この記事を要約すると・・・・

  • 身だしなみについても考察
  • 初診患者へ与える印象
  • とっさの一言にマニュアルなんてない
  • 歩き方って大事です
  • 歯科医院は何を提供している?

こんにちは、歯科医院と介護事業を中心とした税理士の佐藤です。
今回は「近所で人気の歯医者さんになりたい」という歯科医院の先生向けに書いてみました。しっかり読めば、歯科医院にとって細かいことだけど気づくことで成長に繋がります。

身だしなみについての考察

<身だしなみについての考察>


先生やスタッフの方々は患者様にどうみられているでしょうか? 
患者様の目に入る表情や服装といった「身だしなみ」は重要なポイントの一つです。
先生やスタッフの中での印象と患者様の印象は違う場合があります。

患者様は、一般的には「怖いし痛いし歯科医院には行きたくない」と思っています。
そんな患者様の不安や苦痛や負担を取り除くための目的だと考えましょう。


<1>安心感・信頼感・清潔感・控えめ感
「この先生なら大丈夫」「この歯科医院なら安心」「スタッフの方はみんなきちんとしている」
という印象を与えることです。


<2>髪型
前髪は邪魔にならない長さになっているか
長い髪はきちんと束ねているか、
品のあるヘアスタイルか
派手すぎる髪型ではないか
整髪料の匂いはきつくないか


<3>化粧
アイシャドウや口紅の色は厭味な感じを与えていないか
香水は匂いがきつくなっていないか


<4>服・靴
清潔感があるか
袖口や襟に汚れ等はないか
靴のかかとは磨り減っていないか

<5>手
爪はしっかりと手入れができているか
マニキュアや指輪は控えているか
手や指は頻繁に洗っていますか
手からの匂いはないですか

初診患者に与える印象の重要性

<初診患者に与える印象の重要性>


どんな商売でも同じですが、歯科医院にとっては何百人のうちの一人の患者様であっても
患者様から見ると唯一の先生であることを忘れてはいけないと思います。
その気持ちは必ず患者様に伝わります。

<1>忙しいことをマイナスに捉えない
「忙しいね」と悲観的に言い合っている歯科医院様の業績は伸びていません。
また忙しいことをマイナスに思っているだけでその雰囲気は医院内に蔓延します。
それが患者様に伝わってしまいます。
患者様はどう思うでしょうか。間違いなく「ここにはもう来たくない」と思ってしまいます。


<2>治療直前
患者様の口に触れることになります。
一言「失礼します」という声をかけることが大事です。


<3>「お大事に」の重要性
笑顔で、会釈して伝えることは勿論大事です。
何か一言、気の利いた言葉を付してあげることが患者様の心をぐっと掴むことになります。
「また来週、お待ちしております」
「今日は痛かったですか?大丈夫ですか?」
→嬉しいものです。


<4>医院側が毎日何十回も言っていること
トイレの場所の説明、予約の受付、お見送りの挨拶等は医院側から見れば、ごく日常の当たり前の
行為です。どうしても慣れてしまいますね。
でも、患者様からすれば(とくに初診)、間違いなくそれは初めての経験です。
だからこそ1回1回を大事にする必要があります。
具体的にはどうすればいいのでしょうか?
答えは実は簡単です。
相手の顔を見ながら話をして、表情から理解度や受け手の気持ちを捉えておけばいいのです。

早口で的確に機械的に間違えずに説明ができればいいというものでもありません。
ゆっくりと一生懸命さが伝わるほうが間違いなく効果的です。


<5>イライラの気持ちは損です
トイレの場所を何度も聞きなおされたり、「痛い痛い」と言われたりしたときに
どういう態度をとるかは歯科医院経営のポイントの一つです。
絶対にやってはいけないことは「イライラした表情を示すこと」「怒っている風に思われること」
患者様は基本的に不安で恥ずかしくて早く帰りたいのです。
そんな人を医院の雰囲気の中に入れてあげないと再診の可能性はグンと低くなります。


<6>基本に忠実
自分だったらこの医院に来たくなるかどうか、これを常に考える必要があります。

◇医院に入ると「こんにちは。どうぞ」の声。
 (いきなり「保険証はこちらです」と言っていませんか?)

◇その後、「どうなさいましたか?」と声をかけてしますか?
 (いきなり「初診ですか?アンケート書いてください」と言っていませんか?)

◇待たせているならば「お待たせしております、申し訳ございません」の声。

◇チェアに呼ぶ場合には「お待たせしました。奥から2番目へどうぞ」の声。

◇治療時には「現状は○○です。私の意見は○○です。どう思いますか」の声。
 (いきなり「これはこうするしかないね」と断定していませんか?)

