最低賃金って守っていないとマズイですか?

  • 厨房の器材製造メーカーです。多くの労働者を抱えていますが最低賃金にひっかかってないか心配です。これはどうやって計算するのですか?守らないとヤバイですか?

マズイです!正しい計算方法でまずは時給計算しましょう

    



★最低賃金について

2009年10月、最低賃金法が改正されました。 ●最低賃金  1時間当たりの賃金の最低額を指します。     ●対象者  正社員、パート、アルバイト等、全ての従業員を含みます。 ●具体的な最低賃金の額  厚生労働省ホームページでご参考ください。      

★最低賃金の注意点

●時給設定している場合  最低賃金と時給の比較が必要です。最低賃金以下の場合は、  引き上げが必要になります。   ●月給設定している場合  まずは月給を時給換算する必要があります。そして時給換算額と  最低賃金を比較します。    <例>  月給:12万円、1日の労働:8時間、年間労働日数:250日  ↓  (12万円×12ヶ月)÷250日÷8時間=時給換算額     ●時給換算する上での注意点<1>  上記の月給12万円にはどこまでの範囲が含まれるかが問題になります。    <時給換算する上で、上記の計算に以下を含めてはダメ!>    ①残業手当  ②休日出勤手当  ③皆勤手当  ④通勤手当  ⑤家族手当  ⑥賞与、ボーナス  ⑦その他の臨時的な手当(結婚手当や出産手当等)

★最低賃金の適用者の範囲

●原則:全ての従業員に対して最低賃金は適用されます。 ●例外:以下の場合は最低賃金の適用外です!       ①精神、身体の障害により労働能力が低い  ②試用期間中  ③職業訓練を受けている     ④簡単な業務  ⑤実際に仕事をする時間が断続的   (警備員で仮眠と見回りを交互にするような場合) ●例外適用のためにすること  労働基準監督署に最低賃金の減額申請が必要です。

残業代の不払いを求められた!社会保険は?

  • アミノ酸の原料の製造メーカーです。従業員から過去の残業代の不払いを求められ支払う予定にしています。この場合社会保険料も変化するのでしょうか?

場合によっては社会保険料の算定基礎も動きます!

    



★社会保険料の算定方法

●定時決定  毎年7月に、7月1日現在の全被保険者を対象に、4月~6月までの3ヶ月分の報酬をもとに  新しい標準報酬を算定します。(提出書類は「被保険者報酬月額算定基礎届」)  9月分の保険料からこの標準報酬が適用されます。 ●資格取得時決定  新規従業員採用時ですね。採用後5日以内に「被保険者資格取得届」を  社会保険事務所に提出します。  報酬月額を記載する欄があり、これを基に社会保険事務所が標準報酬月額を決定します。 ●随時改定  給与が大きく変動すると、現在の標準報酬額と乖離する可能性が高くなります。  このときに標準報酬月額を改定する手続が随時改定です。  (「標準報酬月額変更届」を提出します)    ◆随時改定をするための要件(3つ全てを満たす必要あり!)   ①固定的給与の変動があった(基本給、その他手当を含む。しかし時間外手当は対象外)      ②固定的給与の変動があった月以降3ヶ月の給与支払基礎日数が20日以上ある     ③3ヶ月間の給与の標準報酬が2等級以上変動した  

★残業代を過去に遡及して払った場合の社会保険料

●算定基礎(4月~6月)に影響がある場合には、社会保険料の再計算が必要でしょう。  →4月~6月の間の残業代の未払があって、その残業代の精算をした場合、   算定基礎の額自体が変わりますから。       ●4月~6月以外の残業代であれば、大きく変動しても随時改定にはならないと思われます。  (時間外手当は随時改定の対象外なので)  →しかし、基本給やその他手当に影響する場合は、検討しなければならないと思われます。

アルバイトやパートは保険はどうなる?

  • 玉葱の加工業者です。仕事柄パートやアルバイトをいっぱい雇うのですが社会保険はどうすればいいのでしょうか?

社会保険と雇用保険に分けて考えましょう

    


★アルバイト・パートの扱い

●原則:社会保険や雇用保険の対象になります。  ↓  ただし、注意点があります。  対象になるかどうかは、雇用形態で決まるものではないのです。  ↓  健康保険・厚生年金保険:1日の労働時間と1ヶ月の労働日数で決まります。  雇用保険:週あたりの労働時間と雇用期間で決まります。  

★社会保険の場合

●就業規則にある所定労働時間及び所定労働日数の3/4以内で勤務している  場合は被保険者になりません!!    

★雇用保険の場合

●1週間の労働時間が20時間未満の場合や、6ヶ月以上の継続雇用が見込まれない場合  雇用保険の被保険者の対象外となります。 ●3ヶ月の期間契約を繰り返す場合は実態で判断します。  つまり3回目(6ヶ月経過後の更新時ということです)の更新時に  雇用保険の加入が必要になります。    

★つまり、どういうことか

●社会保険料は12%、雇用保険料は0.7%程度です。  つまり、節約するには社会保険料をいかに抑えるかがポイントになります。  ↓  もっというと、いかに3/4以内の人々を創出するか、がポイントです。  ↓  社会保険料だけ考えると、3/4を超える人のアルバイトを少なく雇うよりも  3/4以内で収まる人々をいっぱい雇う方が確実に節約になります。  ↓  雇用保険の適用ルールを意識すると複雑になりますが、雇用保険料の  金額的インパクトは通常かなり小さいので、社会保険料を意識すべきですね。