「介護休職をしようか迷うな。介護休職をすると、給付金が支給されると聞いたけど、どんな制度なんだろうな。」

「介護休業給付金という制度があるらしいけど、どんな制度なんだろうか。申請方法や申請対象者が知りたいな。」

 

親の高齢化に伴い、介護が必要になっている方の中には仕事と介護の両立に悩んでいる人も多いことでしょう。介護に専念した方が良い状況であっても、生活のことを考えると、なかなか今の仕事をやめて介護に専念する余力がない場合もあるでしょう。

 

現代では、家族の介護をするために休みを取る制度として、「介護休業」という制度があります。介護休業を取得することで、今の仕事をやめることなく、家族の介護に専念することができます。また、介護休業中に介護休業給付金が支給されるので、お金の心配を軽減できます。

 

この記事を書いている私は、介護にまつわる社会現象について数多く取材をして多くの記事を執筆しています。今回は私がこれまでに取材してきた知見を含めて、介護休職中に支給される介護給付金について紹介していきます。

 

介護休業給付金の制度を知ることで、介護に専念するための生活費の心配を軽減でき、介護に取り組むときの不安をなくすことでも和らげることができるでしょう。

介護休業にまつわる給付金のことを知ることで、介護に取り組むときの具体的な計画が立てやすくなることでしょう。

 

ぜひ、今回の記事を読んで介護にまつわる給付金について理解して、介護休職を取得するきっかけにしてもらえると嬉しいです。

介護休業給付金とは

介護休業給付金とは、家族の介護で休業する際に支給される給付金の制度です。対象者は雇用保険の被保険者である労働者です。つまり、会社にお勤めになられている方で、雇用保険に加入している方々を指します。

 

介護休業給付金の支給額は、休業開始前の賃金の67%で、最大93日間の休業が可能です。ご自身の給与の満額での支給ではありませんが、介護休業をする後押しになる制度です。現職での給料よりも多くお金がもらえるわけではありませんが、生活をするために必要最低限のお金を支給してもらえます。

 

介護休業をしている状態とは、要介護状態の家族の介護のために仕事を休業することです。要介護状態は、主に身体上あるいは精神上の障害により、2週間以上の常時介護を必要とする状態を指しています。

介護休業給付金はどんな人が貰えるのか

介護休業給付金を受給するためには次の項目をクリアしないといけません。どんな給付基準があるのか見ていきましょう。

 

1.就業日数

介護休業を開始した日よりも前の2年間に、雇用保険の加入期間が12ヶ月以上必要です。雇用保険の加入期間の12ヶ月とは、11日以上就業した月を1ヶ月として計算されます。なお、12ヶ月間中に本人の疾病などがあった場合条件が緩和される可能性があります。

 

2.賃金

介護休業中の賃金は、賃金の80%未満が原則です。介護休業給付金の支給を受ける前に就業日数を減らしてしまったり、有給を使用すると支給される金額が変わる場合がありますので注意しましょう。

 

3.契約に関する条件

契約期間に定めのある有期雇用者は、同一の事業主の下で1年以上雇用して、介護休業予定日から93日を経過する日から6ヶ月経過する日までに、その労働契約の満了が決まっていないこととしています。

介護休業給付金の申請方法

介護休業給付金はハローワークで申請を受け付けています。申請は原則として、事業主を経由して行う必要があります。ただし、申請を受ける本人が希望すれば介護休業給付金の手続きを行うことも可能です。

 

また、介護休業給付金を申請するために申請に必要な書類と受給申請に必要な書類に大きく分かれます。介護休業給付金を支給してもらうために、多くの書類を提出しなくてはいけません。細かく分類すると次のようになります。

 

介護休業給付金を申請するためには受給申請書類と支給申請書類が必要です。受給申請には雇用保険被保険者休業開始時賃金月額証明書、賃金台帳、出勤簿またはタイムカードが必要です。また、支給申請書類には介護休業給付金支給申請書、住民票記載事項証明書、出勤簿、賃金台帳が必要です。

介護休業給付金はいくら貰えるの?

介護休業給付金は「休業開始時賃金日額×支給日数×67%」で計算されます。休業開始時賃金日額は介護休業開始前6ヶ月の賃金を180日で割った金額に相当されます。ただし、休業期間中に事業主から賃金が支払われた場合は給付額が減る可能性がありますので注意が必要です。

 

また、介護休業給付金の受給申請は介護休業終了日の翌日から2ヶ月後の月末までに申請が必要です。受給申請書を提出するスケジュールを正しく把握しておかないと受給がおりないことにもなりかねないので注意しましょう。

 

介護休業給付金は、支給決定後の約1週間程度で支払われます。なお、支給が決定したタイミングで「介護休業給付支給決定通知書」がもらえます。

介護休業給付金をもらう時の注意点

介護休業給付金をもらう時にはいくつか注意するべきポイントがあります。ここからは介護休業給付金を受給するときの注意点について紹介します。これから紹介する注意点に気をつけて受給しましょう。

 

1.介護度が変わっても支給日は変わらない

介護対象者の介護度によって、支給日数が変わることはありません。休業期間は2週間未満でも受給可能です。

 

2.介護休業給付金の利用は1回だけ

介護休業給付金は、1人の介護者に対して原則1度だけです。ただし、93日間を3回に分けて使うことはできます。

 

3.介護休業中は、給付金はもらえない

介護休業給付金は休業期間中ではなく、終了してから支給されます。支給される期間をしっかりと把握して、介護休業給付金をもらいましょう。

介護休業給付金もらえない時はどんな時?

介護休業給付金がもらえない時とは介護休業期間中の1ヶ月のうちに10日以上就労した場合は支給対象外になります。また、日数が10日以内であっても賃金が8割を超えた場合、給付対象外になります。また、休業期間が1ヶ月未満の場合、就業日数が10日以下で全日休業している日が1日以上あることも必要です。

 

介護休業給付金は、介護休業終了のタイミングで職場復帰することが前提なので、介護休業を開始する前に退職が決まっている場合は支給対象外です。また、介護休業給付金は他の給付金とは併用ができません。

 

「育児休業」「産前産後休業」「育児休業」などとの併用はできません。介護や育児と重なってしまった場合、どの時期に制度を利用するかの見極めも必要です。できる限りスケジュールを調整して計画的に支給できるようにしましょう。

まとめ

今回の記事では介護休業でもらえる介護休業給付金について解説しました。今回の記事のポイントは以下の通りです。

・介護休業給付金とは家族の介護で休業する際に支給される給付金の制度。

・介護休業給付金をもらうためにはいくつか条件があり、タイミングやスケジュールを見極めないといけない。

・介護休業給付金は他の給付金と併用はできない。

介護に専念したくても、お金の問題でなかなか介護休業の制度を利用できない人がたくさんいるかと思います。介護休業給付金は賃金の満額とまでいきませんが、賃金の8割程度は支給される制度です。

 

介護休業給付金の制度を上手に活用して、少しでもお金の不安を取り除くことができるかと思います。

 

今回紹介した介護休業給付金の制度について理解していただき、少しでも介護休業をしたい人が安心して活用できれば嬉しいです。