このページをまとめると・・・・

  • 日本国外に住んでいる外国人が日本で法人を設立できるか
  • 会社設立の全体の流れを知りたい
  • 定款に記載する本店所在地は番地まで?
  • 発起人会って何?

こんにちは、大阪会社設立代行税理士の佐藤です。
今回は「外国人でも会社の設立はできるのか?」「会社設立は素人では難しいのか?」「定款の中の本店所在地は大阪市で止めていいのか?」「発起人会という文字を生まれて初めて見たけど・・」という人向けに書いてみました。しっかり読めば、外国人の会社設立手続きの理解が深まりますし、発起人会や設立時取締役といった特殊用語の意味も分かります。

海外在住の外国人ですが日本で会社設立できますか?

  • 上海に住んでいる中国人です。この度日本市場へのビジネス展開に向けて大阪と神戸で株式会社設立を計画しています。中国人でも会社設立できますか?

条件はありますが、外国人でも可能です!

    

★発起人と代表取締役

◆外国人・海外に住む日本人・外国法人のいずれでも発起人にはなれます!   外国人の場合は、サイン証明書(印鑑登録制度のある地域は印鑑証明書) 外国法人の場合は、会社代表印の印鑑証明書代替物 ◆発起人のうちの誰かが日本国内の銀行に口座をもち、通帳があること。  代表取締役は日本国内の印鑑証明書を保有していなければならないので、  普通は代表取締役になるべき発起人の通帳を利用します。

★外国人が会社設立する場合のテクニック

日本の銀行に口座がない場合は、国内に口座を持つ日本人に少額出資で発起人に なってもらうという手法を使います。 ただ、代表取締役は日本の印鑑証明が必要なので普通は銀行の通帳も作れるはずです。

会社設立の流れを教えてほしいです!

  • 株式会社を設立しようと思っています。ネットで色々見ていたのですが、なかなか全体像が分かるページがないのですが、ざっくり教えてもらえませんか?

ざっくりした手続は以下となります。

    


★設立の基本事項を決定する

●会社の商号は何にするか ●本店はどこに置くか ●どのような業務を行うか、行う予定か ●資本金はいくらにするか    <注意!>  本店および役員をココで決めると、発起人会を開かなくても大丈夫!   (但し、募集設立の場合は、創立総会で役員を選任する必要があり!)  

★法務局で商号調査及び事業目的の確認を行う

◆事業目的はなかなか素人では判断しにくいことが多いので判断に迷った場合には  直接法務局の窓口で相談できます。相談した人からサインをもらえたらベスト!  

★印鑑を作る!


★定款を作成!


★公証役場で定款の認証をしてもらう!

定款を公証役場に持って行きます(事前に電話する)。 定款3通、印鑑証明、4万円分の収入印紙、定款認証手数料5万円等が必要になります。

★出資金を金融機関へ払い込む!

発起設立と募集設立とで手続内容が異なります。

★取締役会を開催!

取締役会を設置する会社の場合、取締役会を開催する必要があります。  <決議事項>  ①代表取締役の選任  ②支店設置の決定、支店業務責任者の選任  

★設立登記のための書類を申請!

登記申請日はそのまま設立日となります。 法務局に持参する書類は、登記申請書、定款、取締役会議事録等です。

★設立完了!でもまだ油断できません!

税務署・都道府県税事務所・市役所等に必要書類を届出しなければなりません。

本店所在地を定款には全部書くの?

  • 株式会社の設立を予定しています。定款には会社の本店所在地を細かく全て書く必要がありますか?

本店所在地。定款には最小行政区画まで記載すればOK!

    


★本店所在地

本店の所在地は、日本国内であればどこであっても問題ありません。 自宅を本店所在地とすることも勿論可能です。

★本店所在地と定款について

本店所在地は定款の絶対的記載事項になります。 本店所在地を変更に伴う定款変更は株主総会特別決議によらなければなりません。 しかし、定款に記載する本店所在地は「最小行政区画」(東京23区は区、その他は市町村) まで大丈夫です。 実務上は、定款作成時に、「東京都千代田区」や「大阪市」で止める場合が多いですね。 (しかし、設立登記申請のときは正確な住所が必要です) 大阪市内で会社を設立する場合はほとんどがこのパターンです。 定款に最初から具体的な所在場所を記載しても問題はないですが、 その場合は本店移転の度に定款の変更手続きをする必要があります。 最小行政区画だけを定款に記載していれば、東京都千代田区内・神戸市内での本店移転 の場合には定款変更の手続きが不要になります。

★本店所在地の定款変更について

①定款に「本店の最小行政区画」を記載している場合  記載された「最小行政区画」外に本店所在地を変更する(神戸市から芦屋市へ等)には、  株主総会の特別決議を必要とします。  しかし、「最小行政区画」内で本店所在地を変更するならば、定款変更は不要です。   ②本店所在地に具体的な地番まで記載している場合  同じビルで階が変わる程度の変更であっても定款を変更することになりますので  株主総会の特別決議が必要となります。  <注意!>  ◆①②のいずれの場合でも、本店所在地変更の移転登記は必要となります。(3万円)    ◆移転前と移転後の本店所在地で登記所の管轄が異なる場合、2つの登記所へ申請が必要!   申請書を1通作成し、2通まとめて移転後の本店所在地を管轄する登記所に申請します。   (移転前の管轄登記所には、移転後の管轄登記所を経由して申請することになります)   当然ですが、登記費用も3万円×2になります。

設立時取締役?発起人会?一体何なのでしょう?

  • 株式会社の設立を予定しています。設立時取締役や発起人会といった聞き慣れない言葉が出てきます。これって何?

重要キーワードなので覚えておきましょう

    


★設立時取締役の選任

●設立時取締役は、発起人会または定款で選任することができます。  定款で選任する場合は、定款の中に「設立時取締役」の名前を記載します。  発起人会で選任する場合、発起人会を開催しそこで取締役を選任し議事録を作成!   ●定款に最初の役員になる人=設立時取締役を記載しなければいけないわけではありません。  しかし、設立の話が具体化していれば誰が役員になるのか決まっているケースが  ほとんどではないでしょうか。

★発起人会とは

発起人会議事録を作るための会ですね。 定款で「本店所在地の詳細な住所」や「設立時の代表取締役」を選任していない場合に 開かれるのが発起人会です。 ●詳細な住所とは  「兵庫県芦屋市山岡通1丁目13番26号蝗ビル3F」というのが詳細な住所です。  「当会社は、本店を兵庫県芦屋市に置く」というのは詳細な住所ではありません! ●つまり  定款に「本店所在地の詳細住所」と「代表取締役の選任」があれば、  発起人会を開く必要もないですし、議事録を作成する必要もありません。

★取締役は1名でもOK?

取締役会を設置しない株式会社の場合は取締役1名以上でOKです!(監査役も不要!) しかし、取締役会を設置する会社は、取締役3名以上、監査役1名以上が必要です!

★設立時取締役と取締役は違うの?

特段の変更がない限り、定款に定めた設立時取締役(設立時代表取締役)が 設立後もそのまま取締役として業務を遂行します。 設立時取締役という名の時期=設立中の時期は、彼らに権限はありません。 設立に際する一切の権限は発起人だけにあるのです。 晴れて通常の取締役になった時点=設立後に初めて権限が生まれるので、 名前を識別していると考えてよいでしょう。