所得税徴収高計算書(納付書)ってどう書くの?

  • 小麦粉の加工会社を経営しています。年末調整のときには還付や納付が複雑で所得税徴収高計算書(納付書)の書き方がよくわかりません。どうするのですか?

基本は毎月の納付書と同じです!

    

★所得税徴収高計算書(納付書)

●年末調整の計算が終わると、過納額や不足額の精算をします。  ↓  この場合、その内容について「年末調整をした月分の所得税徴収高計算書(納付書)」に  記載した上で徴収税額を納付することになります。  ↓  ①過納額を充当又は還付した時は、「年末調整による超過税額」欄に金額を記入。  ②不足額を徴収した時は、「年末調整による不足税額」欄に金額を記入。  ↓  「年末調整による不足税額」欄・「年末調整による超過税額」欄には、  【実際にその月に精算をした金額】を記入しなければならないので、  12月中に精算しきれず、翌年1月や2月に繰り越して精算する場合、  1月や2月の所得税徴収高計算書(納付書)の該当欄に金額を記入します。

★所得税徴収高計算書(納付書)の納付税額がゼロ!!

●年末調整で超過税額が多かった場合、1月の納付税額がゼロになることもあります。  ↓  この場合でも所得税徴収高計算書(納付書)を税務署に提出しなければなりません。  ↓  所要事項を記入して翌月10日までに税務署に提出する必要があるんです!  ↓  ちなみに、納付税額がゼロの場合の所得税徴収高計算書(納付書)は金融機関で  取り扱えないので、税務署に送付することになりますね。

海外出向等から帰ってきた人の年末調整は?

  • 鉄鉱石関連の商社です。海外駐在員が多くいろんなパターンがあって年末調整がややこしいです。注意点を教えてもらっていいでしょうか?

海外駐在、海外出向の年末調整について①

    

★7/1に帰国命令。7/20に実際に帰国。8/1に神戸で仕事開始

●実際に帰国した日の翌日、つまり7/21から日本の「居住者」になります。

★7/20に帰国した人に7/25払いの給料を払う?

●前月16日~当月15日の分を当月25日に払う会社を前提とすると  7/25に払う給料を「7/20に帰国した人」に払うかどうか。  ↓  「給与所得者の扶養控除等申告書」を7/25の前日までに提出してもらえば  支給額の全額を支給し、甲欄控除で源泉徴収します。  ↓  居住者の課税所得の範囲は「全世界所得」です。  つまり、労働がどこで行われていたとしてもっ関係ないです。  ↓  もっというと、帰国後に支払われる給与は、  所得源泉地(どこで労働したか)にかかわらず、全てが課税対象です。

★7/20に帰国した人に12/10払いの賞与を払う?

●例えば、5/1~10/31をボーナス基準期間として、12/10に実際に払う場合  7/20に帰国した人はどうやって算定するのでしょうか?  ↓  居住者の課税所得の範囲は「全世界所得」です。  ↓  つまり、他の従業員と同様に、支給額全額を対象にして源泉徴収を行います。  ↓  働いていた場所(海外でも)がどこであっても関係ありませんね。考慮不要です。  

★7/20に帰国した人は年末調整の対象者?

●「給与所得者の扶養控除等の申告書」の提出があること ●帰国後に支払われた給与総額が2,000万円以下であること ↓ この場合には年末調整の対象者になりますね。

★7/20に帰国した人は何月の給与から年末調整の対象?

●帰国後=居住者となった後で、最初に払った給与から年末調整の対象です。  ↓  つまり7/21以降に払われた給与は全て年末調整の対象になります。  ↓  それ以前=非居住者の時の給与(留守宅手当を含む)は、日本での課税はなし!  

★4/1に海外に出向して8/20に帰国した場合、年末調整は?

●「給与所得者の扶養控除等の申告書」の提出があること ●対象となる給与総額が2,000万円以下であること ↓ この場合には年末調整の対象者になりますね。 ●対象となる給与は・・・・・・・  1/1~4/1に支給された給与と、8/21以降年内の間に支給された給与の合計額。  ↓  つまり、居住者の期間に支払われた給与全額を対象にして年末調整します。  ↓  通常は、4/1の出国前に年末調整しているので、  実務上は、4/1の年末調整後の額(確定税額)+帰国後の給与額(確定前税額)を  合算して再度年末調整が行われる形になりますね。  

海外駐在等から帰った人の年末調整の控除は?

  • くしを輸入している会社です。海外駐在から帰ってきた人の年末調整の控除はどういう風に考えたらいいのでしょうか?

支払時に居住者であるかどうかがポイントです

    

★7/20に帰国した人の年末調整の配偶者控除は?

●期間按分の必要はないです。満額になります。  ↓  単純に12月31日の現況で判断するだけです。  ↓  尚、配偶者控除等の要件である「合計所得金額」は国外源泉所得は含まれません。  帰国前に配偶者が海外で収入を得ていたとしても除外して考えます。

★7/20に帰国。海外滞在期間も厚生年金を払っていた場合

●社会保険料控除の対象になるのは、帰国後に支払った金額のみです。  ↓  社会保険料控除は「居住者」が要件になっています。  つまり、帰国前に支払った社会保険料は「非居住者」として払っているので  控除の対象にはならないですね。

★7/20に帰国。海外滞在期間も日本に住む子供の国民年金を払っていた

●上記同様、社会保険料控除の対象になるのは帰国後の支払った金額のみです。  ↓  考え方は上記と同じで、「居住者」のときに払っているかどうかがポイントになります。    

★7/20に帰国。海外滞在期間も生命保険料を払っていた場合

●生命保険料控除の対象になるのは、帰国後に支払った金額のみです。  ↓  社会保険料控除の場合と同じく、生命保険料控除の場合も  「居住者」であることが要件になっています。  

★7/20に帰国。海外滞在中に海外の生命保険に加入した場合

●生命保険料控除の対象になるためには二つの要件があります。  ↓  ①国内で契約すること   (日本で営業している生保会社であっても海外で契約すればダメ)     ②日本で営業をしている生命保険会社であること   (外国の生命保険会社で日本で営業していない場合はダメ)