派遣契約を更新してもらえなかった。どうしようもないのですか?

質問日:2009/04/25
派遣契約労働者です。この度の契約更新のときに「契約期間が終わった」
という理由で更新されず、無職になりました。泣き寝入りしかないのですか?

『解雇』に該当するかどうかが勝負の分かれ目になります。

回答日:2009/05/07


★『雇い止め』と『解雇』の違い

期間の定めがある臨時労働者・派遣契約労働者等の場合、契約期間が終わったから、 もう契約を更新しないと言われることがありますね。これを、「雇止め」といいます。 (契約期間満了であれば、退職届も不要になります。) トラブルも多いのですが、その最たる理由は、理由が純粋に契約の終了であるかどうか です。実際上は「解雇」と同じだということがよくあります。 雇い止めと解雇の境界線。そのポイントは以下となります。 ●「あなたにはできるだけ長く働いてほしい」「あなたの頑張り次第では正社員になれるよ」  というようなことを言われていた。これは解雇の可能性が高くなります。   ●同じ立場の人たち(契約期間の定めのある人)は、何年も何回も更新していたりすることが  よくあります。にもかかわらず、あなただけが契約更新されないならば、解雇の可能性が  高くなります。 ●何回契約の更新を行ったかも大事です。  今まで何度か何の問題もなく更新してきていたら、その実績はあなたの強みです。  3年以上継続して働いてきたかどうかが目安ともなります。 ●契約期間終了後に、会社が「更新しない」旨を言ってきた場合は、 もうすでに契約は更新されているとされます。(黙示の合意です) にも関わらず、そんなことを言ってきたらこれは「解雇」と同様です。 当てはまる数が多ければ多いほど実際上の解雇である可能性が高くなります。

★全ては会社から「本当の理由」を引き出すことがスタートです。

解雇と同様と考えられた場合、合理的理由がなく不当だという場合は、 不法行為として損害賠償請求が可能な場合があります。 (労働局あっせんまたは労働審判) ◆厚生労働大臣の定める雇止めに関する基準  雇止めに関する紛争が多いことから、2003年に定められたものです。  守られていなければ違法性は高くなります。 ①:期間労働契約締結時、使用者は期間満了時の更新の有無を明示しなければならない。 ②:①の場合、更新する、しないの判断基準を明示しなければならない。 ③:1年を越えて継続勤務している場合で更新しないと明示されていない場合に、   更新しないこととするときは、30日前には予告しなければならない。 ④:③について、労働者が更新しない理由の証明書を請求した時は、   使用者は交付しなければならない。

どうしても内定取り消しがしたい。何とかなりませんか?

質問日:2009/04/25
中小企業の社長です。この度業績悪化で内定者の取り消しをどうしても行わざるを
えないと考えてます。テレビで騒がれていますが簡単ではないのでしょうか?

内定取り消しは簡単ではない!まずは内定作業を慎重に!

回答日:2009/05/12


★内定取り消しは簡単ではないんです!

●公共職業安定所及び学生の学校長に、該当者の内定取消を通知する必要があります。 ●内定取消内容が、厚生労働大臣が定める場合に該当するときは、 学生等の適切な職業選択に資するよう、厚生労働大臣は内容を公表できるとされてます。  ◆厚生労働大臣が定める場合  内定取消の内容が、次のいずれかに該当する場合  ①2年度以上連続して行われたもの  ②1年度内において10名以上の者に対して行われたもの  (内定取消しの対象となった新規学卒者の安定した雇用を確保するための措   置を講じ、これらの者の安定した雇用を速やかに確保した場合を除く。)  ③生産量その他事業活動を示す最近の指標、雇用者数その他雇用量を示す   最近の指標等にかんがみ、事業活動の縮小を余儀なくされているものとは   明らかに認められないときに、行われたもの  ④次のいずれかに該当する事実が確認されたもの  <A>内定取消し対象の新規学卒者に対して、内定取消しを行わざるを得ない     理由について十分な説明を行わなかったとき  <B>内定取消し対象の新規学卒者の就職先の確保に向けた支援を行わなかったとき

★下手すると「解雇」扱いと同じです!

採用内定通知が労働契約締結についての労働者の申込みに対して労働契約を完成させる 使用者の承諾の意思表示としてなされたものであれば、会社の採用内定通知によって 労働契約は有効に成立し、会社の採用内定取消通知は有効に成立した労働契約解除の 通知であると解されます。 会社の採用内定通知が労働契約締結の“予約”であれば、未だ労働契約そのものは 有効に成立しないと判断されます。     ◆内定通知だけでは、労働契約成立には至らないとする解釈が一般的です。  しかし、内定通知以外に以下のような展開をしていれば労働契約成立とみなされます。    ①入社のための必要書類の提出を受けた。  ②入社日の通知を行った。  ③勤務場所の通知や研修の案内を行った。  ④その他採用が確定した旨の意思表示を提示した こうなってしまうと、内定取り消しは解雇にあたります。 つまりは、労働基準法の第20条の解雇予告が必要ということになりますね。 人は財産と考えて、内定者を予定通り採用する場合には、現状ではかなりの 雇用調整助成金の検討の余地があります。