この記事を要約すると・・・・
- 歯科医院の先生とスタッフの意思疎通は出来てますか?
- 歯科医師が持つ名刺
- 口腔内カメラで患者の心を掴もう
- 患者のミスは再来患者誕生のチャンス
- 口コミ効果は絶大です
こんにちは、歯科医院と介護事業を中心とした税理士の中島です。
今回は「歯科医院内の雰囲気がイマイチ」「歯科医師としての名刺を持ってない」「患者がミスしたらイラっとしてる」「近所の口コミを広げたいなあ」という歯科医院の先生向けに書いてみました。しっかり読めば歯科医院内の雰囲気が良くなり収入アップに繋がります。
先生、スタッフとの意思疎通は万全ですか?
<先生、スタッフとの意思疎通は万全ですか?>
基本的に患者様は医院内では暇です。 時間があります。そして、不安もいっぱいです。 だから周囲の状況はいつもの何倍もの精度で感じています。 先生がスタッフに言った何気ない一言や、スタッフ間の何気ない会話、先生がスタッフに どうやって接しているか等については、患者様は無意識のうちに感じ取っています。 そして、それが医院の評価に対する基本軸になるといっても過言ではありません。 「良い先生」は患者様にとってもそうですが、スタッフや同僚にとっても等しいもので なければ意味がありません。 患者様に精一杯の丁寧さで接していても、スタッフに意味もなく厳しい言葉を発しているようでは 患者様も何かしらのマイナスを感じ取られるものです。 逆にいうと、スタッフとの関係が良好な医院様ほど、患者様との関係も良好なものです。 スタッフも医院マーケット内の地域住民の一人です。 地元スタッフが愛する医院はきっと地域のみんなから愛されるようになります。 毎日接しているといい面も悪い面も見えてしまいます。 それを全てひっくるめて良好な関係、スタッフにとって働きやすい環境を作り出すのは 歯科医師としてではなく、経営者としての先生の責務ではないかと思います。 <参考> 歯科医院の場合は、医師が男性でスタッフが女性というパターンの割合が高いのが特徴です。 スタッフ同士(女性同士)でコミュニケーション不足になった場合には先生が介入するのは 実は非常に難しいのです。 また、逆にスタッフ同士がコミュニケーションが十分すぎるがために、批判の矛先は先生に 向く場合もあります。 いずれにしても注意が必要です。
先生、どんな名刺を持っていますか?
<先生、どんな名刺を持っていますか?>
先生方の多くは名刺を持っておられると思いますが、 どういうデザインで、どういうシーンで渡すのか、 気にしたことはありますか? ○名刺デザイン ほとんどの先生が意識されておられないかもしません。 でも、名刺デザイン程、簡単に色んな情報を渡せるチャンスプレースはないのです。 どういった事例があるのでしょうか? ◇最近では顔写真や似顔絵を入れて親近感を持たせています。 ◇専門分野や住所は勿論、ショップカードのような雰囲気を持たせています。 ◇高齢者の方が患者に多ければ記載事項はかなり大きくしています。 ◇一言メッセージを書く欄を設けてもいます。 ◇分かりやすい地図を裏面に入れています。 ◇タクシーで来る人が多いなら、そのまま運転手に渡せるデザインにしています。 ◇最寄り駅の時刻表をそのまま転記している名刺もあります。 ◇子供にウケルようなロゴマークを作った先生もいらっしゃいます。 ◇紹介を狙って「そのままお知り合いの方にお渡し下さい」と書いている先生もいます。 患者層やエリアによって変ってくるでしょうが こだわりの名刺は一つ持っておかれてもいいと思います。 ○名刺を渡すシーン 先生の職業柄、名刺を渡すシーンは意識しなければ訪れません。 ポイントは二つあります。 ◇一つは初診患者の診療直後です。 衛生上の問題をクリアしながら、チェアーの側で渡せるのが一番効果的だと思います。 ◇受付に常設します。 何か分からない患者様のために「ご自由にお取り下さいませ」と記載しておきましょう。
口腔内カメラの利用方法
<口腔内カメラの利用方法>