◇治療完了時の「お疲れ様でした。」の声。

◇会計が終わった後の「お気をつけて。お大事に」の声。


当たり前のことが当たり前にできることが一番大事なのかもしれません。
全体の定期的な接遇研修実施、新規採用者のマナー研修参加を行っている医院様は強いです。

とっさの一言にマニュアルはない!

<とっさの一言にマニュアルはない!>


最近は接遇セミナーやスタッフ教育という言葉が大流行で、これらの訓練で一気に医院イメージが
アップするだろうと考えておられる先生も多くいらっしゃいます。
それは決して間違いではありません。
どんなビジネスでもそうですが、基本の型というものが存在します。
それをスタッフ一人一人が習得することは大事なことです。

しかし、歯科医院の日常では、日々マニュアル対応できない事象が突発的に現れます。
なぜなら、患者様は一人ずつ違うからです。

こういうイレギュラーケースでどう対応するかが真骨頂です。
勿論、基本は大事ですが・・・・


●麻酔を打つとき
①「今から麻酔をします」
②「今から麻酔をしますね、ちょっと痛いかもしれませんがすぐ終わるので安心して下さいね」
→どっちがいいでしょうか?


●会計中に電話が鳴ったとき
①何も言わずにいきなり電話にでる
②「ちょっと失礼します」「お話中に申し訳ございませんでした」
→どっちがいいでしょうか?


●初診患者に問診表を書いてもらうとき
①「こちらにご記入下さい」
②「こちらにご記入お願いできますか?終わったら受付までお持ち下さい。分からないところは
  なんでも聞いて下さいね」
→どっちがいいでしょうか?

  
●予約の電話がかかってきて予約いっぱいのとき
①「その時間は予約でいっぱいです」
②「せっかくご連絡頂きましたのに申し訳ございません。その時間は予約でいっぱいとなっております。
  お手数をおかけして申し訳ございませんが他にご都合のよい日時はございますでしょうか?」
→どっちがいいでしょうか?

歯科医院が提供するのは何か?

<歯科医院が提供するのは何か?>


歯科医院が提供するサービスは歯の治療であったり矯正であったりします。
歯科医院のための税理士が提供するのは節税対策という発想と同じです。
患者が歯科に求める第一義的なサービスは勿論「適切な治療行為」であることに間違いはありません。

しかし、競争激化の昨今、
歯科医院のサービスとして「適切な歯の治療行為」だけでは十分ではありません。


「治療を受けているとき及びその前後で患者が感じる快適さ」
この重要性が非常に高まっています。



この構図は市役所等のサービスを受ける場合に似ています。
市役所に行って何らかの手続きをする場合や書類を貰う場合にきっちりとした事務手続を受ける
ことで一般市民の不満を消すことはできます。
しかし満足感までは与えていません。そして、意識的には市民もそれを望んでいません。
しかし、市役所の担当者から
「今日は暑い中ありがとうございました」
「大変お待たせして申し訳ございませんでした」
「お気をつけてお帰り下さい」
というような何気ない一言が笑顔と共に発せられた場合。

一般市民はそれはそれで満足します。
そして、市役所にわざわざ行くことに対する抵抗感が減っていきます。


歯科医院では治療行為を含めてそれなりの時間の空間を患者と共有します。
その中で醸し出される医院の雰囲気がそのまま患者満足に繋がります。
それは同時に再診患者の増加も意味します。

歩き方って意外に大事です

<歩き方って意外に大事です>


治療室内で移動するとき、受付スタッフが会計をするとき、歯科衛生士が材料を取りにいくとき
色んな場面で、患者様は歩く姿を目にします。

その時の「歩き方」は、患者様の心証にとって強烈なインパクトを残します。

そもそも医院内での患者様の心境は不安やイライラや痛み等のマイナスのケースが多いです。
そんなときには歩き方を少し意識することもやってみましょう。

医院内のスタッフの方にとっては日常です。
でも患者様にとっては、歯科医院の中は非日常な世界です。
非日常では日常では何気ないことにすごく敏感になります。
先生や医院スタッフの方が何をどう考えているのかすごく気になります。
だから足音や歩き方からでも無意識のうちに先生やスタッフの心理状況を探ろうとします。
だからこそ先生やスタッフは、いつも以上に、その何倍も注意して歩く必要があるのです。


<ポイント>
●音は極力立てない
●患者様の前を横切る時は会釈をする
●テキパキと動く
●笑顔を絶やさずに


歩き方を意識している歯科医院は実は少ないです。
スタッフの方と一度歩き方についてお話してみませんか??