この記事を要約すると・・・・
- 最も安くて効果的な広告
- 再診専用の電話番号
- 親子向けの歯磨き教室
- 自費診療について
- 小児歯科
こんにちは、歯科医院と介護事業を中心とした税理士の佐藤です。
今回は「再来頻度をアップしたい」「今は大丈夫だけど5年後の患者数について不安がある」「安くて将来につながるような院外の動きをしてみたい」という歯科医院の先生向けに書いてみました。しっかり読めば歯科医院の5年度、10年後の成功率アップに寄与するはずです。
これから流行するかもしれない広報手法
<これから流行するかもしれない広報手法>
<先生は今どんな広報媒体を使っているでしょうか?> 歯科医院の広報戦略には様々なものが考えられます。 ○電話帳 ○駅や建物への看板、 ○ホームページ ○ブログ、facebook、twitter等のWEB系ソーシャルメディア ○地方公共団体による広報誌や町のタウン情報誌 ○新聞 ○本の出版 ○院内アピール このあたりが考えられますね。 「最も有効な広告媒体はどれか?」 当然、色々な考え方があると思いますが、私は既存患者への広告が最も有効だと思っています。 なぜなら、患者様は実際に先生やスタッフにも会って治療も受けているので、最も医院のことを よく分かっているからです。彼らの評価が高まれば自然と口コミは広がります。 当然、医療サービスを適切に行い患者満足度を高めるという前提でお話します。 患者様が医院に入ってきて治療を受けて帰るまでの時間は実は最も有効な広報の時間帯です。 この時間を利用しない手はありません。 ○院内広報としての掲示版 医院の特徴を書いたポスターを貼りましょう。当然ですが素人デザインではダメです。 宣伝だけにはならず、マニアックにもならず、グロテスクにもならないように留意が必要です。 先生の日常を追った特集やスタッフ間で話題になっている事項等を混ぜることで親近感を 抱いてもらうのもいいでしょう。 ○患者様の気になる情報をポスターにして貼りましょう。 例えば、「正しい歯磨きの仕方」「歯周病予防のポイント」「インプラントの有効性」等、 各院の特徴から独自の作成は可能だと思われます。 また、患者様から日々頂戴する質問について、その回答をまとめた印刷物を冊子にして 待合室に置いて好評を得ている歯科医院様もあります。 ○これらのポスターを名刺サイズ程にして患者様に渡しましょう。 情報としての機能さえあれば、持ち帰ってくれる印刷媒体は広報効果は高いです。 また初診アンケートで患者様のメールアドレスを頂いて、定期的にメルマガを発行する先生 も増えてきています。 これからの時代はWEBツールを駆使することは必須になってくるでしょう。 ○デジタルサイネージの利用 印刷物という静止画だけではなく動画を使って 「先生の挨拶」や「スタッフの表情」「治療イメージ」等を流すことは有効です。 まだ歯科医院ではあまり見かけませんがこれからの広報手法の主流になる可能性があると 個人的には考えています。
再診専用の電話番号をお持ちですか?
<再診専用の電話番号をお持ちですか?>
<初診患者ではなく再診患者向けのVIP待遇イメージ> 歯は突然痛みが走ったりするので急患の割合もそれなりに存在しますね。 そうなんです。患者様にとっては歯に何かが起こったら頼るべきは歯科医師のみです。 そんな普段の患者様にちょっとした安心感を与えてあげることで 医院のファンになることがあります。 ある歯科医院様は、既存患者に何かがあった時のための緊急ダイヤルを別番号で持っています。 歯科医院ばっかりみてる私たち税理士事務所のクライアント数の割合でいくと10%程度でしょうか。 そして、治療後の患者様には 「痛くなる等の問題があればすぐこの番号に電話して下さい。これは緊急用の電話番号です」 と伝えています。 これは予約等を受け付ける一般の電話番号とは異なります。 患者様から見れば「なんて親切な医院だろう!」と思い、大きな安心感も生まれます。 こうなればファンになる可能性が非常に高いです。 医院側もメリットはあります。 緊急用の電話番号が鳴れば、既存患者であることは間違いありません。 その患者に何か問題が生じていることも推測できます。 ここでしっかりとした対応をしておけばこの患者様は先生から離れることはありません。 電話番号を追加で申し込むのは実はかなり安いです。 フリーダイヤルに申し込むぐらいなら、別回線を申し込んで既存患者に役立つ仕組みを構築 することをお勧めします。 診療時間外に電話がかかってきた場合には院長の携帯に転送されるようにします。 急患に対してはできる限り診療所に戻って治療を行っている先生もいらっしゃいます。 どうしても診療ができない場合には、病状を聞いて簡単に説明したり、 別の医院を紹介する等の対応をしています。 医院のファンを増やすのは時間がかかります。しかし法則はあるのです。
親子向けの歯磨き教室の定期的な実施
<親子向けの歯磨き教室の定期的な実施>
