この記事を要約すると・・・・

  • 受付業務のイメージアップ
  • 電話受付の重要性
  • 次回の予約をとるタイミング
  • 治療の合間の時間は患者にとって不安です
  • 先生が思ってる以上に患者には知識がない!

こんにちは、歯科医院と介護事業を中心とした税理士の佐藤です。
今回は「再来患者を増やしていきたいな」「患者が思う本当の気持ちってどうなんだろうか。考えてこともない」「患者がチェアの上で何を考えているかを考えたことがない」という歯科医院の先生向けに書いてみました。しっかり読めば患者の満足度アップに繋がること間違いなし!

受付業務のイメージアップ戦略

<受付業務のイメージアップ戦略>


受付は医院の顔です。
受付が患者様に与える印象がそのまま医院の印象になることもよくありますね。
先生がどれだけ素晴らしい治療を施しても、受付スタッフが患者様に
不安や不信や苛立ち等の感覚を与えてしまえば、医院全体の評価のマイナスになります。


理想の受付に求められるポイントを列挙してみましょう。

●声のトーン
 いかに優しく温かいトーンで話できるかが大事です。内容が同じでもトーンでイメージは
 大きく変わります。
 患者様の心を思う気持ちがあれば自然に良くなるものです。


●目
 目線は本当に大事です。これも気持ちがそのまま出てしまう箇所です。


●動き
 バタバタとした感覚を患者様に与えてはいけませんが機敏な態度は必要です。
 一番よくないのはだらしない感じを与えてしまうこと。
 スタッフ同士の話しを患者様は聞いているものです。その話し方だけでも印象は変わります。


●初診患者へのフォロー
 初めてのことばかりで不安度が最も高い人です。
 積極的に声をかけることはもちろん、何に困っているかを予測して事前に対応していくと
 評価はグンと高まります。
 質問事項にはいつもにもまして笑顔で落ち着いて答えていきましょう。
 スタッフの方にとって当たり前のことでも、初診患者にとっては未知の世界なのですから。


●待ち時間の目安
 予約制であってもなくても患者様を待たせることはゼロではありません。
 そういう場合はおおよその目安でもいいので待ち時間を伝えてあげましょう。


●会計時
 無用なトラブルを防ぐために預かった金額やお釣等はしっかり声に出してやりとりしましょう。
 またさりげなく今日の治療の感想や不安点等もヒアリングできるのがベストです。


●下駄箱やソファ等の待合室、雑誌類等について
 整理整頓&清掃を常に意識しましょう。
 そうすれば患者様の忘れ物にも即座に対応できます。


●アクセス方法をしっかりと事前整理しておきましょう。
 更にはタクシー会社の電話番号、電車やバスの時刻表等も用意しておくのが望ましいです。


●次回予約方法
 受付で次回の予約を入れる患者様も多いですね。日時を復唱するのは当然ですが、予約カード等に
 日時を書いて渡してあげると好評のようです。


●患者様によって話し方を工夫する。
 子供に対しては甘やかすことなくかつ優しく話しをしてあげましょう。高齢者の方にはいつもよりも
 ゆっくり話をする程度の心持ちが必要でしょう。


●受付のNG単語
 患者様を不安にさせるような単語は慎みましょう。
 「おかしいですね」「汚れていますね」「間違えました」「あっ!」「しまった!」「やばい!」
 「はいはい」「もー」「めんどくさい」「はー」「しんどい」「疲れた」「忙しい」

電話受付は重要です

<電話受付は重要です>


歯科医院にとっては電話応対も非常に大事な業務です。
これはデンタルクリニック向けの税理士サービスをしてる私たちでも、一般企業でも同じです。
しかしそれ以上に、予約受付等で電話を受けることが多いのも歯科医院の特徴です。

電話は声だけが勝負ですが、相手はいろんなことを想像してしまうものです。
受付者の声色や機嫌や忙しさや態度や姿勢まで分かってしまうこともあります。
また周りの音も拾うので病院の雰囲気も想像することができます。
何の気なしに患者様にマイナスのイメージを与えるリスクも孕んでいます。


<ポイント1:声>
当然ですが大きな声でハキハキを話す必要があります。
○特に第一声(「こんにちは」の「こ」)が大事です。
○医院名だけでなく受付スタッフは名前も名乗る方が親近感を持ってもらえます。
○午前中は「おはようございます」が第一声でもOKです。
○敬語や言葉遣い等は日々のミーティングや研修で身につけましょう。咄嗟に出ます。


<ポイント2:電話に出るスピード>
電話が鳴ったらいかに早く出るかは大事です。
○もし何度も鳴って待たせてしまった場合は
 「お待たせして申し訳ございません。○○医院の○○です」と出ましょう。
○メモとペンは常に電話の近くに配置しておきましょう。


<ポイント3:用件を聞き取る能力>
○相手の名前を確認します。
 名乗らないときは「失礼ですがどちら様でいらっしゃいますか」と聞きます。
○予約確認等ですくに回答できる場合は「確認しますので少々お待ち頂けますか」と回答します。
○分からない場合は「すぐにお答できる者と代わりますので少々お待ち下さい。」と回答します。


<ポイント4:電話の終わり方>
○最後は「ありがとうございました」で切り上げます。
○相手が電話を切るのを確認してから電話を切ります。

次回の予約はいつ受け付けていますか?

