労働保険料払った!処理はどうするの?

  • 京都・滋賀・奈良で仏閣修理をしている会社です。労働保険料の会計処理がよく分かりません。どうすればいいのでしょうか?

会社負担・従業員負担によって区別しましょう!

    

★労働保険料の税務上の取り扱いの原則

●労働保険とは・・・ 4月1日から翌年3月31日までの期間を保険年度として、前年実績等に基づく概算保険料を納付し、その年度終了後に実際の賃金総額に基づく確定保険料を算定し、過不足額を精算します。

★労働保険料の税務上の運用方法

●保険料は、事業主負担分と被保険者負担分の2種類がありますね。  ①事業主負担分   法定福利費勘定で「期間の経過に応じて損金に算入」します。   ↓   概算と確定額の間に過不足が生じた場合      ◆不足している場合    確定保険料に係る申告書の提出日又は納付日の年度の損金に算入!       ◆払いすぎていた場合額    確定申告書の提出日の年度の益金に算入!          ②被保険者負担分   納付時は立替金勘定。給料から控除して計上する預かり金勘定と消し込みます。    <参考> 労働保険料の会計処理(仕訳)は会社によって実に様々な処理を行っています。立替金や預り金を使って複雑に処理している会社も見受けられます。一般的には、支払時に法定福利費、徴収時に法定福利費のマイナスにしているケース が非常に多いですね。差額部分についても、法定福利費だけで調整しています。細かくいくと少しズレる可能性もありますが、あまり調査で指摘されることはないものと思われます。

決算直後に従業員に賞与支払!これOK?

  • 豊橋市でスリッパ製造している会社です。今期は利益が大きくなりすぎて決算前に賞与支払いを決めました。支払いは決算後になりますが大丈夫でしょうか?

条件を満たす必要がありますね。

    

★使用人に対する賞与について

●原則  使用人への賞与は支給日の事業年度に損金算入されます(原則)。   ●しかし・・・・ 一定の要件を満たしていれば、「支給額を通知した事業年度」の損金にできます。

★一定の要件とは何か・・・・・

●①~③の全てを満たす場合のみ、  「支給額通知日の属する事業年度に損金算入することが可能です!    ①支給額を、各人別に全使用人に対して通知していること  ②通知した全使用人に、通知日の属する年度終了から1ヶ月内に通知額通り払うこと  ③通知日の属する事業年度において損金経理していること ●各人の通知金額と1円でもズレればダメです。合計金額が合致しててもダメ!  さらにいえば、退職者であっても事前通知をしていたら賞与は支払わなければなりません。  (但し、懲戒免職者は別ですが・・・) ●未払賞与が例外的に損金算入できるのは、決算日に債務確定とみなせるから。 賞与規定等で、「支給日に在職する使用人のみに賞与を支給する」と定めている会社は、決算日時点では最終的に支給する賞与の金額が確定していないですよね。だからこういった規定があれば未払賞与損金算入はできなくなります。   ●ちなみに未払賞与にかかる社会保険料は損金計上できません。賞与見合いの社会保険料の支払義務確定は、賞与支給があった日の月末だからです。

役員報酬が未払!損金計上できますか?

  • のど飴を製造しているメーカーです。資金繰りが苦しく役員報酬が数ヶ月払えていません。この場合役員報酬を損金計上してはいけないのでしょうか?

事実認定の問題ですができない場合もあります!

    

★役員報酬の未払状態継続について

●定期同額給与  きっちり毎月未払計上を行う。  定時株主総会後数ヶ月支給したという事実がある。  ↓  このような場合には未払状態が続いても問題視されることはないと思われます。   ●租税回避の意図がある場合  株主総会後1回も支給していない。  未払計上も1年まとめて行っている。  ↓  このような場合は否認される可能性がありますね。  利益調整に利用していると思われるリスクがあるということです。  

★未払役員報酬と源泉所得税

●理論  報酬支払時に源泉徴収を行うので、役員報酬未払時は原則として源泉徴収は行われません。  (つまり納付も不要のはずです)  ↓  しかし、役員賞与は、支払確定日から1年経過日までに支払がされない場合、  1年経過日に支払があったものとして、納付しなければなりません。     ●実務上の取り扱い  役員報酬が未払でも源泉所得税は納付をします。  ↓  源泉を納付していないと、税務調査時に「利益操作とみなされるの可能性」が  極めて高くなるからです。  ↓  対策として、「源泉所得税の納期の特例」を届出ることが可能です。  ↓  資金繰り上、役員報酬が支払うことができない場合は、一旦報酬を支払い、  役員から会社への貸付とする処理を行うことがベターといえます。