個人事務所を作ると社会保険料が安い?
- 猫専用のグッズ販売の会社を経営しています。商工会議所の知人から個人事務所を作ると社会保険料が安くなると聞いたのですが本当ですか?
一般的には安くなりますね。
★社会保険適用の義務の範囲をまず知る!
●法人:事業主も含めて全員が被保険者になる義務があります。 ●個人事業主:従業員5人未満の場合は適用除外です。 5人以上の場合でも適用除外になる業種があります。★法人だけを作って給与をもらう場合
●月収100万円の代表取締役 ↓ ■労使合計の社会保険料は年間230万円程度になります。 □健康保険料 :110万円 □厚生年金保険料:118万円★5人未満の個人事務所を作って給与を分ける場合
●法人と個人事務所で月収50万円ずつ(合計100万円)にする。 ↓ 個人事業所からの給与50万円には社会保険がかかりません。 ↓ つまり、社会保険の対象になるのは、法人からの給与50万円のみです。 ↓ ■労使合計の社会保険料は年間150万円程度でかなり安くなります。 □健康保険料 :56万円 □厚生年金保険料:94万円 ●法人と個人事務所で月収10万円と90万円(合計100万円)にする。 ↓ 個人事業所からの給与90万円には社会保険がかかりません。 ↓ つまり、社会保険の対象になるのは、法人からの給与10万円のみです。 ↓ ■労使合計の社会保険料は年間29万円程度ですごく安くなります。 □健康保険料 :11万円 □厚生年金保険料:18万円★個人事務所を作る場合の留意点
●個人事業所でも、従業員5人以上の場合は社会保険が適用されます。 しかし、以下のような業種では5人以上でも適用除外事務所になります。 ◆第一次産業(農業、畜産業等) ◆サービス業(理容業、飲食店等) ◆法務業(弁護士、税理士等) ◆宗務業(神社寺院、協会等) ●個人事務所を作って2ヶ所給与になると確定申告の義務が発生します。 ●将来の年金受給額が減るリスクがあります。
接待中のゴルフの怪我は労災適用?
- 麹や味噌関連の卸販売をしています。接待が非常に多いのですが先日ゴルフで肉離れを起こしました。労災適用申請してもいいでしょうか?
おそらく厳しいでしょう
★労災保険の概要
●労災保険とは ↓ 業務上の事由or通勤による 労働者の負傷・疾病・障害・死亡に対して 労働者やその遺族のために、 必要な保険給付を行う制度。★接待中のケガは労災適用か
●接待の定番といえばゴルフですが、ゴルフで怪我をする人は意外に多いですね。 これが会社の事業遂行上必要なものであった場合には労災の適用はあるか どうか。実務的にはよく問われるケースです。 ●結論は「労災認定は難しい」 ↓ 業務上の負傷に該当するかどうか、が勝負の分かれ目。 ↓ 接待も業務上必要だといえなくもないですが、親睦目的の側面も勿論あります。 ↓ 以前の判例として、 取引先企業と主催したゴルフコンペに社長命令で参加した従業員が、 その道中でに交通事故死したケースでさえも労災とは認定しない例がありました。 ●ですので、接待ゴルフに関連する怪我等は労災の認定は非常に厳しいと 思われます。せいぜい会社負担でお見舞金を出す程度になるのが実情ですね。
従業員が消費者金融でお金を借りてしまった!
- 目玉焼きの卸売加工を行う会社を経営してます。従業員が消費者金融に多額の借金があることを知りました。会社として何とか手を差し伸べてあげられないでしょうか?
会社として採るべき方法は2つ!
★従業員が消費者金融でお金を借りたときの対処法
会社の採る策は二つあります。 ●会社が従業員に貸す。 ●都道府県が会社に変わって従業員に貸す。★会社が従業員にお金を貸す!
●原則 給料と会社貸付金を相殺できないのが原則です。 (労働者保護ですね。労働基準法第17条) ↓ 給料から差し引くことができるのって決まってるんです。 □法律関連(税金や社会保険料) □労使協定で定められて分(社宅費・共済費用等) ↓ これ以外を差し引くことができないのが原則なんですね。 ↓ とはいえ、実務上は貸付金を給料から天引きできないと かなり面倒です。 ●貸付金を給料から天引きするための要件 □社員貸付制度の規定を作る □目的は社員の福利厚生であることを明文化 □返済についての労使協定を交わす ↓ 貸付制度規定の概要例 ◇社員の福利厚生のための目的 ◇金利 ◇対象者・勤続年数条件 ◇借入限度額 ◇担保 ◇返済方法 ↓ 労使協定の概要例 ◇従業員の過半数の代表者(労組がない会社)と会社が書面で締結。★会社が従業員にお金を貸せない場合!
●社員貸付制度を行いたいけれど、資金繰り的に厳しい会社もあります。 ↓ この場合は都道府県等が行ってくれる公的融資があります。 例えば兵庫県にも「中小企業従業員生活資金融資」があります。 ↓ 消費者金融で借りるぐらいなら、まずはこの制度を検討しましょう。