<次回の予約はいつ受け付けていますか?>



予約制が激増している歯科医院にとっては、患者様から予約を頂く必要がありますね。
今回の治療が終わって、次回の治療を受ける際の予約をいつ受け取っていますか??

ここは歯科医院の案内次第ではうまく使えます。

次回予約を受け付けるのは「治療が終わって会計をするタイミングがベスト」と言われています。


<患者様のメリット>
●帰ってからわざわざ電話する必要がない。

●早い段階で予定を埋めることができるので他のスケジュールに響きにくい。

●会計の待ち時間で自身の予定の確認ができるので、「ボーッ」として退屈な時間を感じにくい。




<医院側のメリット>
●治療直後の予約によって治療中断が起こりにくい。

●早い段階で予定を組めるので医院スケジュールが組みやすい。

●予約電話を減らすことができるので事務処理負担が軽減する。

●次回予約率を高めることができる。




<参考>
次回予約のアポの取り方がうまい医院さんはほぼ間違いなく、患者数を伸ばしている医院です。
歯科医院にとっては、新患同様に、再診患者をどうやって医院に呼び戻すかが大事です。
そのためには当然ですが、1回目に医院で提供した治療やサービスやイメージが前提条件として
大事になるのですが、それに加えて最後のクロージングも更に重要になります。
要は、どうやってアポを抑えるかということなんですが。。

治療と治療の合間にできる空白タイム

<治療と治療の合間にできる空白タイム>


治療と治療の間に、どうしても時間が空いてしまいますね。
先生からすれば他の患者様との兼ね合いがあったり、道具を準備したりするために
どうしても必要な時間だったりで、それほど気にならないかもしれません。



しかし、患者様は違います。
「次は何をされるのだろう?痛いのだろうか?」
といった気持ちで不安の極限にいることが多いです。



そんな気持ちを少しでも和らげるために工夫として
チェア1台につきテレビモニタ1台をセットしている歯科医院があります。



●ブラッシングの方法を先生自らが出演して解説している動画
●スタッフ一人ずつのの挨拶
●先生自らが説明する治療方針
●医院近くをスタッフが探索した動画 等、


医院スタッフ総出演の演出で、患者様の気持ちを落ち着かせようとしています。



ほんの数分のことかもしれませんが、効果は絶大です。

こういった工夫が患者様の心を近づける要因になっていくのだと思います。


<参考>
患者の心理は歯科医院の中で治療を受けている間中、不安でいっぱいになっています。
歯科医院の中で過ごすことが日常になっている先生やスタッフの皆様は「慣れ」が生じてくるので
どうしてもその感覚から遠くなっていきます。
患者様目線で患者様の気持ちに立って考えられるような仕組み作りも、今は求められています。


先生が思っている以上に患者には知識がない!

<先生が思っている以上に患者には知識がない!>



患者様は先生が想像している以上に知識がありません。
社会保険の仕組みを分かってない人もいれば自費治療の意味すら知らない人も大勢います。

これは我々の職業でも同じです。
所得税や消費税や国際税務について我々が当たり前に思っている前提も、
クライアント様からすれば関係も興味もないことなのです。


そんな患者様には最低限の知識とか理解を求めてもいいと思います。
それも押し付けがましくなく自然にちょっと勉強してもらうというスタイルがベスト。



<待合室の工夫1>
完全予約制の医院でも色んな要因で患者様を待たせることはありますね。
そういうときのために週刊誌や単行本を置いてある歯科医院様は多いのではないかと思います。
しかし、ここであえて、素人でも読めないけれどある程度知識を詰め込むための
歯科情報誌等の書類を設置している医院もあります。
図書館でもコンビニでもないので、やはり歯科治療に間接的にでも役立つ方がいいのかもしれません。



<待合室の工夫2>
先生がどんなに丁寧に親切に対応されても、先生は先生です。

患者様からすれば
「先生にこんなくだらないことを聞いてもいいのかな」
「先生には恥ずかしくて聞けないなあ」
「こんなこと初心者みたいなこと聞いたら怒られるかな」
といった不安を持っているケースが非常に多いです。

そんなときに「気軽に聞いてね」と言ってもなかなか効果はありません。

そこで、患者様が疑問に思うことを中心とした冊子を待合室に置いてあげましょう。
「患者様からよく頂く質問集」というような名前で大丈夫です。
患者様からすれば「そうそう、私も悩んでた。やっぱりみんな気になるんだ!」
と思ってもらえるだけで不安の解消になります。

その流れの中で、自費治療の内容や値段、技工物やインプラントの写真等を掲載することで
自然に基礎知識を身につけてもらいます。

先生の治療においても、基礎知識のある患者様とやり取りするほうが非常に効率的です。