自社商品の社内販売。いくらでもOK?

  • 靴下やジャージを小売している会社です。売れ残り品を社内販売する予定ですが、金額はいくらでも大丈夫でしょうか?

ダメです!およそ70%程度以上で販売する必要あり!

    

★社員販売の原則論

会社が、従業員に対して自社商品等を値引販売する場合には市場価格との間に経済的利益が発生するので差額分は給与課税されるのが原則です。

★しかし、それでは酷なので・・・・

●以下の要件を全て満たす場合は給与として課税しなくても大丈夫です!  ①社内販売額が、会社の取得価額以上、かつ、通常価格に比し著しく低い価額でない   <概ね通常価格の70%以上程度>   <通常価格→小売価格(小売業)、卸売価格(卸売業)、卸業者への販売価格(製造業)>      ②値引の率が、役員・従業員の全員で一律のものである   (地位や年数に応じてバランスのある範囲内の程度の差はOK!)        ③値引販売量が、一般消費者が通常の自己消費する程度の量である ●飲食店の場合はいわゆる「まかない」と呼ばれるものがこの社員販売にあたります。多くの飲食店は「まかない」で従業員からお金を徴収することを行っていません。しかし、税務調査ではかなりの確率で「まかない」の話が切り出されます。その際に「はい、まかないはありますよ」なんてことを言ってしまうと、「その管理はどうやって行っているのか」という話になります。まかないを従業員に提供する場合は、やはり一般提供価格の70%分のお金を徴収するようにすべきと思われます。

リベート払った!損金計上できますか?

  • マウスの部品を製造しているメーカーです。近々販売店にリベートを払う予定です。これは損金として計上しても大丈夫でしょうか?

できます!問題はいつできるかですね!

    


★リベート=売上割戻しを支払う場合の損金算入時期

●リベートの算定基準が明示されている場合    算定基準が販売価額・数量を基準にしていて、かつ、その基準が契約等の方法で  相手方に明示されている時  ↓  <原則>:棚卸資産販売日の属する事業年度に計上  <例外>:継続して、金額通知又は支払日の事業年度としている場合はこれもOK ●リベートの算定基準が明示されていない合  売上割戻しの金額通知又は支払日の属する事業年度で損金計上します。  ↓  但し、各事業年度終了日までに  ①割戻しを支払うこと、  ②算定基準  が内部的に決定されており、  その額を未払金計上するとともに、確定申告書提出期限までに相手方に通知したときは  継続適用を条件にこれが認められます!   ●いずれにしてもリベートは税務調査でかなりの確率でテーマになります。きっちりとした証拠書類と計上理由を事前に準備しておく必要があります。

社員に社宅を貸与!全額会社の経費?

  • 変圧器製造メーカーです。役員や従業員に社宅を貸す計画です。この場合全額会社の経費として処理しても大丈夫でしょうか?

全額会社の経費にはできません!

★社宅の処理<役員の場合>

役員から一定の家賃(賃貸料相当額)を受け取っていれば、給与課税はなしです。 (本人が直接契約した物件は社宅の貸与とは認められません!) ●小規模住宅(耐用年数30年以下の場合は床面積132㎡以下、30年超の場合床面積99㎡以下)  ①+②+③=賃貸料相当額    ①(その年度の建物の固定資産税の課税標準額)×0.2%  ②12円×(建物の総床面積(㎡)÷3.3㎡)  ③(その年度の敷地の固定資産税の課税標準額)×0.22%   ●小規模住宅ではない場合    ◆会社が賃借りした住宅を役員へ貸与するケース   <会社が支払う家賃の50%>と<下記の自社所有で算出した賃貸料相当額>   のいずれか多い方が賃貸料相当額になります。  ◆自社所有のケース   (①+②)÷12=賃貸料相当額     ①(その年度の建物の固定資産税の課税標準額)×12%    →耐用年数が30年超の場合は10%      ②(その年度の敷地の固定資産税の課税標準額)×6%

★社宅の処理<使用人の場合>

使用人から一定の家賃(賃貸料相当額)を受け取っていれば、給与課税はなしです。(本人が直接契約した物件は社宅の貸与とは認められません!) (使用人からの家賃が賃貸料相当額の50%以上であれば給与として課税されません!) ●賃貸料相当額=①+②+③  ①(その年度の建物の固定資産税の課税標準額)×0.2%  ②12円×(その建物の総床面積(㎡)/3.3㎡)  ③(その年度の敷地の固定資産税の課税標準額)×0.22%