最近は、歯科医院自らの主催で、休診日を利用して定期的に 「親子はみがき教室」イベントを行うケースが増えてきています。 歯科医師や歯科衛生士が講師となり、待合室等を利用して 歯磨きの方法について父母及び子供にレクチャーするというものです。 <メリット:医院スタッフの意識やモチベーションや責任感が高まる> スタッフの企画・運営なので自ら考える必要性があります。 その患者様が子供連れで実際の診察に来たときに御礼等を言われると 例え無料教室でも「やってよかった」と思うことになります。 <メリット2:親が医院のファンになります> 人前で話をすると性格やキャラクターが隠さずに出るものです。 先生やスタッフとの距離感が縮まり、両親は医院のファンになることが多いです。 子供の歯の治療は勿論、自分の歯もお世話になりたいと思う可能性もあります。 <メリット3:医院のブランディング> 無料教室は公共性の高いイベントとして地域内で話題になる可能性があります。 地域マーケティングが重要な歯科医院にとってはかなり大きな優位性を持てます。 <参考> 親子3世代でお世話になっていますという患者さんが実は多かったりします。 これは単純に口コミ効果の賜物です。 口コミは人から人への伝達ですが、簡単には流れません。 信頼を受けている人から信頼している人へ口コミ情報は流れるのです。 その最たる例が、親から子へという口コミです。 親の言うことを信用しない子は稀です。 だからこそ親子グリップという概念は重要なのです。
自費診療について
<自費診療について>
歯科医院の競争激化に伴って、自費率アップという言葉が念誦のように言われています。 自費治療は悪いことではありません。ただ、何でもかんでもというわけにもいかないのも事実。 ポイントを挙げてみましょう。 <治療前に書いてもらうアンケート用紙を工夫する> 現在の歯の病状や紹介者名等に加えて、保険治療希望か自費治療希望かのアンケートも行います。 顕在化した自費治療希望患者にはその意義と効果を最低でも30分以上を使って話します。 治療計画を明示しながら患者の合意を得るための話し合いです。 まずはここで顕在需要を取り込みます。 <自費と保険の違いを明確に説明すること> 一般的に、患者様は自費治療を勧められる拒絶しがちです。 目先の出費が大きくなるのですから当然です。 そこで、自費治療を施した場合と保険診療を施した場合の違いを丁寧に説明してあげる 必要があります。治療内容や金額を含めて全てを伝えてあげる必要があります。 写真や模型を使って分かりやすくカウンセリングしなければなりません。 患者様にとっては金額の違いが一番気になりますが、それだけではありません。 これをしっかりと伝えていなければ金儲け主義等と思われてしまうリスクもあります。 患者様の多くは今の痛みがなくなればそれでいいと考えています。 でも、先生のカウンセリングで将来の歯についても想像してもらうように 思考を変えていく必要があります。 そもそも患者様が自費治療に移行するポイントが金額の高低になってしまっては失敗です。 「歯の将来を考えた自費の方がベターな選択である」と思えるかどうかです。 先生の仕事は患者の将来をイメージさせることです。 今までの経験や症例をレントゲン等の写真を交えていかに丁寧に伝えるか、これです。 患者様は素人です。どうしても「金額が高いからいい物だろう」と思って 終わってしまうことがほとんどなのですから。 <個室でしっかりと話をしてあげること> 他の患者様がいるような場所や雰囲気では、例え興味があっても自費について切り出せない ケースが多いと思われます。 チェアーから離れて個別のカウンセリングルームで話をするほうが患者様も納得しやすいです。 <社内を整備する> 自費治療に向けてのカウンセリングは歯科医師の先生のみで行うよりも、 技工士や歯科衛生士を交えることで効果が高まるケースが多いです。 しかし、メンバーが変わってもカウンセリングトークのコンテンツに違いが出ては 信用をなくします。誰もが同じ内容で患者様を安心させる必要性がありますね。 トークスタンダードをスタッフ全員で共有するためにも自費治療をテーマにした ミーティングは頻繁に行うことをお勧めします。 院内マニュアルの作成も効果的です。
小児歯科のスタイル
<小児歯科のスタイル>
昨今は小児歯科も競争激化が起きています。 そんな中で安定的に増患を達成している小児歯科の特徴を記載します。 ポイントは子供を子ども扱いしないことにあるようです。 <治療方針の説明はまず子供に説明する> 治療内容の説明については歯科衛生士がまず直接子供に行います。 両親への説明はその後です。 親への説明のみで済ませる医院も多いと思いますが、子供であっても一人前として扱って あげることで、自らの意思で診療を受けるという経験を得てもらいます。 子供であっても納得して治療を受けてもらうことが必要です。 大きくなったときに歯科医院へのイメージが訳の分からない存在になってしまっては 歯科医院にとっては寂しいことですから。 <治療室には子供一人だけで入る> 親は待合室で待ってもらいます。 子供はどうしても親に甘えるもの。 だからこそ一人で自立する気持ちも養ってもらおうと子供一人での治療を頑張ってもらいます。 勇気や度胸が必要でしょう。 でも一人で成し遂げた時の自信は学校等では得られないものかもしれません。 これが固定患者の増加・安定につながり、親から子への患者を引き継ぐ最も有効な手法では ないかとも思われます。 <子供の溜り場になってもいいと考える> 歯科医院は親からすれば非常に信頼度の高いプレイスです。 普通は親も子供の歯に何かあるときにしか行きませんし、子供はそういう親を見て 「歯科医院は恐れ多くて怖い存在だ」と思っているケースも多々あります。 しかし、地域密着型で子供に支持される医院を目指す場合にはそれだけでは不十分です。 ある医院では、待合室に子供の喜びそうな漫画や雑誌を揃え、診察時のみならず、いつでも 立ち寄っていいというスタイルを採用しています。 そうすると子供たちは友達と一緒に学校の帰りにちょっと寄って帰ったりします。 こういった日常に支えられて知名度が上がり、しいては、増患に繋がっていくのかもしれません。