最近は多くの歯科医院で口腔内カメラの導入が進んでいますね。わが税理士事務所の顧問先歯科医院でもほとんど導入されていそうです。 口の中の衛生状態がどうなっているのかを顕微鏡で見ることもできます。 素人が見ればびっくりします。 自分の口の中にこんなにたくさんの菌が存在していることを知って 背筋が寒くなる人も多いでしょう。 これで終わってしまう医院も多いのですが、 患者が本当に知りたいのは「菌がいっぱいいること」ではなくて、 「治療によって口の中がどういう状態になったか」ということです。 ですので、せっかく治療前に口の中の写真を撮影したのであれば、 治療スケーリング後にでも撮影して、ビフォーアフター戦略を採用すべきです。 コレが医院の実力として評価され、評判にも繋がります。 高い機械は使い方によっては絶大な効果をもたらしてくれます。 なみに 歯科医院の評価をアップさせる戦略として、治療前治療後比較戦略というものがあります。 比較とはつまり相対化するということです。 他の歯科医院と技術の比較をするのがなかなか難しいですが、 「治療前の症状が治療後にはこういう症状になった」 という相対比較は患者には分かりやすいです。 それを目で分からせるのは更に効果的です。
患者のミスは医院にとって大チャンス
<患者のミスは医院にとって大チャンス>
患者様はよくミスをされます。 医院に財布や携帯電話を忘れて帰った。 保険証を持ってくるのを忘れた。 予約日時を勘違いして来れなくなった。 医院の運営上、こればかりはどうしようもありません。 こんなときに先生及びスタッフの方はどう対応していますでしょうか? 「もーめんどくさいなあ」と言い合ったりしていませんか? 「この空き時間どうしたらいいんだよ」と嘆いたりしていませんか? 患者様はこういったケースでは非常に恐縮されます。 そして、大変申し訳ないという気持ちで医院を再訪されることがほとんどです。 そんなときには普通の対応をしていては実は勿体ないのです。 こんなときこそ、 満面の笑顔で、ありったけの優しい声で、 患者様のことを気にしてあげましょう。 「財布がしばらくなかったと思いますが大丈夫でしたか?」 「保険証は無事見つかりました?」 「痛みはどうですか? 自医院のことなど気にせず、患者様に精一杯の気配りをしてあげましょう。 医院側から言われなくても「ミス」についての謝罪の気持ちはみんな持っておられます。 この対応はできるビジネスパーソンが行う手法です。 患者様の感謝の気持ちは平時の何倍にも膨らみます。 こういった緊急時対応をマニュアル化しミーティングのテーマとするのもいいでしょう。
口コミ効果は絶大です
<口コミ効果は絶大です>
歯科医院経営は地元密着ビジネスです。 遠路遥々来院される患者様もいますが、それも地元があってこそです。 だからこそエリア内の口コミ効果は絶大なる影響力を持ちます。 しかし口コミは、なかなか客観的に分析が難しい効果でもあります。 「うちの医院は口コミ効果で患者さんはいっぱいになるんです」と 言われる先生も多いのですが、その口コミ効果の測定方法を聞くと 「なんとなく」とか「患者さんに聞いた限りでは」というような曖昧な回答 を頂くこともしばしば。 やはり科学的に分析をしたいですね。 その手法は実は簡単です。 初診患者が初めて医院を訪れた際に書くアンケート用紙の中に「紹介者の方」の欄を 追加するだけです。 これには3つのメリットがあります。 ①口コミ効果の科学的客観的分析ができる。 ②共通の知人が存在するのと同様の効果があるので話が広げやすい。 ③紹介者に丁寧な御礼をすることで紹介者のテンションを一段階引き上げられる。 (紹介者には必ず感謝の手紙を書きましょう) 後は紹介者が紹介しやすいような仕組みを何重にも構築することです。 ●紹介者が渡しやすいように同じ名刺でも複数枚渡す。 ●ワンフレーズのキャッチコピーを付ける(スピード治療マン 等) (患者様からのヒアリングを集めると自然に一つの言葉になることが多いです) ●分かりやすい地図表示 (紹介者は説明しやすい) ●院長直通の携帯番号を教えて「●●さんからの紹介の△△です」と 事前に電話してもらうように仕向ける(VIP気分を味合わせる) <参考> 家族内の口コミ効果も重要視しましょう。 親が評価している歯科医院には子供も来るものです。 幼少期に通った歯科医院の記憶やインパクトは絶大でどこに住もうがその歯科医院が その患者の判断基準となります。 「小さいときに通った○○歯科医院に比べると良くない」という風に考えます。 先生もスタッフの方も、この患者様の思考については意識しておくべきでは ないでしょうか。