この記事を要約すると・・・・
- 患者とのトークスキル
- 土曜日と日曜日の診療
- スタッフの現場対応力
- 患者を待たせるということ
- 患者の情報管理
こんにちは、歯科医院と介護事業を中心とした税理士の佐藤です。
今回は「患者とどう話せば好きになってくれるだろうか」「既存患者の情報をどう使えば増患に繋がるのか」「患者をあまり待たせたくないなあ」という歯科医院の先生向けに書いてみました。しっかり読めば歯科医院の増患に繋がります。
患者満足度アップ戦略【待合室とトーク】
<患者満足度アップ戦略【待合室とトーク】>
患者様が一番長い時間を過ごすのは待合室かもしれません 待合室での患者様の気持ちを考えてみましょう。 診察前ならば「何をされるのか」と不安になります。 診察後であれば、「会計だけなのにまだ待つのか」と苛立つ可能性もあります。 そんな患者さんを雰囲気でリラックスさせることは実は増患にも繋がります。 <流行る医院の待合室の特徴> ①白や水色等の淡い色が多い。 ②自然の光を取り入れるために大きな窓があることが多い(もちろんカーテンはレース)。 ③小さな椅子だけではなく、大きめのソファがあることが多い。 貴医院はどれか当てはまりますか? 患者様の気持ちを取り入れた治療は圧倒的に高評価 全ての患者様の要望を叶えるのは簡単なことではありません。 しかしながら、全ての患者様には個性があり考え方も十人十色です。 そこで、せめて「次回の予約日時や診療方法」だけでも患者様の意見を反映させて あげることをお勧めします。 この点で患者様を満たせば、なぜか患者様は全てにおいて「患者主義」だと思ってくれます。 具体的には簡単です。 患者様の本心をトークの中で聞き出すだけです。 「とにかく早く治療をフィニッシュさせたい」と思っている人もいれば 「何回かかってもいいから完全に治したい」と思っている人もいます。 最近は前者が多いのかもしれませんが・・・・ この意見を次回の予約や診療に反映させてあげるだけです。 それには先生と患者様の意見交換と同じぐらい先生とスタッフのミーティングも大事。 次回のための具体的なやりとりはスタッフと患者様が行うことが多いでしょうから。 患者満足にもなりますが、効果はキャンセル数減少という形で医院にも現れます。 自分が望んだ次回予約なのですから当然ですね!
土曜日午後と日曜日の診療
<土曜日午後と日曜日の診療>
最近は土曜日の午後や日曜日にも診療を行う歯科医院が増加しています。 理由は色々ありますが、よく聞く事例としては以下の3点です。 ●月に数回内の患者様の囲い込み ●いつでも開いている印象を与えて新患増加に繋げる ●土日しか行けない患者数が全国的に増加している。 土日の診療時間の拡大によって爆発的な患者様増加に繋がった医院もあります。 目安としては、一日あたりの患者数と同程度を見込めるのであれば 諸々のコストを考慮してもメリットを享受できる可能性が高いです。 ご検討されてみてもいいかもしれませんね。 しかし、土日開院は難しい点もあります。 ●法定労働時間との兼ね合いがあるので現状のスタッフをそのまま配置できるかを 検討する必要があります。場合によっては平日のスタッフ不足になるリスクもあります。 ●現状のスタッフで走る場合にはスタッフ協力が大前提になるので密なコミュニケーション が絶対的に必要です。 ●当然ですが、休日手当てとしての割増賃金になります。 ●そのためにスタッフへの丁寧な説明は必須になりますね。 先生はスタッフと食事に行ったりしていますか? 流行っている病院の多くは定期的に医院食事会なるものを催しています。 スタッフが店をセレクトして先生が支払う。このスタイルが結構多いですね。 医院全体の仲のよさは患者様に伝わるものです。
スタッフの応対能力が医院を左右する!!
