップが実現している。

・今後も介護業界の賃上げは継続して行われるべきという論調が強まっている。

いかがだったでしょうか。

介護業界は、賃上げを含めて働く環境が毎年改善されている傾向にあります。2022年に引き続き、ベースアップを2024年にも実施され、今後も継続して賃上げを実施される傾向にあります。特に2025年には人口の多い団塊世代が後期高齢者に分類されるようになり、ますます介護のニーズは高まります。

今後も介護業界を取り巻く環境は人手不足解消と働く環境の制度作りが焦点となりそうです。今後も継続して介護業界に関するニュースはウォッチしていきたいところです。

今回の記事が少しでもみなさんのお役に立てると嬉しいです。