<スタッフの応対能力が医院を左右する!!>
評判のよい歯科医院、再診患者の多い歯科医院ではかならずスタッフ対応の評価が 高いです。これはほぼ間違いなく100%です。 ということは、先生はスタッフ教育については常々意識されなければいけません。 人が変われば対応力は変わりますし、応対能力は概して低いレベルの人に合わせて しまう傾向があるからです。 では、言葉にするとどういうスタッフの応対が評価が高いのでしょうか? ●笑顔が素敵。 ●患者様はすべて「様」で呼ぶ。 ●「お待たせしました」「お大事に」「申し訳ございません」等の言葉が豊富。 ●自分の言葉で患者様に話しかけられる。 ●とにかく雰囲気が明るい。 ●動作が機敏。 ●スタッフ同士の世間話が患者様からは見えない。 どうでしょうか? 先生の医院はすべてOKでしょうか? スタッフ教育は生物です。 1年前に研修に行ったとか2年前に接遇マニュアルを作ったというだけでは不十分。 今この時に適切に実行されているかの検証は定期的に行うべきです。 でもスタッフ教育をどうすればいいかってなかなか難しい問題です。 ●外部研修への参加 ●外部研修への参加を基にした院内研修。 ●接遇レベルを統一化するための定期的な勉強会(ミーティング)の開催。 ●スタッフ間の引継ぎノートの作成 ●先生からの指示の伝達(口頭 or 文章) とにかく、先生を含めたスタッフの方の蜜な連携は必須ですね。 今後の研修材料として実務現場の撮影をしている医院もあります。 実際にどうやって患者様と接しているかを確認するには現場を撮影する方法が最も効果的。 とはいえ、患者様からすれば怪しさを増幅させるだけです。 後日の接遇ミーティング等に生かすための院内撮影は非常に有用ですが、患者様に気づかれない 努力も必要かもしれません。 ちなみに 医院内の分業によって各々が責任を持って仕事をしている医院様は概して評価が高いです。 歯科医師=治療、歯科衛生士=ケアといった専門性を活かした分業ですね。 歯科衛生士がブラッシング指導や相談応対を行い、歯科医師は治療に専念する。 うまく回れば治療以外での来院も増え先生の仕事がなくとも収入に繋がってきます。 先生以外にも話し相手ができることは患者にとっては来院しやすい環境にもなります。 歯科衛生士のみならず全スタッフに責任を与えることは 医院全体のレベルアップにもつながりますね。
待たせる患者様の心を掴むコツ
<待たせる患者様の心を掴むコツ>
完全予約制の歯科医院様であっても急に訪ねてくる患者様はいます。 予約制を採用していない歯科医院様であれば特にそうですが、患者様を待たせる際の 工夫をしておられますか? 患者様は「ボーっ」と待つのが一番の苦痛です。 とある我が税理士事務所の顧問先の歯科医院さんの中の人気の歯科医院様は患者様に受信専用の携帯電話を渡しています。 最近は携帯電話の基本料金も通話料もびっくりするぐらい安くなっています。 これを利用するんですね。 お待たせする患者様には保険証を預かって、携帯電話を渡します。そして、 ○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○ 申し訳ございません。 今は少々混み合っておりましてあと30分程はお待たせすることになってしまいます。 待合室で待って頂いても結構ですが退屈でしたら、お近くにいてもらえるのであれば 診療5分程前にお電話致しますので、この携帯電話をお持ち頂けますか? ○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○ 的な流れで患者様に選択してもらいます。 狭い待合室の効率的運営にも役立つ手法です。 もし待合室の狭さで悩んでおられる先生がいらっしゃれば一つの手かもしれません。 ●こういった事例は一例ですが、患者様の不安を取り除いてあげることが一番大事です。 最もしてはいけないのが、「何もすることがなく待合室で長時間待たせてしまうこと」。 もしどうしてもこのようなシチュエーションになるのであれば、何かしらの声をかけて コミュニケーションをとりましょう。 「あと何分ぐらいでご案内できますよ」とか「最近お天気悪いですね」だけでも結構です。 それがどれだけ患者様の心を静めるか、患者様の立場で考えるように努めましょう。
患者情報の管理は増患対策に直結!
<患者情報の管理は増患対策に直結!>
キャンセル率やチェア分析等の全体分析を行う歯科医院様は増えてきつつあります。 ただ、患者個人の情報をうまく収集し、コミュニケーションツールとして役立てている 歯科医院様はまだそんなに多くないようです。 ●患者様とのコミュニケーションツールとして役立つ情報 ①今までの通院歴や診療の内容 ②患者様の趣味や職業 ③患者さんの家族構成 ④患者様の住所 □これかの情報を患者様との何気ない会話の中にちりばめます。 そうなれば、患者様はうれしいものです。 「この医院の先生やスタッフはみんな自分のことをよく知ってる」となるわけですから。 家族の紹介も非常にスムーズになりますね。 □特に住所はエリアマーケティングでも利用可能になります。 全患者様の住所を地図上でマーキングしていけば、現在の医院の患者エリアの分析が可能です。 毎月、医院の広報誌を情報ツールとして発行している医院様は患者エリアに沿って作成が可能に なります。取材を通じてスタッフと患者、ひいては患者様の住居エリアとの接点の機能を 果たす可能性も十分ありますね。 □これからの患者様個人情報が整理できていればその他のマーケティングにも生かせます。 ある歯科医院では、治療の途中で急に来なくなった患者様を抽出し、数ヶ月おきぐらいに 電話をしたり葉書を出したりするそうです。 電話をする際も「来てください」モードではなく、歯の症状等を気遣うことを前面に押し出します。 不平不満をクレームという形で表現する患者様は少ないもの。来院が中断された場合は その可能性がありますので、まずは医院への思いを聞き取ることから始めましょう。 地域に根ざす歯科医院になるためには「患者個人情報」は今後は必須になりますね。